出光興産は23日、全固体電池の実用化と普及拡大を目的に、 ユミコア社（ベルギー・ブリュッセル）と共同で 正極材料と固体電解質を融合した高性能材料を開発すると発表した。
世界規模でのカーボンニュートラル・循環型社会の構築が必要となる中、全固体電池は主に自動車産業における電動化、脱炭素化の加速（EV化）、安全性、高容量、急速充電といった性能ニーズを満たす技術として、実用化と普及拡大への期待が高まっている。全固体電池性能の発揮・向上のためには固体粒子同士の密着性確保が極めて重要であることから、両社は、この実現への貢献が期待される、正極材料と固体電解質を融合した新しい高性能材料の共同開発を開始する。
出光興産は、全固体リチウムイオン電池のキーマテリアルとなる固体電解質の開発を推進。石油化学事業で培った高純度硫化リチウム製造法を確立し、硫化リチウムを原料とする硫化固体電解質の特許を多数保有している。
一方、ユミコア社は、HV、PHV、EVで必要とされるLIBに使用される正極材料のリーディングカンパニー。両社は、それぞれが持つ知見と技術力を生かすことで、全固体電池の新しい高性能材料の開発を加速させ、全固体電池の実用化と普及への貢献を目指す。