【2019年 夏季特集】 昭和電工代表取締役社長  森川宏平氏

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2019年8月14日

 創立80周年を迎え、さらなる収益力向上のサイクルを回す

 ━2018年度の業績の総括をお願いします。

 昭和電工森川社長 当社グループは、2016年から推進してきた中期経営計画「Project 2020+」で、持続的成長に向けた収益基盤の強靭化を推進してきました。この結果、2018年は黒鉛電極事業において統合効果の顕現と国際市況の上昇により大幅な増収となったほか、すべてのセグメントで中計目標を達成し、過去最高の営業利益を達成しました。すべての事業で収益力が向上した結果です。

 ━2019年度の景気動向と事業環境の見通しや、米中貿易摩擦の影響を教えてください。

 18年後半から懸念された中国景気減速については、中国政府による景気刺激策により持ち直しの傾向が見られたものの、米中貿易摩擦の長期化が中国経済に直接的・間接的に影響を与え、不透明感が強まっているように見えます。この問題は米中だけにとどまらず、原材料在庫、流通在庫の調整が起こるなど、世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、この状態が継続するのか、引き続き注視する必要があります。日本経済への影響については、2018年後半から中国への電子材料や各種機械装置の輸出、メモリや半導体需要の低迷が表面化しています。2019年下期は

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【2019年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長 淡輪敏 氏

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2019年8月13日

 増設・増強でナフサクラッカー強化、下流の競争力を向上

 ━ 昨年度の振り返りと、今年度の見通しについてお伺いします。

 三井化学淡輪社長 対外的なカントリーリスクなどがあったが、国内需要はそれなりに推移し、その状況下では比較的底堅く動いていったのではないか。ただ、原料価格の急変、特にナフサの急落は、一過性ではあるが、負のインパクトがあった。

 また、当社として反省すべきは事故がなかなか止まらないことだ。昨年6月の大阪工場・用役プラントでの火災事故も負のインパクトとなり、3年連続の最高益更新には至らなかった。ただ当期純利益が最高益を更新できたことは、一定の手応えを感じている。

 今年度については、社内に向けて、「潮目が変わった、

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【2019年 夏季特集】 三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏

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2019年8月9日

 安全が第一、安全・安心を担保できない事業はやめる覚悟

 ━昨年度の振り返りと、今年度の見通しについて。

 三菱ケミカル和賀社長 TOP 昨年の前半は、米中の貿易摩擦や中国での環境規制の問題、海洋プラスチック問題などと、さまざまな外部の不安要因はあったものの、化学業界にとっては良い状況が続いていた。しかし後半、10月ぐらいから完全に潮の流れが変わった。市況が下がり始め、一時的な調整局面かと見ていたが、年が明けたらモノの動きがピタッと止まった。その後は3月、4月と少しずつ回復の動きが出てきており、足下の値動きも全般的にそれほど悪くはない。

 振り返ってみると、

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【2019年 夏季特集】 旭化成代表取締役社長 小堀秀毅 氏

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2019年8月9日

  サステナビリティへの貢献を軸に、製品・用途開発を推

 ━昨年度の振り返りと施策について、お聞かせください。

 旭化成小堀社長 昨年度は3カ年の中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」の最終年度だったが、売上高と営業利益が過去最高を更新し、計数面で非常にいい成果がでた年だった。また、拡大投資にかなり踏み込んだ年でもあった。競争優位性のある事業では、オーガニックな成長に向けた能力拡大投資を決定した。

 M&Aでは、CO2センサーのモジュールメーカーであるセンスエアー社、自動車用内装材メーカーのセージ社、住宅の部材サプライヤーであるエリクソン社などの買収を発表した。この3社についてはクロージングも完了しており、将来に向けた成長への布石が打てたと考えている。

 一方、事業の基盤強化では、

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【2019年 夏季特集】 東ソー代表取締役社長  山本寿宣氏

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2019年8月8日

 スペシャリティで相次ぎ能増、新中計で成長図る

 ━前中計の最終年度だった2018年度の振り返りと、2019年度の見通しについて。

 東ソー 山本社長2018年度の売上は8615億円、営業利益は1057億円を達成し、前中計の目標はクリアしました。ただ、これは交易条件が非常に良かったためです。2019年度は売上高が8600億円、営業利益は950億円の減収減益という業績予想を組んでいます。その理由は、製品の海外市況が下落する見込みであること。特に、塩ビやウレタンの海外市況を厳しく見たことが、この数字に表れています。

 ━海洋プラスチックごみをはじめとする環境問題への対応は。

 廃プラスチック問題に関しては、例えば、廃ボトルの国内処理拡大が必要となっており、当社はセメント・プラントを持っているので、サーマルリサイクルを拡大できるよう設備を見直し、燃料代替として使っていく取り組みを進めています。地球温暖化問題では、CO2排出削減のため、ボイラーの効率化とバイオマス燃料の使用拡大、燃料転換に取り組んでいます。

 ただ、海外の企業と競争していますので、イコール・フッティングという観点からすれば、単純に、例えば燃料を

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【2019年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2019年8月8日

 さまざまな事態への備えが重要、安定的な収益確保を目指す

 ━2019年の景気動向と事業環境の見通しは。

 金川会長画像 世界情勢は先行き不透明な状況が続いており、見通すのは難しいことです。当社は、変化する事業環境の中で日々の経営に注力し、実績を積み重ねることに取り組んでいます。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移し、最高益を更新することができました。今年度についても、第1四半期決算では増益を達成しました。

 また年間の業績も増益を見込んでいます。外部発表しました業績予想の達成に向け最大限努力をしています。

 ━廃プラスチック問題が注目される中、サーキュラーエコノミー(循環経済)にどう取り組んでいますか。

 当社ではESGの重要課題の1つとして、省エネルギー、省資源、環境負荷の低減を掲げており、各工場において、熱エネルギーの循環や水のリサイクル利用に積極的に取り組んでいます。

 一方、事業においては、レア・アースマグネットの原料であるレア・アースのリサイクルを武生工場とベトナム工場で行い、原料調達の

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【2018年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2018年8月9日

 市場動向を注視、好業績に甘んじることなく成長を追求

 ━ 信越化学は、好調な業績が続いています。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移したことで、最高益を更新しました。メーカーとしてやるべきこと、すなわち最高の品質の製品を最低のコストで生産し、その製品を適正価格で売り切ることを続けてきた成果です。

 相場より高く売れば、お客様の信頼をなくしますし、安く売れば会社の利益を損ねることになります。当社の社員はこれらのことを良く理解しており、全部門の社員が一生懸命努力してくれたことが、良い業績につながったと思っております。

 ただ、「山高ければ谷深し」という言葉があるように、良い時ほど最悪の事態を想定しなければなりません。経済環境や市場の動きをよく見て、わずかな変化にも気を付けています。企業は株主の期待に応え利益を上げ続けることが使命であり、経営は結果が全てです。

 ━ 貿易摩擦問題などの市場への影響が心配されています。

 世界情勢は先行き不透明な状況が続いていますが、どんな状況下でも利益を上げることを目指します。私たちが注力すべきことは、

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【2018年 夏季特集】 三菱ケミカル代表取締役社長  和賀昌之氏

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2018年8月9日

働き方改革に向けた〝危険作業の棚卸し〟と、面で捉える情報

 ━ 米中の貿易摩擦をはじめ、世界情勢について。

 米中の政策そのものについて、われわれがどうこうすることはできず、業界全体の流れが変わるような有効な手立てが直ちに見つかるわけでもないので、注視しているというのが正直なところだ。

 もちろん報復措置の応酬になると、全世界のトレードバランスが変わってくるので、非常に大きなインパクトがあると思っている。化学業界は昨年から全体的には順調な風が吹いている中で、トレードバランスが変わっていくというのは、決して好ましい状況ではない。

 ━ 世界のサプライチェーンに及ぼす影響は。

 われわれ化学産業というのは、「材」の提供だから、ものの動きが重要になってくる。たとえば、顧客である

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【2018年 夏季特集】 旭化成代表取締役社長  小堀秀毅氏

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2018年8月9日

海外依存は自然の流れ、各エリアの戦略・ガバナンスを強化

 ━ 世界情勢について。

 昨年までは世界各国において、政治の目まぐるしい変化はあったが、全体として世界協調的に緩やかな経済・景気の拡大という路線は変わらなかった。今年に入り、米国が利上げを行い、欧州でも同様な動きが出ており、少しずつ経済の風向きが変わる可能性がある。

 足元だけを見ると、緩やかな拡大基調という流れは変わっていないと見ているが、米中の貿易摩擦や新興国の通貨安などがどう動いていくかを、注視しなければならない。最も懸念していたのは為替だが、現状は想定より円安に振れており事業にとっては良い状態と言える。

 いずれにせよ、変化への対応力・適応力が求められ、そのためには変化へのアンテナをどう張るかが重要になる。マーケットの動きは現場が一番良く分かるのだから、現場が感じたものが速やかに経営上層部に入り、判断できるようにならなければならない。この現場力とスピードが大切だ。

 ━ 日本では石油業界において統合が進んでいる。化学メーカーのコンビナートの今後は。

 化学メーカーはいろいろな分野に事業が広がってきていることから、強いところをより強くするために

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【2018年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長  淡輪敏氏

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2018年8月9日

アーク社との共同開発、自由度がシナジー効果を最大に

 ━ 貿易摩擦問題が深刻化するなか、世界経済をどう見るか。

 今は米中間で過激になっているが、その影響がどう出るかはなかなか見極めきれないところがある。追加関税の対象が工業製品にまで及ぶと、複雑で複合的な影響になってくる。

 また、自動車が本当に課税の対象になれば、これは相当深刻になる。日本にダイレクトに影響が出てくることから、今後の動きを注視しておかないといけない。

 ━ この情勢は、投資計画や新拠点の立地条件などに影響はあるか。

 今のところ直接的に、そこまでの影響は見ていないが、当社の

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