東ソー 新型コロナ抗体検出試薬のラインアップを拡充

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2021年4月28日

 東ソーは27日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置 「AIA-CL2400」および同等機種向けの専用試薬として、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質(SP)に対する抗体を検出できる研究用試薬2種の販売を開始したと発表した。

抗体検出試薬「SP-Total」
抗体検出試薬「SP-Total」

 同社は昨年12月から新型コロナのヌクレオカプシドたんぱく質(NP)に対する2種の抗体検出試薬を販売しており、今回の追加により四種類の抗体検出試薬を揃えた。さらに同社装置と組み合わせることにより1時間で最大240テストの測定ができることから、ウイルス感染後やワクチン接種後の免疫獲得状態の把握など、新型コロナ感染症の基礎的、臨床的研究に貢献できる。

測定装置「AIA-CL2400」
測定装置「AIA-CL2400」

 同研究用試薬の開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)の補助を受け、横浜市立大学のグループと共同で実施。研究成果は「Frontiers in Microbiology」誌に掲載されている。同社は、横浜市大をはじめ外部機関の協力を得て、「AIA-CL」装置向けの新型コロナ抗原検査試薬についても開発中であり、今後研究現場および医療現場へのさらなる貢献を目指していく。

昭和電工 アルミ合金板材、車載用バスバーへの展開を本格化

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2021年4月28日

 昭和電工は27日、高熱伝導性・高強度アルミニウム合金製、板材「ST60-HSM」の車載用バスバー(大容量の電流を導電するための導体)への展開を本格化し、複数の自動車部品メーカーに今年からサンプル提供を開始したと発表した。

アルミニウム合金製板材「ST60-HSM」の試作品
アルミニウム合金製板材「ST60-HSM」の試作品

 同社が開発した「ST60-HSM」は、純アルミニウム並みの高熱伝導性とアルミニウム合金系統の6061並みの高強度をもつアルミニウム合金製板材で、PCの液晶バックライトのシャーシなどに採用されている。

 昨今のグローバル規模でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組み強化を背景に、自動車業界でもHVやPHV、EVといった電動車へのシフトが加速し、燃費向上や走行可能距離伸長のため、車体の軽量化への取り組みが求められている。そのため、車載モーターとコンバータ、インバータとジェネレータを接続するワイヤーハーネスやバスバーなども、銅製のものから、より軽量なアルミニウム合金製への置き換えが急速に進んでいる。

 同板材は、高熱伝導性や高強度といった特性に加えて高導電率をもつ、車載用バスバーに要求される疲労強度や高温強度にも優れたアルミニウム合金製板材。同板材に切り替えることで、既存の銅製のバスバーに比べて約43%の軽量化を実現するとともに、銅製バスバーより安価なことからコスト削減にも寄与する。

 同社は長年培ってきたアルミニウム合金設計技術と加工技術をもとに、顧客の課題を解決するソリューションを提供してカスタマーエクスペリエンスを最大化し、アルミ圧延品事業の拡大を目指していく。

日本触媒 長期ビジョンを策定、3つの変革に注力

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2021年4月28日

ソリューションズ事業を拡大、売上5000億円目標

 日本触媒は26日、長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」を策定したと発表した。同日にオンライン記者会見を開催し、

五嶋祐治朗社長
五嶋祐治朗社長

 五嶋祐治朗社長は「この10年、新規事業を創出し既存の主力製品に頼るビジネスモデルの脱却を進めてきた。新規事業の芽は出てきてはいるが、ビジネスモデルを変えるまでには至っていない」とし、

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三井化学 日本IBMとBC技術でプラの追跡実用化へ

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2021年4月27日

 三井化学は26日、循環経済の実現に向けて課題となっているプラスチック素材のトレーサビリティ(追跡可能性)の実用化を目指すため、ブロックチェーン(BC)技術を活用した資源循環プラットフォーム構築に向け、日本IBMと協働を開始すると発表した。

両社は、循環経済の実現に向けて、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指す
両社は、循環経済の実現に向けて、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指す

 BC技術とは、全履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術。全ての関係者がアクセス可能であり、データ改ざんが不可能であることから、その原材料、製品などが「いつ、どこで、だれの手を渡って来たのか」を追跡可能にする。

 三井化学のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進室を指揮する三瓶雅夫執行役員は、「当社は気候変動とプラ問題を重点的に取り組むべき重要な社会課題と捉えている。これらの課題解決には、資源を消費して廃棄する一方通行の経済から、資源を回収して再生・再利用する循環型経済への転換が必須だ」と強調する。三井化学が培ってきたモノマーやポリマーに関する豊富な知見やスキルをはじめ、現在開発を進めているリサイクルを含む環境対応技術やノウハウを生かし、BCに代表されるDX関連技術を積極的に取り入れることで、「素材トレーサビリティシステムである資源循環プラットフォームを構築し、循環経済の実現に寄与していく」(三瓶執行役員)考えだ。

 一方、日本IBMは、様々な企業のDXに取り組んできた豊富な知見やスキルを活用し、今回のBC技術を活用したデジタルプラットフォームの構築を検証する。BC技術により、中立性や公平性が担保され、高度なセキュリティを確保できるほか、スピーディーな構築や柔軟性を特長とするクラウドを活用し、既存システムと連携したハイブリッドクラウドの構築やAIの活用も検討していく。世界的にプラスチックの需要が拡大する一方で廃プラ問題が顕在化する中、これまで以上に資源循環型経済の実現が求められているが、リサイクル原料の使用では、含有物質の明確化などトレーサビリティの担保が課題となっている。

 両社が検討する資源循環プラットフォームでは、モノマー・ポリマーといった原材料から製品の製造・販売・使用、およびその後に回収から解体・破砕を経てリサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの、資源のライフサイクル全体を追跡していく。また、リサイクル原料の製造工程や検査工程、物性情報や品質情報なども併せて可視化することで円滑な流通支援を目指す。

旭化成 UNDP主導BCtAに2製品の承認が継続

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2021年4月27日

 旭化成は26日、今年2月に、再生セルロース繊維(キュプラ繊維)「ベンベルグ」とポリフッ化ビニリデン(PVDF)中空糸膜「マイクローザ」のインドでの事業展開が、国連開発計画(UNDP)が主導するビジネス行動要請「ビジネス・コール・トゥ・アクション(BCtA)」に承認継続されたと発表した。

  同社は2016年よりBCtAに承認されているが、今回、インドでの原料調達から最終製品に関わるステークホルダーへの支援および産学連携の取り組みが、商業活動と持続可能な開発活動を両立するビジネスモデルとして再度高く評価された。

 インドでの繊維産業に対する新たな労働機会の創出、ファッション業界の発展に向けた若者の育成活動を継続するとともに、今回より地球環境に配慮した繊維産業の持続的発展に欠かせない産業用水の排水浄化システムの整備も新たに進めていく計画だ。

 同社はインドで展開する事業を通じ、「ベンベルグ」の原料調達から最終製品までの企業活動に直接・間接に関与し、技術の向上、安定した収入の確保や新たな仕事の創出など技術開発や人財育成に貢献。原料のコットンリンター(綿実の周りの産毛)の多くをインドから購入しており、数社の原料メーカーにコットンリンター採取設備を無償貸与し、同社の技術者が生産向上のための指導や技術サポートを行っている。

 日本へ輸出されたコットンリンターは「ベンベルグ」原糸に加工されたのち、インドに輸出され機織りメーカーへ販売。また、生地生産段階での製織や染色などの技術指導を継続している。加えて将来インドの繊維業界、ファッション業界を担う若者・学生への教育にも注力しており、能力向上を目的に数校の大学に教育サポートを行い人財育成にも貢献している。

インド 「マイクローザ」を適用したプラント
インド 「マイクローザ」を適用したプラント

 一方、新たな取り組みとして、生地染色時に発生する排水処理に「マイクローザ」の適用を顧客へ提案し、染色工場のゼロ排水実現を進めている。これにより、工場周辺の環境保全と、水の再利用による貴重な天然水資源の節約に貢献している。

アジア石化市況 各社の定修でエチレンは小幅上昇

2021年4月27日

ベンゼンは海外市況の高騰が波及、SMも強含み

 アジア地域の4月第1週の石化市況では、エチレンは前週比10ドル高の1055ドル/tでの取引となった。新規設備が立ち上がっているものの、アジア地域ではクラッカーが定修期を迎えたこともあり、小幅の上昇となっている。スポット・ナフサ価格がほぼ前週並みとなったため、スプレッドも

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ポリスチレン 1-3月期の国内出荷は前年同期比9%増

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2021年4月26日

 日本スチレン工業会は20日、定例会見を開催し、ポリスチレン(PS)とスチレンモノマー(SM)の出荷実績について説明を行った。2021年1-3月期のPSの国内出荷は前年同期比9%増の16万7300tだった。

 室園康博会長(PSジャパン社長)は、「四半期の国内出荷の合計が16万t台となったのは2019年10-12月期以来だ。コロナ禍による巣ごもり需要で、食品包装用途に加え、空気清浄機やエアコンといった家電の電機・工業用途も好調が続いている。また4月からの値上げを見据えた仮需も3月に発生した」と総括した。

 1-3月期の国内出荷を用途別で見ると、

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三井化学 AI活用でIBMの「女性リーダー賞」受賞

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2021年4月26日

 三井化学はこのほど、IBMが表彰する2021年の「AIの未来を築く世界の女性リーダー賞」に、RC・品質保証部長の松江香織理事が選出されたと発表した。同賞は業界を問わず、AI(IBM Watson)を活用した変革や成長、イノベーションの促進に貢献した女性を表彰するもので、今年は世界18カ国から40人が選ばれた。 

RC・品質保証部長の松江香織理事
RC・品質保証部長の松江香織理事

 松江氏は、化学物質法適合性調査業務をアシストする新しいAIソリューションの開発を主導したことが高く評価された。開発したシステムは、法適合性調査に関わる各国の法律文書や化学物質の同義語、上位概念、専門用語などをIBM Watsonに学習させることで、質問文を入力するだけで各国の言語に翻訳し、必要な情報を素早く検索できるもの。昨年1月から精緻な法適合性調査の実現をアシストするシステムとして活用しており、今後は活用範囲をさらに拡大させていく考えだ。

 三井化学は今月、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進室を新設した。データとデジタル技術を活用しながら、一層の企業変革を加速していく。

 

帝人ファーマ うつ病治療補助システム開発、VR会社と契約

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2021年4月26日

 帝人ファーマは23日、ジョリーグッドと、バーチャルリアリティ(VR)を活用したうつ病の認知行動療法(CBT)を補助するシステム(CBT-VR)の共同開発契約を締結したと発表した。今後、両社はCBT-VRの薬事承認を目指し、その有効性や安全性を確認するために共同で開発に取り組む。

:「CBT-VR」のイメージ
「CBT-VR」のイメージ

 今回、契約締結に至った経緯として、帝人ファーマが昨年12月に実施した在宅医療分野の公募型事業共創プログラムで、ジョリーグッドが受賞したことが契機となった。その際に提案された「精神疾患を対象にした認知行動療法VRの開発」というテーマについて、両社の強みや事業領域を踏まえて具体的に検討を進めた結果、帝人ファーマがもつ知見や技術に、ジョリーグッドのVR技術を組み合わせることで、医療者をサポートし、患者のQOL向上に貢献できるとの確信に至った。

 認知行動療法は、ものの考え方や受け取り方といった認知のあり方が気分や行動に影響を与えることから、患者と医療者との対話の中で認知の偏りを修正し、問題解決を手助けする精神療法で、薬物療法以外の選択肢の1つとして取り入れられている。共同開発するCBT-VRは、認知行動療法の際に医療者と患者との対話にVRを組み合わせることで、感情喚起のサポートや症状の評価などをVRが補助し、治療効果を高め、医療者と患者の負担を低減することを目指す。

 今後、帝人ファーマはCBT-VRの薬事承認を目指し、ジョリーグッドとともにCBT-VRに使うシステムやコンテンツの開発、有効性と安全性を確認するための治験などを実施していく。帝人ファーマは、今回の共開発をきっかけとして、うつ病治療に対する未充足の医療ニーズを踏まえた先進的なサービス開発に取り組み、社会への貢献を目指していく。

 

旭化成 日本初の女子プロサッカーリーグと2年契約締結

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2021年4月26日

 旭化成ホームプロダクツは23日、今秋に開幕する女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」と2年間のシルバーパートナー契約を締結すると発表した。

WEリーグとシルバーパートナー契約
WEリーグとシルバーパートナー契約

 同社は、持続可能な社会の実現に向けたサステナブルな活動に取り組んでおり、スローガンとして「あたりまえのまいにちを、この先も、ずっと。」を掲げている。この活動の1つとして、商品を活用した時短テクニックの発信などを通じて、家庭内の家事の効率化により、家事への平等な参加や、仕事と家事の両立を支援し、男女共同参画社会の実現に貢献していく。

 今回の日本初女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の誕生は、女性の生き方の選択肢が広がる契機となると見られる。同社は「WEリーグ」の応援を通じて、すべての人がこれまでの「あたりまえ」をアップデートし、性別にとらわれず、自分らしく自由に活躍する、多様性にあふれた未来を実現したいと考え、シルバーパートナー契約の締結に至った。

 今後、サステナブルな活動の一環として「サランラップ」「ジップロック」「クックパー」など、同社製品が密接に関わる健康で豊かな日々の生活から、世の中の可能性を広げることを目的に、WEリーグと手を取り合い、スポーツと家事の領域で様々な取り組みを実施していく予定だ。