三井化学 2020年「触媒科学賞」の受賞者を決定

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2020年7月29日

 三井化学はこのほど、2020年「三井化学 触媒科学賞」の受賞者に、ミュンスター大学教授のFrank Glorius博士を決定した。 

触媒科学賞を受賞したFrank Glorius博士
触媒科学賞を受賞したFrank Glorius博士

 同氏は、効率的な有機合成反応を実現するための様々な触媒を開発。N複素環カルベン(NHC)配位子にいち早く着目し、金属・NHC錯体を使った選択的なアレーン水素化を実現し、ナノ粒子触媒にも適用できることを明らかにした。さらに、C‐H結合活性化のための触媒開発でも顕著な功績を残し、独創的な可視光フォトレドックス触媒や有機触媒も開発している。最近ではスマートデータ生成の方法や機械学習でも成果を挙げている。

 これらの幅広い研究が触媒科学の発展に大きく貢献していることから、今回の受賞に至った。同賞は、三井化学グループが2004年に制定。化学と化学産業の持続的発展への寄与を目的に、世界の触媒科学分野で特に優れた業績のある研究者を表彰している。2005年に第1回の表彰を行っており、今回は第8回目となった。授賞式と記念講演は、新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、来年秋の実施を予定している。

奨励賞を受賞したMatteo Cargnello博士
奨励賞を受賞したMatteo Cargnello博士

 なお、「三井化学 触媒科学奨励賞」は2氏が受賞。スタンフォード大学助教授のMatteo Cargnello博士は、触媒構造と触媒活性の関連をこれまでにない精度で解明した固体触媒科学の進展への寄与により受賞。

奨励賞を受賞した岩﨑孝紀博士
奨励賞を受賞した岩﨑孝紀博士

 また、東京大学准教授の岩﨑孝紀博士は、遷移金属アニオンと典型金属カチオンの協調触媒を用いる様々な有機合成反応を開発した点が高く評価された。

信越化学の4-6月期 コロナ禍で全セグメントが減収減益

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2020年7月29日

 信越化学工業は28日、2021年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7%減の3593億円、営業利益15%減の909億円、経常利益13%減の952億円、純利益18%減の693億円となった。

 セグメント別に見ると、塩ビ・化成品事業は売上高10%減の1102億円、営業利益25%減の190億円。米国シンテック社では、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を維持したが、市況の影響を受けた。また、欧州拠点も販売数量の維持に努めたが、市況の影響を受けた。国内拠点は市況影響に加え、定修による数量減があった。

 シリコーン事業は売上高9%減の512億円、営業利益34%減の105億円。汎用製品の価格下落や、車載向けや化粧品向けの需要鈍化の影響を受けた。

 機能性化学品事業は売上高5%減の274億円、営業利益33%減の50億円。セルロース誘導体は、医薬用製品や塗料用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調だった。

 半導体シリコン事業は、売上高4%減の949億円、営業利益2%減の385億円。半導体シリコンは半導体デバイス市場の調整局面が続いたが、販売価格と出荷水準の維持に努めた。

 電子・機能材料事業は売上高4%減の525億円、営業利益10%減の149億円。希土類磁石は、新型コロナを原因とするロックダウンにより一時海外工場の稼働が影響を受けたが、段階的に稼働を上げ現在はフル操業となっている。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調だった。マスクブランクスも先端品の伸びにより堅調に推移した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況となったが、大型パネル用フォトマスク基板は堅調だった。

 加工・商事・技術サービス事業は、売上高6%減の228億円、営業利益25%減の26億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器の出荷は堅調だったが、自動車用入力デバイスが自動車市況悪化の影響を受けた。

 なお、通期業績予想については、「コロナ禍の収束が見通せない中、業績予想を合理的に行うことの難しさが依然として残る」とし4月の発表と同様に未定とした。ただ、9月までの連結業績予想については、売上高10%減の7050億円、営業利益14%減の1820億円、経常利益12%減の1920億円、純利益16%減の1390億円と開示した。

トクヤマ 第1四半期決算、コロナ影響で減収減益

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2020年7月29日

横田社長「先行き不透明も、前向きな投資を継続」

 トクヤマは28日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の決算発表をオンラインで開催した。横田浩社長は「コロナの影響による販売数量減や海外市況下落があったものの、原燃料コストの減少などにより減収減益幅は微減に留まった」と総括した。

横田浩社長.jpg
横田浩社長

 売上高は前年同期比8%減の706億円、営業利益5%減の66億円、経常利益6%増の66億円、純利益7%増の52億円となった。

 セグメント別で見ると、化成品セグメントは減収減益。カセイソーダは国内出荷が減少したことに加え、海外市況も下落。石化製品も、ナフサに連動し価格が軟調となった。特に、インドがロックダウンに入ったことで、「売上高ベースで、カセイソーダ9億円、PVC8億円、VCM14億円の影響を受けた」としたが、

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旭化成 組織改正(8月1日)

2020年7月28日

[旭化成/組織改正](8月1日)【旭化成エレクトロニクス】▽M&Sセンターにデジタルマーケティング部を新設する【旭化成建材】▽企画管理部にIT業務改革推進室を新設する▽建材生産センター内の生産管理部を生産管理・技術開発部に改称する。

中外製薬 1-6月期決算(27日)

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2020年7月28日

[中外製薬/1-6月期決算](27日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益368,120(14.9%)、営業利益140,629(47.9%)、四半期利益102,293(47.7%)、株主に帰属する四半期利益102,293(47.7%)。

 

帝人 日立製作所との協創を開始 新素材の研究開発でDXを推進

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2020年7月28日

 帝人はこのほど、新素材の研究開発でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて、日立製作所との協創を開始すると発表した。

 帝人は中期経営計画の中で、イノベーション創出基盤の強化による事業機会創出の加速を掲げている。デジタル技術の活用はその重要施策であり、新素材の研究開発についてもデジタル技術を駆使して多様性・生産性・創造性を高め、研究開発力の強化を図っている。

 こうした中、同社は固有の研究開発プロセスにまで踏み込み、進化し続けるデジタル技術を幅広く活用する仕組みを構築するため、ICT分野で先進の技術群をもつ日立製作所との協創を開始することを決定。この取り組みによって研究開発のDX化を進め、データの可視化と予測に基づく新しい研究開発スタイルへの転換を図り、新たな知見の獲得や新素材の迅速な探索を可能とするなど、新素材や複合化素材の開発で、さらなる多様化・効率化・高度化を目指す。

 具体的には、①マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用を加速することにより、研究開発の高速化と高度化、さらに新たな発想を創出、②社内外の技術情報や特許情報を単語抽出AIで統合データベースに自動蓄積し、社内で共用することにより、研究開発をより進展させる情報基盤を強化、③R&Dポータルサイトを構築し、統合データベースに蓄積された情報や各部署の技術の見える化により人や組織の連携を活性化することで開発スピードを向上、などの実現を目指す。

 帝人グループは、多彩な高機能素材技術を活用し、社会と顧客のニーズに応え、新たな製品を送り出してきた。これからも、先進的なデジタル技術と様々なデータを駆使することにより、新素材の開発を加速し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」の実現に向けて、社会に価値ある新たなソリューションを提供し続けていく考えだ。

信越ポリマーの4-6月期 電子デバイス不振で減収減益

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2020年7月28日

 信越ポリマーは27日、2021年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比6%減の183億円、営業利益25%減の14億円、経常利益13%減の16億円、純利益3%減の13億円の減収減益だった。

 セグメント別に見ると、電子デバイス事業は売上高10%減の44億円、営業利益73%減の1億円。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による自動車業界の需要低迷などにより、自動車関連入力デバイスを中心に出荷が低調に推移した。

 精密成形品事業は、売上高4%増の83億円、営業利益4%減の12億円。半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の堅調な出荷が続いた。

 住環境・生活資材事業は、売上高13%減の41億円、営業利益80%減の3000万円。塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努め、新規事業製品の拡販を推し進めたが、食品包装資材や建設資材、自動車関連の素材系製品が需要低迷の影響を受けた。新規事業製品のうち、導電性ポリマーは、スマートフォン部品用途が安定的な出荷ながら、自動車用電子部品用途の受注が戻らなかった。

 その他は、売上高19%減の15億円、営業利益18%減の7000万円。工事関連では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による需要低迷の影響により、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が減少した。

 なお同日、上期の業績予想として売上高13%減の350億円、営業利益34%減の26億円を発表。なお通期業績予想については新型コロナ感染拡大による影響を合理的に算定することが難しいことから未定としている。

帝人 令和2年7月豪雨による被害へ支援、義援金を寄付

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2020年7月27日

 帝人はこのほど、「令和2年7月豪雨」の被災者の支援や、被災地の復興に役立ててもらうことを目的に、義援金300万円を寄付すると発表した。寄付先として、日本赤十字社に200万円、事業拠点がある福岡県大牟田市に100万円を予定している。

 同社グループは「皆様の安全と被災地の1日も早い復興を祈念しております」とコメントしている。