太陽石油 水素菌のバイオジェット燃料、共同研究を開始

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2021年11月18日

 太陽石油は17日、CO2資源化研究所(UCDI社)とバイオジェット燃料の原料であるイソブタノール製造に関する共同研究契約を締結したと発表した。CO2を原料とするSAF(持続可能な航空燃料)製造に向けた研究を共同で開始する。

 世界的に脱炭素化が加速しており、各社に対応が求められている。航空輸送分野についてもバイオマスや廃食油などを原料としたSAFの製造、供給が進んできた。しかし、これらの燃料は食糧との競合、水資源や地球環境保全への影響、原料確保といった様々な課題があり、大量生産には不向きな状況にある。

 こうした中、課題解決として、CO2から燃料を製造するカーボンリサイクルへの期待が高まっている。UCDI社は、増殖速度が非常に速い「UCDI水素菌」を開発し、水素とCO2を原料としたイソブタノール生成に関する基盤技術・特許をもつ。今回の共同研究では、UCDI社の基盤技術と太陽石油の石油精製に関する知見を融合し、水素とCO2を原料としたSAF製造の実証化に向けた技術開発を実施していく。

 太陽石油は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、バイオ原料の利用や生物機能を活用したサステナブルな燃料・化学品原料の供給に向けた検討を推進。今後も、地球環境と調和した有望な事業領域の拡大に積極的に取り組んでいく考えだ。