キリンホールディングスとAEPW、メディア意見交換会を開催

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2023年9月13日

PETボトルの水平リサイクル、CRで50%へ

 キリンホールディングスはこのほど、横浜工場(神奈川県横浜市)において、プラスチック資源循環に関するメディア意見交換会を開催した。

溝内常務執行役員

 これは、

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レゾナックHD、世界トップの機能性化学メーカーへ

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2023年2月27日

戦略・個の能力・組織文化の3つで企業価値向上

 レゾナック・ホールディングスは先日開催された決算会見において、髙橋秀仁社長が「共創型化学会社」に向けた取り組みを説明した。同社は今年1月、昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合して発足。社名はレゾネート(共鳴する)とケミカルのCを組み合わせており、共鳴することで共創型化学会社を目指している。

髙橋秀仁社長

 パーパスとして掲げる「化学の力で社会を変える」について髙橋社長は「化学が地球環境に負担をかけてきたことに真摯に向き合い、イノベーションによって社会を良い方向へ変化させたいというコミットメントを表した。先端材料パートナーとして時代が求める機能を創出し、グローバル社会の持続可能な発展に貢献する」と語った。目指す姿である「日本発・世界トップクラスの機能性化学メーカー」への変革を進み続け、世界で戦える会社、持続可能なグローバル社会に貢献する会社、国内の製造業を代表する人材創出企業になる施策を打っていく。

 マテリアリティの1つ「責任ある事業運営による信頼の醸成」に向けては、2025年までにポートフォリオ変革にめどをつけ、万全な収益基盤を構築する。髙橋社長は「2、3の事業を切り離し、2、3の事業を取り込めれば、当面は理想的なポートフォリオが実現できる」と示唆した。これまで8事業を売却しており、さらに切り離す事業については的確なタイミングでスピード感を持って対応する。業界再編が必要な事業については議論をする場が整い次第テーブルに着くとした。

 取り込む事業については、相手企業と関係を築きウィンウィンのフォーメーションを継続的に話し合っていく。髙橋社長は「半導体・電子材料の分野は日本が勝てる最後の分野だ。相当の規模をもった企業が生まれるべきだと信じており、そこに向けて全力で邁進する」と力を込めた。

 一方、企業価値向上については「CEOとして最大の仕事」とし、①ポートフォリオ改革、②個の能力、③組織文化の3つを掛け合わせることで、EBITDAの額の向上とマルチプル最大化を目指す。

 ①では、石化中心の総合化学メーカーから、世界で戦える機能性化学メーカーへと進化する。社内外ですり合わせをして顧客の求める最適な機能を創り出す「共創型人材」が機能性化学メーカーになるうえで不可欠であると指摘し、「ポートフォリオ戦略に適切な人材を育成することが私のミッションであり、これこそが当社の人的資本経営の根幹だ」と強調した。

 ②では、個の能力を引き出すためのマネージャー教育、「コングロマリットディスカウントを最小化することに資する」社内人材の流動化などを説明。また、共創型コラボレーション研修では360度評価を導入し、心理的安全性、無意識のバイアス、傾聴力、発信力、議論を仕切る力など5つのソフトスキルを向上させていく。

 ③では、HR組織全体でパーパス/バリューの浸透に取り組む。昨年、髙橋社長とCHROで世界70拠点を回り、タウンホールミーティング(61回)とラウンドテーブル(110回)を実施し、1100人超の社員と対話した。今年はさらに進化させ、双方向の課題解決型のコミュニケーションの場を創出していく方針だ。

 最後に、マテリアリティに基づく人材KPIの可視化に取り組むと明らかにした。髙橋社長は「統合報告書などを通して段階的にアップデートしていく。最終的には非財務KPIが財務KPIにどのように結びつくかについて、関係性を開示したい」との考えを示した。

ウレタンMDI、春節休暇明けから市況が上昇基調

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2023年2月20日

行動制限の解除で実需が増加、期待先行の一面も

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、アジア市況が底を打ち、春節休暇以降から上昇基調にある。2月上旬のスポット市況はモノメリック2275ドル、ポリメリックが1950ドルとなり、大きく落ち込んだ12月からモノメリックで275ドル程度、ポリメリックで35ドル程度も上昇している状況だ。

 中国では、行動制限解除の混乱が落ち着き、春節休暇明けから経済活動が活発化しつつある。ウレタン製品の実需も増加しており、MDIの引き合いが戻ってきている。ただ、需要が本格化してくるには時間がかかると見られ、市況の上昇は期待先行という一面もあるようだ。

 昨年のMDIは、中国ロックダウンの影響により4月以降から市況が下落基調となった。特に、秋以降には、中国政府がゼロコロナ政策を一段と強化したことが重荷となり、スパンデックス(弾性繊維)や靴底といった幅広い用途で使用されるモノメリックの需要が低迷。不動産問題の長期化で、住宅や冷蔵庫の断熱材用途で使用されるポリメリックも需要が盛り上がらず、需給バランスが大きく崩れた。中国に設備を構える海外大手メーカーは、採算重視の姿勢から、稼働調整や新設の稼働を遅らせるなど対応を図ったものの、市況の下落が継続。さらに、12月に入り政府が行動制限を解除したことが、コロナ感染者の急拡大を招き、中国経済が大きく混乱した。これを受けて、MDI市況はモノメリックが2000ドル割れ、ポリメリックが1600ドルを割り込む結果となっている。

 こうした中、年明けから徐々にコロナ禍の混乱が落ち着いたことで、中国経済の回復への期待が高まっている。春節休暇の旅行者も3億人超と2019年の90%の水準にまで戻るなど、人やモノの動きが活発化し、需要の回復を見据えて工場の稼働が上がっているようだ。ただ、『モノメリックは日用品など実需の要素が大きいが、ポリメリックは期待先行の面がある』(大手メーカー)との指摘もあり、不動産問題が解決しない限りポリメリックが足を引っ張り、MDI市況の上値が重くなることも想定される。

 国内大手メーカーである東ソーは、MDIを生産する南陽事業所、スプリッター拠点である中国・瑞安工場ともフル稼働を継続しているが、交易条件の悪化や原燃料価格の高騰により収益が大きく圧迫され、今年度のクロール・アルカリ事業は営業赤字を見込む。ただ、年明けから中国市場が持ち直してきたことに加え、高騰していた石炭価格が急落するなど事業環境の潮目が変わりつつあることから、第3四半期の決算発表では、業績予想を据え置いた。今後、春にかけて海外大手メーカー定修が予定されており、想定以上に需要が出てくれば市況が押し上げられる可能性もあり、今後の市場動向が注目される。

 

レゾナックの2022年度決算、外部環境悪化で減益

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2023年2月15日

構造改革に注力、2025年の数値目標を達成へ

 レゾナック・ホールディングスは14日、2022年12月期の連結業績を発表した。売上高は前年比2%減の1兆3926億円、営業利益32%減の594億円、経常利益32%減の954億円、純利益308億円(同429億円増)だった。 “レゾナックの2022年度決算、外部環境悪化で減益” の続きを読む

東海カーボン、新中期経営計画を発表、営業利益690億円目標

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2023年2月13日

主力事業を成長軌道に回帰、積極的な投資も継続

 東海カーボンは10日、新中期経営計画「T-2025」(2023~2025年度)を発表し、決算会見において長坂一社長が説明を行った。同社は経営環境の変化に柔軟に対応するため、2019年から年次で中計のローリングを行っている。長坂社長は

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帝人の4-12期、のれんの減損損失計上で純損失に

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2023年2月9日

 帝人は8日、2023年3月期第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%増の7651億円、営業利益61%減の148億円、経常利益58%減の175億円、純損失71億円(同329億円減)だった。複合成形材料事業の米TST-US社について、のれんに係る減損損失を154億円計上したことが響いている。

 セグメント別に見ると、マテリアルは増収・営業損失。自動車・航空機用途を中心とした販売量の増加や、原燃料価格高騰に対応した販売価格改定および為替影響などで増収。米国拠点での設備故障による生産性悪化、欧州拠点での労働力不足による生産性悪化や工場火災などによる生産量低下、中国ロックダウンおよびその後の経済減速による需要減、原燃料価格高騰および物流費増などで大幅な減益となった。

 ヘルスケアセグメントは減収減益。主力製品「フェブリク」の後発品が参入し販売量が減少した。繊維・製品セグメントは増収増益。産業資材分野は需要が堅調、衣料繊維分野は需要が好調に推移し、コスト高を販売価格に転嫁した。ITセグメントは増収減益となっている。

 なお同日、通期連結業績の修正を発表。マテリアルでの収益悪化や複合成形材料事業での減損損失の計上を織り込み、売上高1兆300億円(前回発表比200億円減)、営業利益100億円(同150億円減)、経常利益120億円(同170億円減)、純損失180億円(同340億円減)に下方修正している。

塩ビ樹脂、2月インド向け輸出、前月比140ドル高

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2023年2月6日

米国品減少で需給が改善、在庫積み増しの動きも

  塩ビ樹脂(PVC)の2月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比140ドル高の1000ドル、中国その他向けが同70ドル高の885ドルで決着した。インド向けは5ヵ月ぶりに1000ドル台となり、中国向けも4ヵ月ぶりに800ドル台を回復している。台湾大手メーカーも、インド向け同90ドル高の930ドル(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同70ドル高の885ドル(同なし)で決着。両地域とも2ヵ月連続でプラスとなり、アジアの輸出環境が持ち直してきたことが伺える。

 インドは需要期に入り農業用パイプなどの引き合いが強まっている。しかし、海外メーカーが内需の不振で余剰となった玉をインド向けに輸出したため、昨年の夏場から輸出価格は下落基調を強めていた。こうした中、12月に入り、在庫調整がひと段落した米国品をはじめ海外品のインドへの流入が一服。需給バランスがタイト化したことで、先高観から在庫を積み増す動きが強まった。これを受けてインド向け輸出価格は反転し、1月に90ドル高となり、2月も140ドル高とさらに上昇する結果となっている。

 ただ3月についてはステイあるいは弱含みになるとの見方が出ている。2ヵ月間で230ドル高となった反動で調整局面になることや、在庫を積み増した需要家が様子見になることが想定される。また輸出価格が持ち直してきたことで、米国品や中国品が急増し、上値が抑えられるとの指摘もある。

 一方、中国は、行動制限による需要減退に加え、不動産問題が解消されないこともあり、PVCの内需が盛り上がりを欠く。また、輸入したPVCが使用される再輸出品も、輸出先である欧米の景気悪化で引き合いが弱い状況が続いている。1、2月の中国向け輸出価格の上昇は、インドの価格に引っ張られたとの見方が強く、3月についてもインド価格に合わせた値動きとなりそうだ。ただ、ゼロコロナ政策が解除されことで、中国経済が回復することへの期待が高まっている。中国政府の対策次第では景気が好転する可能性もあり、今後の市場動向が注目される。

 なお、日本の12月のPVC輸出は前年同月比12.5%減の4万3200tと5ヵ月連続でマイナスとなった。2022年累計では54万tとなり、前年から5万tも減少している(VEC発表)。2023年についても、輸出環境が改善しない限り、輸出量は月間4万t台で推移すると見られる。

東レ、オールカーボンCO2分離膜、高耐久性検証

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2023年2月1日

天然ガス製造での実用化にめど、30年に事業化

 東レは31日、天然ガス製造の精製プロセスにおける過酷な環境において、同社が2021年に創出したオールカーボンCO2分離膜を改良した結果、高い耐久性でCO2を分離できることを確認した、と発表した。

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UBE、CPL1月契約価格、2ヵ月連続100ドル安

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2023年1月27日

中国経済の混乱が要因、春節休暇明けの動向注視

 UBEは、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、1月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比100ドル安の1550ドルで決着した。12月は原料ベンゼン見合いで100ドル安となっていたが、1月はゼロコロナ政策を緩和した中国の混乱が重荷となり、2ヵ月連続で大幅安となっている。

 CPLの契約価格は、中国から輸出されるナイロンチップの動向に左右される。昨年2月まで中国からの輸出量は月2万tペースだったが、行動制限による内需の低迷で増加基調となり、6月には4万1000tを記録。その後、3万t台まで落ちたものの、再び10月3万8000t、11月3万9000tと高水準で推移している。安価な中国チップがアジア市場に定着したことで、台湾チップの価格の下押し要因となっており、UBEの契約交渉も夏場以降から値下げ圧力が強まっている。

 こうした中、中国政府は12月にゼロコロナ政策を緩和。これが感染者の急増につながり、経済活動の混乱に拍車をかけた。中国のCPLスポット市況が急落したため、SINOPECは、12月(下旬決め)の契約価格を、75ドル安(900人民元安)の1360ドル(1万1700人民元)で決着している。こうした最悪期の交渉となったことで、UBEも2ヵ月連続での百ドル安を受け入れざるを得なかったようだ。

 ベンゼンとのスプレッドも大幅に悪化した。1月のベンゼンACPが高騰したため、スプレッドは155ドル縮小の685ドルとなり、2020年9月以来、2年4ヵ月ぶりに700ドル台を割り込んでいる。副生される硫安の市況回復が遅れていることもあり、UBEにとって事業採算が大幅に悪化している状況だ。

 一方、感染拡大がひと段落したことで、年明けから中国経済回復への期待が高まっている。CPLのスポット市況も反転し、春節休暇(1月21~27日)直前まで上昇基調を継続。これを受けて、SINOPECは1月の公示価格を前月から580人民元高の1万2280人民元で発表。人民元高を踏まえるとドルベースでは10月の水準を上回っており、市場の空気が一変したと言える。

 中国のナイロンチェーン稼働率(1月3週目までの平均)を見ると、CPLは79%稼働と前月比7ポイントも上昇した。定修明けの複数メーカーが稼働を再開したことが背景にある。チップは汎用グレードが持ち直したことで66%と2ポイント上昇。ヤーン(糸)は、春節休暇を控え紡糸工場が早めに工場を止める傾向にあるため、50%と10ポイント以上も低下した。CPLが高稼働でも市況が上昇していることから、春節休暇明けの需要増を見据えた需要家の買いが入っているようだ。

 UBEは2月の契約について、ベンゼン市況の上昇を吸収できる200ドル高以上の値上げで決着したい意向。春節休暇明けに中国市況が強含めば、契約交渉がスムーズに進むと見られる。ただ、欧米の景気減速が懸念材料。アジア地域からナイロン製品の輸出が頭打ちになれば、在庫が積み上がる可能性もあり、この先の市場動向が注目される。

 なお、UBEは3工場で稼働調整に取り組む。宇部工場は硫安の輸出を抑えるため90%程度に稼働を落としている。海外工場についても事業環境の改善が見られないことから、タイ工場は80%稼働、スペイン工場は70%の低稼働が続いている。

UBE、CPL12月契約価格、前月比100ドル安

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2022年12月28日

ベンゼン安が影響、中国市況の低迷も下押し要因

 UBEは、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、12月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比100ドル安の1650ドルで決着した。原料であるベンゼン市況が大きく軟化しており、CPLも連れ安となっている。スプレッドについては、ベンゼンの下げ幅をカバーできず、15ドル縮小の840ドルに悪化した。UBEにとっては、需要悪化で販売数量が伸びていないことや、ユーティリティコストや物流費などが上昇していることもあり、800ドル台の水準では収益的に厳しいと言える。

 契約価格が弱含んでいる要因として、安価な中国チップがアジア市場に定着したことが挙げられる。中国ではゼロコロナ政策により景気が悪化。ナイロン樹脂やナイロン糸の需要が低迷していることもあり、CPL市況がアジア価格よりも低水準となっている。それを安価なチップとして輸出しているため、台湾チップのシェアが奪われており、価格交渉の重荷になっている状況だ。

 中国市況を見ると、SINOPECは、11月(下旬決め)のCPL契約価格を、前月比24ドル安(200人民元安)の1435ドル(1万2600人民元)で決着。これで、4ヵ月連続で1万3000人民元台を下回った。さらに12月の公示価格も、値差が広がったスポット価格に合わせて、1万1700人民元と大幅に引き下げたようだ。

 中国のナイロンチェーンの稼働率(12月3週目までの平均)を見ると、CPLは72%と前月から3ポイント上昇した。減産や停止の動きが見られるものの、長期の稼働調整は雇用問題などで地方政府に睨まれるという事情があり、稼働率70%割れになると、無理に稼働させるケースがあるという。ただ、ナイロンチップは64%(高速紡糸用70%弱、汎用グレード60%)の同5ポイント低下、ヤーン(糸)も64%の同9ポイント低下となっており、川下製品は一段と需要が低迷。CPLだけが70%稼働を維持していることで、需給バランスが崩れており、ナイロンチェーン全体の市況が改善されない要因となっている。

 UBEは来年1月の契約について、ベンゼン市況の軟化が一服してきたことから、ステイでの決着を目指すという。ただ、中国ではゼロコロナ政策の緩和により感染者が急増。節目である旧正月明けに好転するとの期待がしぼみつつあり、価格交渉の難航も想定される。

 こうした状況を踏まえ、台湾大手CPLメーカーであるCPDCは、春の定修時から1工場の停止を継続。さらに、もう1工場も11月末に稼働を停止し、在庫販売に切り替えたもよう。仮に、CPDCの稼働調整が長引けば需給が締まってくることも想定され、UBEの交渉にプラスに働く可能性もあると見られる。

 なお、UBEの3工場については、宇部工場は秋の定修が明けたことから、フル稼働で在庫を積み増している。スペイン工場は、欧州の経済環境を反映し70%稼働を継続。ただ、欧州では経済の混乱から稼働を停止する工場も多く、こうした顧客を集めることで売り先を補確保しているという。タイは、定修を延長して稼働を抑えていたが、11月末に再開した。ただCPL、副生品の硫安とも需要が戻っておらず、当面は80%程度の稼働を計画している。