ブラスケム MR拡大に向け消費財リサイクル会社を買収

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2022年9月5日

 バイオポリマー生産のパイオニアであり業界最大手のブラジルのブラスケムはこのほど、マテリアルリサイクル(MR)事業を手掛けるワイズ・プラスティコス社(サンパウロ州イタチバ)の株式取得と新株引き受けに関する契約を締結した。ブラスケムはワイズ社の株式資本の61.1%を1億2100万レアル(約32億2000万円)で取得。その一部を使用し、ワイズ社の廃プラスチック処理能力を、2026年までに現在の年間2万5000tから5万t程度に倍増させる方針だ。

 ワイズ社は、消費財メーカー向けのポリオレフィンのリサイクルを行う企業であり、この分野では15年以上の事業実績をもつ。ユニリーバやブラジルの大手化粧品メーカーのナチュラなどとの協業に取り組んでいる。また今後数年間は、同市場での事業機会を獲得するため、キャップ(ふた)、家庭用品、家電製品に使用されるポリプロピレンや、パーソナルケア、ホームケア、化粧品のパッケージなどに使用される高密度ポリエチレンに焦点を当てた戦略的拡大計画を推進している。

 一方、ブラスケムはブラジルでのリサイクルチェーン開発を加速させている。リサイクルインフラの整備、MRや高度なリサイクルなどに取り組む中で、リサイクル活用という共通ビジョンをもつワイズ社との連携を強化していく。