中越パルプ工業 CNFの再生プラ、農工大に寄附講座を設置

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2022年8月1日

 中越パルプ工業はこのほど、東京農工大学に寄附講座を開設し、循環型資源であるセルロースナノファイバー(CNF)を用い、新たなプラスチック再生技術の社会実装を目的とした取り組みを開始したと発表した。

 石油由来のプラスチックを使用後に回収し、有効活用していくことがカーボンニュートラルへの貢献となる。回収プラには様々な利用方法があるが、多くは燃料として使用され、再生利用量は限られている。

 プラの再生利用を妨げている要因の1つが、リサイクルによる物性の低下だ。今回、両者が開始した取り組みでは、すでに開発した技術「ナノコンポジットおよびナノコンポジットの製造方法」を応用。微量のCNFを用いたリサイクルを行うことで、物性を低下させないプラ再生技術の開発と社会実装に向けた研究を行っていく。

 「プラ資源循環促進法」が今年4月に施行され、プラ使用量の削減はもちろん、リユース、リサイクルという資源循環の促進が重要視されている。そして今まで再生利用が難しかったプラ製品の再資源化が大きな課題となっている。両者は、環境にやさしいナノ微細化法(ACC法)で製造したCNFを用いてこの課題に取り組み、社会に貢献していく。