三井化学 廃プラ由来のポリエチ生産へ、シェルと合意

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2022年10月19日

 三井化学は18日、シンガポールのシェルイースタンペトロリアム(Shell Eastern Petroleum)と廃プラスチック由来のエチレン調達に関する売買基本合意書を締結したと発表した。これにより、三井化学グループのプライムポリマー子会社・プライムエボリューシンガポールで、廃プラ由来のケミカルリサイクルポリエチレンの生産に向けた取り組みを開始する。

(写真中央右)三井化学の芳野正代表取締役専務執行役員、(中央左)Asia Pacific, Chemicals & ProductsのShirly Yap上級副社長

 プライムポリマーによれば、生産開始時期は未定としながらも、早期の製造・販売を検討しているようだ。シェルの廃プラ由来エチレンは、バイオマスやリサイクル原材料の認証制度として広く採用されているISCC PLUS認証を取得済み。同認証に基づく信頼性のあるマスバランス方式により、既存のポリエチレンと同じ物性での廃プラ由来ポリエチレンへの展開が可能になる。

サーキュラーポリエチレンモデル(左)と『エボリュー』を使用した製品例(右)

 プライムエボリューシンガポールは、同社が製造・販売する高機能な直鎖状低密度ポリエチレン「エボリュー」に、廃プラ由来のサーキュラーポリエチレンをラインアップに加え、供給していく。リサイクル材を利用する環境貢献性に加え、石油由来製品と同等の物性を備えることから、まずは既存製品の主な販売先である中国や東南アジア市場に向けて、切り替え需要を狙っていく考えだ。

 三井化学とプライムポリマーは、2050年カーボンニュートラルに向け、化学品・プラスチックのリサイクルとバイオマス化を両輪で進めている。廃プラリサイクルは循環経済を実現する重要な戦略課題と位置づけている。