BASF 携行型近赤外分光分析を家畜飼料業界に導入

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2021年10月29日

 BASFと同子会社の独トライナミクス社はこのほど、モバイル型近赤外(NIR)分光ソリューションを飼料業界へ導入すると発表した。これにより、飼料業界のバリューチェーンのどこでも、家畜飼料の成分解析を迅速かつ高精度にオンサイト(現場)で行える。

 トライナミクス社は、赤外線センシングと3Dイメージングを専門にしており、赤外分光を大幅に小型化した高性能のポケットサイズラボラトリーを開発。BASFの飼料添加物に関する知識と、トライナミクス社のモバイルNIR分光の専門知識を結集し、飼料分析の加速化とシンプル化を実現した。

 クラウドベースで小型ポータブルデバイス、スマートフォンアプリ、カスタマーポータルサイトを統合し、飼料サンプルの品質や栄養価に関する分析結果をボタン1つで得られる。家畜飼料は家畜の成長段階や健康状態、原材料の変更に伴い調整が必要だが、栄養成分の見える化により、飼料の配合や品質管理が強化される。飼料工場や栄養士、生産者が飼料の品質を保証するための、迅速かつ柔軟なソリューションである。

 対象サンプルは飼料原料から完成飼料まで幅広く、水分、タンパク質、脂肪、エネルギーなど、質の高い飼料や家畜の健康に不可欠なパラメータの把握に役立つ。測定はその場ででき、所要時間は1分未満。結果は瞬時にスマートフォンアプリに表示され、さらにトライナミクス社のウェブベースのカスタマーポータルサイトにアクセスして評価することができる。

 今後も、両社はさらなるソリューション強化に向けて協力していく。クラウドを介した継続的なアップデートにより、ユーザーはハードウェアを交換することなく、新しいアプリケーションや機能を利用できる。