クラリアント 水蒸気メタン改質のCO2削減技術を展開

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2021年12月8日

 クラリアントはこのほど、テクニップ・エナジーズ社(フランス)とともに、水蒸気メタン改質による持続可能な水素製造に向けた画期的な「復熱式改質テクノロジー『EARTH』」を共同開発し、本格販売を開始した。

 クラリアントの触媒技術とテクニップ・エナジーズ社の特許技術とのコラボレーションで開発を行い、「EARTH」は「水素用拡張環状改質チューブ」の頭字語を取ったもの。水蒸気メタン改質装置内の同心チューブ部品と、外部環状スペースに装填された構造体触媒からなる。

 新設計の構造化触媒は、圧力損失が少なく活性と熱伝達を最大化する。また安定性と機械的堅牢性に優れ、改質プロセス中の熱的・機械的応力や触媒床の体積減少時でも性能を維持する。ドロップインソリューションとして設計され、既存・新規の改質装置チューブに対応し、熱の回収と高い変換率を同時に実現する。

 2019年に開始したトルコのAkkim社の水素工場での先行運用では、CO2排出量は20%減少し、化石燃料消費量は約40%低減した。すでにスペインのRepsol社から、2023年稼働開始予定のスペイン・カルタヘナの2万1千N㎥/h規模の水素工場と、欧州にある既存水素工場のアップグレードの2件を受注。CO2排出量の削減が求められる炭化水素からの水素生産に対し、持続可能性の目標達成と工場の生産性と効率の改善といった、環境・経済の両面で大きな成果が期待される。