日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、10月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比7%減の5万2300tと、2カ月ぶりにマイナスとなった。その要因として、10月の価格改定で値上げが予定されていたことから9月に仮需が発生し、その反動が出たことが挙げられる。
用途別で見ると、包装用は
2020年12月4日
2020年12月3日
DICとエフピコは、ポリスチレン(PS)の完全循環型リサイクルの社会実装に向けた検討を本格化した。
DICは、プラスチックの高度資源循環の社会実装に貢献するため、産官学連携で廃プラスチックの材料再生プロセス開発のプロジェクトに参画しマテリアルリサイクル(MR)の研究を推進。また、食品包装などのパッケージ素材として使用されるPS、フィルム、インキ、接着剤などの素材がプラスチックのMR特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、環境負荷の少ないパッケージ素材の製品開発を進めている。
エフピコグループでは、一般家庭から排出される使用済み発泡PS食品容器をMRによって再生利用する「エフピコ方式のリサイクル」を積極的に推進。使用済みの白色発泡PS容器は、粉砕した後、再度溶融した上でエコトレーとして製品化し、色柄付きの発泡PS容器はハンガーなど日用雑貨品に再生利用している。
一方、PSは制御された加熱条件下で容易にPS原料のスチレンモノマー(SM)に戻る「モノマー還元」の性質があるため、ケミカルリサイクル(CR)に適している。CRで得られたスチレンから生産されたPSは、石油原料から生産されたPSと同等の性能や安全性があり、使用用途が限定されずに幅広い用途で利用できる。
両社は、CRに関する合弁会社を含めた共同事業体設立などの協業を視野に検討を進めており、モノマー還元技術を外部から導入することで、色柄付きの発泡PS容器の再生を実現し、PS製品の完全循環型リサイクルを目指す。なお、DIC四日市工場での実証実験プラントの建設も検討している。
CRによるPS製品の完全循環型リサイクルでは、「エフピコ方式のリサイクル」を活用し、使用済み食品容器を9600カ所の拠点で回収。色柄付きの発泡PS容器を両社の共同事業体などでリサイクルSMに再生し、DICでPSを生産、エフピコでエコトレーなどへの製品利用を目指す。
両社は、様々なリサイクル技術を活用することで完全循環型リサイクルを実現し、使用済みプラスチックの有効活用と、食品包装容器のライフサイクル面でのCO2排出量の削減に貢献していく考えだ。
2020年10月22日
室園会長「需要は回復傾向も、今後の動向を注視」
日本スチレン工業会は21日、都内で定例会見を開催し、ポリスチレン(PS)とスチレンモノマー(SM)の出荷実績について説明を行った。
1-9月期のPSの国内出荷は、前年同期比6%減の45万1000tとなった。室園康博会長(PSジャパン社長)は、「9月の国内出荷は大きく伸びた。PSメーカー各社が10月からの値上げを打ち出していたこともあり、駆け込み需要が発生したことが背景にある。また、包装系や家電系を中心に、7月以降は需要が回復傾向となってきたことも大きい。ただ、例えば巣ごもり需要でスーパーが好調な反面、コンビニが振るわないなどまだら模様となっており、動向を注視している」と総括した。
輸入品については
2020年9月25日
2020年8月28日
日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、7月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比1%増の5万5600tと、4月以来3カ月ぶりに5万t台を回復した。その要因として、7月にPS価格が値下げされたことや、コロナ禍の影響が弱まり需要が増加したことが挙げられる。
PSは原料価格や為替などを考慮し、四半期ごとに価格改定を行っている。4-6月期に原料ベンゼン価格が大きく下落したことから、7月からの大幅値下げが想定されていた。買い控えていたユーザーが調達に動いたと見られ、前月比では26%増と大幅プラスとなっている。また、行動制限が解除されたことで、食品包材や雑貨をはじめ、全ての用途で需要が回復傾向となっている。
用途別で見ると、包装用が
2020年6月2日
2020年3月3日
2019年12月11日
DICは10日、四日市工場(三重県四日市市)で製造するポリスチレン(PS)の生産能力を、設備強化や生産プロセスの最適化を行うことで、年産20万8000tから21万6000tに増強したと発表した。投資金額は非公開。2023年にはPS事業の売上高を2017年比で10%の増加を目指す。
PSはコンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている弁当・惣菜向けの食品容器などに多く用いられており、共働きや単身世帯の増加などを背景に、調理済みの食品を持ち帰って食べる〝中食〟市場を中心に需要が拡大。日本惣菜協会発行の「2019年版惣菜白書」によれば、2018年の中食の市場規模は約10兆円で、9年連続の成長を続けている。
昨今では、〝レンジアップ惣菜〟といわれる新ジャンルの中食が登場し、生の食材をプラスチック容器ごと電子レンジで加熱調理する惣菜も増加の一途をたどる。
同社は、成形性と高強度を両立した高機能タイプのPS製品「ハイブランチ」ブランドに加え、高い耐熱性をもつ新製品もラインアップ。新製品の耐熱性は汎用のPS樹脂に比べて5~10℃ほど高く〝レンジアップ惣菜〟の調理用途にも対応する。
さらに、リサイクル性にも優れ、総重量の削減による省資源化を可能にするなど環境配慮型製品の特長も備える。同社グループは、拡大する中食市場の需要に安定供給を果たすだけでなく、食品容器や包装資材に使える「安心・安全」に配慮した製品を提供するとともに、世界的な社会課題である環境問題の解決に貢献していく考えだ。
2019年1月24日
2018年12月25日