三菱ケミカル 欧州の炭素繊維リサイクル会社を買収

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2020年7月31日

 三菱ケミカルは30日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、ドイツにある炭素繊維リサイクル事業を手掛けるCFK Valley Stade Recycling(CFK)、およびcarboNXT(cNXT)を、スイスのグループ会社を通して買収することを決定したと発表した。来月8月上旬をめどに買収を完了させる予定。

 今回買収するCFKは、炭素繊維を使用したプリプレグなどの中間材を加工する際に発生する端材を、モビリティを中心とした顧客から回収するネットワークや、回収した端材をリサイクルする技術をもち、cNXTはそのリサイクル製品の販売を行っている。

 三菱ケミカルは今年、炭素繊維プリプレグメーカーであるドイツのc‐m‐p社、エンジニアリングプラスチックリサイクルを手掛けるスイスのMingerグループを買収。日本ではグループ会社「新菱」が炭素繊維リサイクル事業を手掛けているが、今回の買収により欧州についても、炭素繊維および炭素繊維コンポジットの製造から製品回収、リサイクルまでのチェーンを確立する。今後はリサイクルした製品を再度原料として同社グループで利用することにより、顧客に対して製品のリサイクルも含めたトータルソリューションを提案していく。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KV 30」の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけ、製品のリサイクルはその重要な取り組みの1つと捉えている。

 今後も、炭素繊維コンポジット業界のフロントランナーとしてユーザーへのソリューション提案力を強化し続けるとともに、循環型社会の実現に向けて貢献していく考えだ。

 

ダウ バイオPE使用のストレッチフィルムをアジア展開

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2020年7月30日

 ダウはこのほど、マレーシアの包装材メーカーであるトン・グアンと、植物由来ポリエチレン(PE)製品をアジア太平洋地域に導入したと発表した。同地域での再生可能原料由来プラスチック製品の商品化では画期的な事例となり、バリューチェーンを通しCO2排出量削減に貢献することが期待される。

 トン・グアンの新しいストレッチフィルム「ナノ・バイオ」は、ダウの直鎖状低密度PEである「ELITE5230GC R」エンハンスドPE樹脂を使用。この植物由来PE樹脂は、紙パルプの副産物であるトールオイルからのバイオナフサを使って生産されており、一般的な化石由来のPE樹脂と比較してCO2排出量を大幅に削減できる。

 さらに、マス・バランスアプローチをベースとするISCC認証を取得。このアプローチにより、各産業の複雑な製造または生産システム内でのサステナブルな原料調達を支援することで、すべての工程でトレーサビリティ基準が満たされ、各産業の持続可能性に貢献する。

 ダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスティック事業部アジア太平洋コマーシャルバイスプレジデントであるバンバン・キャンドラ氏は、「再生可能原料である植物由来のPE樹脂をアジア太平洋地域に導入することは、サステナビリティ目標を達成する上で重要な一歩だ」と述べている。

 一方、「ナノ・バイオ」は、薄肉化、柔軟性や耐久性の向上を実現する最先端のナノテクノロジーにより生産される。この環境に優しい高性能なストレッチフィルムは、物流用のパレット貨物を安定させ、輸送時の損傷や事故の発生の低減に貢献する。

 トン・グアン・インダストリーズのマネージングディレクターであるダトアング・プーン・チュアン氏は「ダウとの継続的なコラボレーションは、再生可能製品の提供とサステナビリティ推進への私たちの決意を示すものだ。ダウの植物由来のPE樹脂を使用することで、既存製品と同等の高性能を保ちながら化石燃料由来のPE樹脂の使用を削減し、顧客のビジネスとサステナビリティ面でのニーズを満たす」と述べている。

大王製紙 愛媛県三島工場のバイオマス発電を稼働、電力販売を開始

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2020年7月30日

 大王製紙はこのほど、バイオマス発電設備の新設工事が完了し、今月より再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)を利用した電力販売を開始した。

〈バイオマス発電設備〉
バイオマス発電設備

 同社三島工場(愛媛県四国中央市)では、これまでもクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)を、黒液回収ボイラーで燃焼させるバイオマス発電を行ってきた。今回、黒液回収ボイラーを新設し、発電した電力をFIT制度で電力会社に販売する。

 今回導入した最新鋭の黒液回収ボイラーは効率が5%改善し、一般家庭の約7200世帯分に相当する、年間2万5000tのCO2排出量を削減可能。四国地方の電力需要に占める再生可能エネルギー比率向上に貢献していく。

 大王製紙グループは「世界中の人々へやさしい未来をつむぐ」の下、事業活動を通じて地球環境保全への貢献に取り組む。業界に先駆けて建築廃材を主燃料とするバイオマス発電や、可児工場(岐阜県可児市)での重油からLNGへの燃料転換など、様々な環境対策を進めてきた。今後も、三島工場のバイオガス製造設備新設(今年10月稼動予定)など、再生可能エネルギーを有効利用した環境負荷低減の取り組みを継続していく考えだ。

旭化成など ジップロック・リサイクル・プログラムを開始

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2020年7月30日

 旭化成は29日、旭化成ホームプロダクツ、テラサイクルジャパン、ネイチャー・イノベーション・グループ、ビームスの4者が協働し、「ジップロック」をリサイクルした傘のシェアリングサービスを展開する「Ziploc RECYCLE PROGRAM」を開始したと発表した。

Ziploc RECYCLE PROGRAM
Ziploc RECYCLE PROGRAM

 同プログラムは、使用済み「ジップロック」製品を回収し、別のプラスチック製品に再生することで廃プラスチック問題の解決に貢献する活動。使い捨てになるビニール傘の廃棄問題に着目し、「ジップロック」をリサイクルしたビニール傘を、傘シェアリングサービスで運用する。

 旭化成ホームプロダクツを中心とした4者協働のプロジェクトであり、各社の役割として、回収とリサイクルをテラサイクルが、傘のデザイン監修をビームスクチュール(ビームスのブランド)が、傘シェアリングサービス運用をアイカサ(ネイチャー・イノベーション・グループ)が行う。

 まずは今月29日からテラサイクルのウェブサイトで「ジップロック」の一般回収をスタート。また9月中旬より、生産過程で出る廃棄品を使用したリサイクル傘のシェアサービス運用を、西武池袋線の池袋~飯能駅間の26駅を中心に開始する予定。

 今後も、「ジップロック」は顧客に貢献するブランドとして、一般家庭からの使用済み品の回収や、全国主要都市での傘シェアリングサービス活用を目指す。現在日本では、年間8000万本ものビニール傘が消費され、安易に廃棄されたものは環境問題につながっている。1本あたりに使用されるプラスチック量がストローの約400倍に相当するビニール傘の廃棄も、プラごみ廃棄量の多さの要因の1つだ。

 2018年に旭化成ホームプロダクツは、アップサイクルを理念とするブランド「ビームスクチュール」とのコラボレーションによって、「ジップロック」を素材に使用したビニール傘を発売。キッチン以外でのイメージづくりに取り組んだ。今回、それを発展させ、テラサイクル、アイカサ、ビームスと協働することで、使い捨てプラをビニール傘にリサイクルするのみならず、傘シェアリングサービスとして運用することで、廃プラ問題の解決に貢献する。

 旭化成ホームプロダクツは、今回のプログラムを通じて持続可能な環境・社会の実現を目指していく。

プログラム概要
プログラム概要

 

 

 

ダイキンと日立 生産・販売の立案・実行支援を自動化

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2020年7月30日

 ダイキン工業と日立製作所はこのほど、日立グループのSCM(サプライチェーンマネジメント)最適化シミュレーション技術により、ダイキンの化学事業の需要変動に即応する最適な生産・販売計画の立案・実行支援ソリューションを実用化したと発表した。

 モノづくりプロセスの革新を目指した両社の協創の成果。複数の製造・販売拠点の需給バランスに基づき、利益、売上、キャッシュフローなどの重要業績指標(KPI)を最大化する製造・販売施策シナリオや生産計画を自動で提示し、迅速な意思決定や急激な需要変化にも対応する。

 需要の急激な変動は、生産の遅延や欠品による機会損失や過剰生産など、サプライチェーン全体に影響する。化学品は需要変動が激しくかつ多品種生産であり、製造から販売までの部門間調整による状況に応じた製造・販売施策、生産計画立案と迅速なアクションが重要となる。

 さらに海外の製造・販売拠点での販売価格や販売・生産量、設備稼働率、生産能力、関税など膨大なパラメータを販売先や製品ごとに考慮し、経営視点でKPIの最大化に向けた製造・販売施策や生産計画を立案するには膨大な時間と経験・ノウハウが必要である。

 ダイキンは、フッ素化学製品のグローバル5製造拠点、9販売拠点、数百品目を対象に、先月から同ソリューションの本格運用を開始。どの製品を、どの拠点で、どれだけ生産し、どこで販売するかといった製造・販売施策立案のために、従来の約60倍のパターンを短時間で作成。それらを定量的にシミュレーションすることにより合意形成が迅速化し、意思決定までの時間を約95%短縮できた。製造・販売施策のタイムリーな立案と迅速な意思決定が可能になるとともに、顧客起点のSCM施策や事業計画の検討・実行に一層注力できるようになった。

 今後、ダイキンは他の化学品へ適用を拡大するとともに、製造現場データとの連係で、タイムリーで高精度な分析と経営判断につなげていく計画だ。日立は、この協創で培ったノウハウ・技術を活用し同社ソリューション技術「Lumada」の製造業向けソリューションとしてグローバルに事業展開していく。

 

出光興産 中国恵州の潤滑油製造工場が生産を開始

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2020年7月30日

 出光興産は29日、中国で2カ所目の直営潤滑油製造工場となる「恵州出光潤滑油・恵州工場」を稼働し生産を開始したと発表した。

恵州工場生産設備と事務所棟(右上)
恵州工場生産設備と事務所棟(右上)

 恵州工場は、中国での高性能潤滑油の需要増に対応した供給能力増強を目的に建設。年産12万㎘の生産能力をもつ。今回の恵州工場の生産開始により、同社グループの中国での潤滑油供給能力は、合計で年産29万㎘となった。

 華南に位置する今回新設した恵州工場と、華北の天津工場〈年産12万㎘:出光潤滑油(中国)が運営〉、華東の常州工場〈年産5万㎘:関係会社の国宏潤滑油(中国)が運営〉の3カ所の運営を通じて、世界最大の潤滑油需要国である中国全土へ、安定供給体制の確立と供給の最適化に取り組む。

 同社は今後も、中国の販売・供給体制のさらなる充実を図り、潤滑油のグローバルサプライヤーとして事業の強化・拡大を目指す考えだ。

潤滑油工場の中国拠点
潤滑油工場の中国拠点

信越化学 新規シリコーンエマルジョンを開発、規制に対応

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2020年7月30日

 信越化学工業は29日、新しいタイプのシリコーンエマルジョンを開発したと発表した。

水中に分散するシリコーンエマルジョン
水中に分散するシリコーンエマルジョン

 昨今、EUのREACH規則では、一部の用途向けのシリコーン製品に含まれる特定のシロキサンの濃度を、0.1%未満までに抑える動きがある。該当のシロキサンは、健康や環境に問題をもたらすものではないが、同社ではREACH規則の動向や顧客の要望に対応するために新製品の開発を行った。

 高度な精製技術により新たに開発したシリコーンエマルジョンは、特定のシロキサン含有量を低減すると同時に、既存製品と比較してエマルジョンの安定性が向上している。

 シリコーンエマルジョンは、シリコーンオイルやシリコーンレジンなどに乳化剤(界面活性剤)を加えて水中に分散させ、他の材料と配合しやすくした製品。シリコーンのもつ優れた特性とエマルジョンの使いやすさから、離型剤・潤滑剤・つや出し剤など、幅広い用途に使用されている。

 信越化学は、優れた品質と技術力、そしてきめ細かな対応で、今後も多様化する市場のニーズに応えていく考えだ。

シリコーンエマルジョンのイメージ図
シリコーンエマルジョンのイメージ図

 

 

JFEなど メタネーション技術で船舶のゼロエミ目指す

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2020年7月29日

 JFEスチールはこのほど、メタネーション技術による船舶のゼロ・エミッション燃料を目指す業界横断の取り組み「CCR研究会船舶カーボンリサイクル ワーキンググループ(WG)」に、エックス都市研究所、サノヤス造船、ジャパンマリンユナイテッド、商船三井、日揮グローバル、日本海事協会、日本製鉄、日立造船の計9社が参加し第1回会合を開催したと発表した。

 気候変動の影響が顕在化する中、脱炭素社会への道筋の1つとして、CO2を回収・再利用するカーボンリサイクルが注目を集める。メタネーション技術によりCO2と水素から合成したメタンを、船舶用ゼロ・エミッション燃料へ活用する目的で、同WGを昨年8月にCCR(炭素回収再利用)研究会に設置した。日本の輸出入の99.6%を担う海上輸送からの温室効果ガス排出(エミッション)をゼロにし、持続可能な社会の実現を目指す。

 国内の製鉄所から排出されたCO2を分離・回収・液化した後、再生可能エネルギー由来水素の供給地へ海上輸送し、その後メタネーションでメタンを合成、液化して舶用燃料とする、カーボンリサイクルのサプライチェーンを想定。CO2排出量を概算し、技術的課題を洗い出し、ロードマップの策定を行う。得られた知見は業界内外に公開する。

 JFEスチールは製鉄プロセスのCO2排出量削減、排出CO2の分離・回収の技術開発に取り組んできた。原材料と製品の輸送のほとんどを船舶運搬に頼る鉄鋼業にとって、CO2排出量削減の意義は大きい。同社は、CO2排出量削減を通じて地球環境保護に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

 

ユニチカトレーディング 機能性素材を使用した夏用マスクを販売

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2020年7月29日

 ユニチカトレーディングはこのほど、国内で生産した自社素材を使用したオリジナル夏用マスクの販売をスタートした。

夏用マスク「DRIMY(ドライミィ)」(2枚セットでの販売)
夏用マスク「DRIMY(ドライミィ)」(2枚セットでの販売)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、マスク着用は不可欠な状況。ただ、夏の暑い時期には、ムレや熱中症対策などマスクに対してのストレスが溜まっている。感染対策当初は、使い捨て不織布マスクが主流だったが、現在では国内の生地を使用した布製マスクが拡大。布製マスクは洗濯して繰り返し使用できることで、感染防止だけでなく家庭ごみの削減や海洋プラスチックごみ問題への貢献も期待されている。

 こうした中、同社は、国内自社工場で生産している機能性素材の中から、夏用マスクに適した素材を厳選し、着用時のストレスの少ないより快適なマスク「DRIMY(ドライミィ)」を開発。

 特長として、①機能性の高いオリジナル生地として、表面には吸汗・速乾ポリエステル素材「スパッシー」、肌面には接触冷感と吸放湿性のある再生繊維(セルロース)「シルフ」を使用、②呼吸がしやすい立体的なパターン、③汚れが目立ちにくい肌面仕様、などが挙げられる。7月22日より自社ECサイト(https://unitrade.official.ec)で販売中。サイズはM、Lの2種類で、価格は1パック(2枚組)1650円(消費税込)となっている。

 同社は、今回の夏用マスクの販売により、着用感など顧客のニーズを取り入れ、今後さらに進化したマスクを開発し提案していく考えだ。

旭化成ホームプロ 2020年版ハロウィーン向け容器を発売

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2020年7月29日

 旭化成ホームプロダクツはこのほど、ディズニーキャラクターをあしらったハロウィーン向け限定商品を発売すると発表した。「ジップロック スクリューロック」「ジップロック コンテナー」の2種5商品を、8月3日から全国のスーパーやホームセンター、ドラッグストアなどを通じ数量限定で販売する。毎年、春とハロウィーンの時期に期間限定で登場する人気ディズニーキャラクターデザインの「ジップロック」シリーズ。

 今回発売されるのは、ハロウィーン版で、大人っぽいシックなデザインに仕上げた定番の〝ミッキーマウス〟や〝ミニーマウス〟をはじめ、映画「トイ・ストーリー」の〝エイリアン〟、〝くまのプーさん〟とその仲間たちなど、様々なキャラクターのデザインが施されており、ハロウィーン気分を盛り上げる。希望小売価格は300~550円(税抜)。

使用シーンのイメージ
使用シーンのイメージ