旭化成 「アクシーラボ」開設、共創で新たな価値を創造

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2023年6月6日

 旭化成は5日、素材技術と加工技術の新たな可能性を引き出す共創コミュニティ「AKXY Lab(アクシーラボ)」をオープンしたと発表した。ものづくりに携わる様々な企業や個人の参加を募り、それぞれの素材技術や加工技術を生かしたものづくりとプロトタイピングを通じて、新たな価値創造を目指す。

  同社は2017年より、コンセプトカー「アクシー」シリーズを制作し、グループの自動車関連部材を活用した未来のクルマの姿を提案してきた。2020年にはコロナ禍での外出制限で影響を受けたアプリケーションとして「靴」に着目。約3年間、サプライチェーン(SC)における様々な関係者と協業し、素材を活用したコンセプトシューズの制作に取り組んできた。この活動は素材がもつ可能性や加工技術の重要性を再認識する契機となった。

 今回、適用するアプリケーションの拡大ならびに共創活動のさらなる加速のため、幅広く企業や個人の参加を募る開かれたコミュニティとして「アクシーラボ」を開設。急激な社会変化に対応すべく、製造業では開発速度の加速が求められている。同社の保有する素材と技術の新たな可能性を引き出し、イノベーションを生み出すためには、共創活動を通して同社以外の素材や技術も取り入れることが重要になる。また、サーキュラーエコノミーの実現に向けては、素材の製造工程における環境負荷低減に留まらず、流通過程や使用時、廃棄方法を含め、SC全体を俯瞰して考える必要がある。

  「アクシーラボ」は、組織の枠や既存の常識にとらわれることなく、樹脂、金属、土、繊維、木材、紙などの様々な素材の開発や加工に携わる人びとが集まり、自由な発想でものづくりのアイデアを生み出すためのコミュニティ。異なる知識・経験・技術・視点をもった参加者とともに、まだ生かされていない素材、まだ考えられていない用途、まだ解決されていない社会課題と向き合いながら、コミュニティで設定した開発テーマに基づくプロトタイプ制作を通じて、新しいものづくりに挑戦する。