日本触媒 三次元細胞培養容器による膝関節症の臨床研究終了

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2022年3月18日

 日本触媒とそばじまクリニック(大阪府東大阪市)は17日、日本触媒が開発した三次元細胞培養容器「ミコセル」で作製した脂肪由来幹細胞凝集塊の変形性膝関節症に対する臨床研究(安全性確認)を終了したと発表した。そばじまクリニックで、細胞凝集塊の安全性が確認されている。

 「ミコセル」は、日本触媒が独自技術により開発した三次元細胞培養容器。特徴として、粒子径が揃い生体内での状態に近い細胞凝集塊を多量に作製できる。両者は、「ミコセル」を用いたヒト脂肪由来幹細胞凝集塊の変形性膝関節症に対する安全性、および有効性のデータ取得を目的とした臨床研究を実現するため共同研究を実施。今回の臨床研究は、被験者自身の脂肪由来幹細胞をミコセルで細胞凝集塊とし、これを膝関節内に注射投与を行うもの。そばじまクリニックが「第二種再生医療等計画」を再生医療等委員会へ申請して承認され、2021年2月から臨床試験を開始し、今年2月28日に終了報告を行っている。

 今回の臨床研究では、「ミコセル」を用いて作製した細胞凝集塊を計5人の被験者へ投与し、細胞凝集塊の安全性を確認した。今後、有効性の確認を行うため、臨床研究有効性確認の承認申請ならびに実施を進めていく予定。両者は臨床研究により、細胞凝集塊を用いた治療の実用化ならびに再生医療のさらなる発展に向けて貢献していく。