NEDOなど 公衆広域通信利用の自動運転実証を開始

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2021年11月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は自動運転社会の実現に向け、NEDOが管理法人を務め内閣府が実施する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/自動運転(システムとサービスの拡張)」で、国内外の自動車メーカーや自動車部品メーカー、大学など計22機関による実証試験を、今月から来年3月にかけ東京臨海副都心で行う。

 公衆広域ネットワーク(V2N)からの信号情報や気象情報、交通規制、道路交通情報などを自動運転に活用する手法を検証する。交通環境情報を活用したインフラ協調型の高度な自動運転の実現を目指し、2年前から東京臨海部の一般道に信号情報提供用のITS無線路側機、高精度三次元地図、首都高速道路への合流支援センサーなどのインフラを整備し、国内外の関係企業・機関の参加を得て実証実験を行ってきた。

 今年度は、交通環境情報配信のしくみ作りと活用拡大のために、これまでに整備した高精度三次元地図情報やV2Nによる信号情報、合流支援情報の配信に加え、V2Nによる多様な交通環境情報の車両への配信環境を整え、実証実験を行う。

 また、交通環境情報利活用の新たな取り組みとして、車両プローブ情報を活用した車線別渋滞、交通規制、落下物情報など他事業者のもつ情報と、気象、模擬緊急車両、事故車に関する情報、さらには昨年度の実証実験で狭域通信で配信した信号情報についても、V2Nで車両へ配信する。

 自動運転車の走行経路計画の判断やODD(走行環境)の判定、中広域の交通環境情報を生成、V2Nで配信し、安全な走行への有効性を検証する。さらに、「SIP自動運転」で開発中の様々な交通環境に対応する高精度シミュレーションモデルを使い、臨海副都心地域を中心とした安全性評価環境を仮想空間に構築し、自動運転システムの安全性評価の有効性確認のための実証実験を追加実施する予定だ。