ランクセスの4-6月期 売上高微減も純利益は3%増

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2019年8月21日

 ランクセスの2019年12月期第2四半期連結決算は、売上高が前年同期比1%減の18億1000万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同1%減の2億8600万ユーロ、純利益は同3%増の1億ユーロとなった。

 自動車産業の需要低迷の影響により、エンジニアリングマテリアルズとスペシャリティアディティブス部門の販売量が減少。加えて、クロム鉱石事業の低迷も業績に影響を与えた。しかし、安定的な事業ポートフォリオと為替の好影響、特に米ドル高によってほぼ相殺することができた。

 第2四半期累計では、売上高が同微減の36億3200万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同微増の5億6100万ユーロ、純利益は同3%増の1億8400万ユーロとなった。

 アドバンスト中間体部門は、売上高が同3%増の5億6100万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同10%増の1億700万ユーロ。アドバンスト工業化学品(AII)ビジネスユニットと、サルティゴ(SGO)ビジネスユニットが好調だった。為替の好影響も業績に寄与した。

 スペシャリティアディティブス部門は、売上高が前年同期並みの5億600万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同2%減の8900万ユーロ。ラインケミー(RCH)ビジネスユニットの需要低迷により販売量が減少したが、為替の好影響と販売価格の引き上げにより相殺された。

 パフォーマンスケミカルズ部門は、売上高が前年同期並みの3億5600万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同3%増の6000万ユーロ。水処理製品と物質保護製品関連事業の堅調さ、為替の好影響が皮革用化学品(LEA)ビジネスユニットのクロム鉱石事業の低迷を相殺した。

 エンジニアリングマテリアルズ部門は、売上高が同9%減の3億6500万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同20%減の6500万ユーロ。自動車産業の需要低迷の影響を受け、為替の好影響でもこれを補うことができなかった。

 通期の業績予想は変更がなく、特別項目を除いたEBITDAは、10億ユーロ~10億5000万ユーロとなる見通し。第3四半期の業績は前年同期比でわずかに減速するものの、第4四半期にはやや回復すると見込んでいる。

ランクセス 国内の全3拠点でライトダウンを実施

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2019年7月26日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス日本法人は、クールアースデー(7月7日)と夏至の日(6月21日)に合わせ、国内全3拠点で「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」などの取り組みを実施した。

 ライトダウンキャンペーンには、2014年から昨年までの5年間連続で参加しており、今年から環境省による取り組みが終了したため、自主的に実施した。

 ライトダウンキャンペーンでは東京・豊橋・姫路の3拠点で、夜8時から10時までの2時間、オフィス照明の一斉消灯を行った。この消灯による消費電力削減量は、1実施日当たり約39.01㎾hとなった。

 また、従業員やその家族にも自宅での消灯を呼び掛けた。さらに、今年は同キャンペーンに加え、6月を環境月間として環境保護に関する啓発活動を実施した。

 その1つが従業員向けの特別セミナーで、「ドイツ及び日本における持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みとその違い」というテーマで、2カ国の環境対策や持続可能な社会への取り組みについて専門家を招いて解説するなど、従業員の環境保護への理解促進を図った。

 ランクセスは気候変動の潜在的な危険性を理解し、その課題解決に向けて取り組んでいる。2015年には、CO2e(二酸化炭素換算値)を2010年比で16.8%削減する目標を達成するとともに、2025年までにCO2eとVOCs(揮発性有機化合物)を、さらに25%削減するという新たな目標を自発的に設定している。

 同社では、生産設備の継続的なレビューの実施、先端的で気候変動に対応した技術の活用を通じて、これらの目標を達成していく方針だ。

 

ランクセス ブラジルで高性能プレポリマーの製造を開始

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2019年7月8日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、ブラジルのポルトフェリース拠点で高性能プレポリマーの製造を開始したと発表した。

ブラジルのウレタン製造拠点
ブラジルのウレタン製造拠点

 同社のウレタンシステムズ(URE)ビジネスユニットは、ブラジルと南米市場への取り組みに注力しており、これによりプレポリマーの製造能力の拡大を図るだけでなく、同拠点の最先端の研究室で用途開発と技術サービスを提供することになる。

 UREビジネスユニットは、キャストエラストマーと塗料、接着剤、シーラントの専門知識を持ち、世界のポリウレタン業界に製品を提供するシステムプロバイダー。ポートフォリオには、従来のウレタンプレポリマーと低遊離イソシアネートプレポリマー、特殊水系ポリウレタン分散剤(PUD)が含まれる。

 また、顧客のニーズを満たす完全なシステムを設計するため、キャストエラストマー向けの触媒と硬化剤、塗料、接着剤、シーラント向けの技術を提供している。

 特に溶媒フリー、モノマーフリープレポリマーシステム、使いやすいブロックド架橋剤に重点を置いており、ブラジルや米国、インド、中国、オーストラリア、イタリア、英国などの主要経済地域で、製造施設と用途開発センターを運営している。

ランクセス 独展示会にPA66代替品などを出展

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2019年7月4日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、ドイツ・ヴュルツブルクのマリエンベルク要塞で開催された「電気・電子用途のプラスチック会議」に出展した。

 今回展示したのは、ポリアミド66コンパウンドの経済的な代替品をはじめ、電気自動車のバッテリー・パワートレイン・充電インフラへの構造素材の適用、ハロゲンフリーで難燃性を備えたポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の製品群。さらに、コンポーネントの開発工程全体を通して顧客をサポートする、広範な電気・電子業界のニーズにカスタマイズしたサービスも紹介した。

 このうち、難燃性ポリアミド66コンパウンドの経済的な代替品は、ハロゲンフリーの難燃性ポリアミド6とPBT。原料不足は供給のボトルネックや大幅な値上げにつながることから、自動車業界や電子分野の多くのメーカーは、ポリアミド66コンパウンドの代替品を求めている。

 同社は多数のポリアミド6とPBTコンパウンドを揃えており、多くの場合、技術的に同等でコスト効率の優れた代替品として使用することができる。例えば、非強化のハロゲンフリー難燃性PBT「ポカンBFN2502」は、優れた耐トラッキング性と高い破断ひずみにより、コネクターに最適だ。

 また、電気自動車のバッテリー・パワートレイン・充電インフラに関しては、これらのコンポーネント向けに、ポリアミドとPBTコンパウンドをカスタマイズ。コスト削減や軽量化デザイン、機能性統合、難燃性能、熱伝導などで多大なメリットを提供する。

 可能な用途としては、モジュールカバー・カバープレート、高電圧コネクター、コントロールユニット向けの筐体部品、セルホルダー、メディアパイプが挙げられる。

 これらの素材の一例が、45%のガラス繊維で強化された高弾性のポリアミド6「デュレタンBKV45FN04」。同製品は、ハロゲンフリー・難燃性パッケージのため、UL94難燃性テストで最高となるV‐0(0.4mm片)の評価を受けている。

 

ランクセス 高性能プラスチックの開発スピード加速にAI導入

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2019年7月3日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、高性能プラスチックの開発スピードを加速するため、AI(人工知能)を導入する。顧客が求める高性能プラスチックの開発に一層の強化を図り、新素材の開発時間を大幅に短縮することを目指す。

 AI導入に当たっては、化学物質・素材AIプラットフォームを運営する、米国に拠点を置くAI企業のシトリン・インフォマティクス社と密接な協力体制を構築する。

 両社は、プラスチック製造でAI導入の可能性を評価する、パイロットプロジェクトに着手した。高性能プラスチックの強化材として、ランクセスが使用するガラス繊維の一層の最適化を図り、最終的には素材の性能を高める。

 今回のプロジェクトでは、ガラス繊維のサイジングが重要な役割を果たす。プラスチックの機械的性能を向上するために混入されるガラス繊維は、繊維と素材の隙間を埋めるサイジングに覆われている。これにより、ガラス繊維がプラスチック母材と一層強力に結合し、結果として高性能プラスチックに求められる性能を確保することができる。

 ガラス繊維のサイジングを最適化するプロセスは複雑で、時間と労力を要するが、AIを活用することで、素材開発の際に最適な配合を導き出す時間を、半分以下に短縮することを目指す。

 従来の製品開発では、ガラス繊維のサイジングの複雑な配合と多数の変数の解析には、広範囲にわたるテストが必要とされ、さらに、テスト結果を予想することも困難だった。

 AIアルゴリズムはテスト構成とパラメーターを改善するために予想モデルを計算する。個々のテストからの計測結果に基づき、これらのモデルを向上し、それによって最適化された配合を提案する。この手順により、従来の方法に比べ、製品開発スピードを大幅に加速させることになる。

 同社によると「高性能プラスチック開発のパイロットプロジェクトは、ランクセスのAIへの取り組みのスタートにすぎない」という。同社は2017年に「デジタル化」への取り組みに着手し、専門家からなる部門を設立した。この取り組みでは、デジタルビジネスモデルの開発、バリューチェーンにわたる新技術の導入、ビッグデータの開発と活用、従業員にデジタルの専門知識を広めることが重要な要素になる。

ランクセス 小澤国際室内楽アカデミーの支援を継続

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2019年6月20日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの日本法人ランクセスは、今年度も「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀(OICMA)への支援を継続する。

 OICMAは世界的な指揮者である小澤征爾氏が立ち上げたNPOで、アジア圏の才能ある若手音楽家に弦楽四重奏を学ぶ機会を提供することを目的に、2011年に設立された。ランクセスとOICMAは、今年1月から12月までの1年間を期間とする支援契約を締結し、1月から支援を開始している。

 OICMAは今年の主な活動として、アジアから25人の若手弦楽器奏者をオーディションで選抜し、7月20日から26日まで長野県奥志賀で講習会を行う。また、演奏会を3公演予定しており、千秋楽のコンサートは、31日に東京・千代田区の紀尾井ホールで開催する。

 ランクセスは社会的責任(CSR)活動の一環として、同アカデミーを設立時から8年間継続して支援し、活動をサポートしてきた。OICMAは過去8年間に、日本や中国、韓国など、アジアの若手音楽家延べ194人の育成に取り組んでいる。

 今回の支援継続により、OICMAはより安定した運営基盤の下に活動を行うことが可能となる。支援継続について、アカデミーの理事長である小澤氏は「このような教育プログラムを支援してくれるところは少なく、弦楽四重奏となるとなおさらだ。ランクセスの支援はとてもありがたい」と述べている。

 講習会は奥志賀高原・スポーツハイム奥志賀で行われ、小澤征爾、原田禎夫(チェロ)、川本嘉子(ヴィオラ)、ジュリアン・ズルマン(ヴァイオリン)の各氏が指導する。

 演奏会は講習会で課題曲として出された弦楽室内楽曲と弦楽合奏曲を、オーディションで選ばれたアカデミー受講生24人が演奏する。会場は7月27日が奥志賀高原・森の音楽堂、29日は志賀高原総合会館98(長野県山ノ内中学校との交流演奏会)、31日は紀尾井ホール。東京公演の一般チケットは、6月15日10時から販売する。

 

ランクセス イオン交換樹脂の新製品をインドの化学工場が採用

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2019年6月20日

 ドイツの大手特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、インド有数のクロルアルカリ製品メーカーが、ランクセスのイオン交換樹脂の一種である、キレート樹脂の新製品「レバチットMDS TP 208」を導入し、クロルアルカリ電解の生産効率向上を実現したと発表した。

 新製品は、均一で粒径が細かいポリマービーズで、電解に使用するイオン交換膜へのダメージを防ぐことで、必要なエネルギー量を効果的に低減し、電解膜寿命を延長する。同社の既存製品の「レバチットモノプラス」とともに導入され、成果を収めている。

 南インドの化学工場では、年間約19万tのカセイソーダの生産能力があり、製造には1時間に約400㎥の塩化ナトリウム塩水を使う。電解に使用する塩水処理では、電解膜を高濃度の不純物から保護するために前処理が必要となるが、この前処理がなければ、蓄積物が電解膜を傷め、生産効率の低下につながる。

 「レバチットMDS TP 208」は、塩水精製ラインの3つの樹脂塔の1つに採用され、塩水の硬度を処理前の2mg/ℓから10㎍/ℓ(カルシウム、マグネシウム)以下に低減した。

 また、「レバチットMDS TP 208」を使用することで、エネルギーコストの大幅な低減、電解膜・樹脂の寿命延長、再生剤の使用量と廃水量の低減による運転コストの改善、サイクル時間を延長することによる処理量増大などの経済的メリットがある。

 これらのことから、印メーカーは残り2つの樹脂塔についても「レバチットMDS TP 208」に交換することを決定した。

 同社は2016年にランクセスの樹脂を導入して以来、塩水精製ラインの処理能力を2年間で53%も向上することができたという。

ランクセスの1-3月期 製品価格是正などで増益に

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2019年6月5日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの2019年度第1四半期の連結売上高は、前年同期並みの18億2200万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、好調だった前年同期に比べ2%増の2億7500万ユーロとなった。好業績の主な要因は、製品価格の引き上げと、為替の好影響(特に米ドル)によるもの。

 純利益は同4%増の8400万ユーロ。低迷する農業市場にもかかわらず、アドバンスト中間体部門は、売上高と特別項目を除いたEBITDAが、過去最高の四半期業績を達成した。売上高は同4%増の5億8600万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同12%増の1億1400万ユーロ。

 スペシャリティアディブス部門は、低マージンの受託製造契約の終了、拠点の閉鎖、低迷する自動車産業により、販売量が減少した。売上高は同3%減の4億8500万ユーロ、特別項目を除いた EBITDAは製品価格の引き上げ、為替の好影響、コストシナジーにより、同3%増の8300万ユーロ。

 パフォーマンスケミカルズ部門は、水処理製品と物質保護剤製品関連事業の好調、為替の好影響により、売上高が同3%増の3億4700万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは、同4%増の5400万ユーロ。

 エンジアリングマテリアルズ部門は、自動車産業の需要低迷の影響を受け、売上高が同3%減の3億8200万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同11%減の6500万ユーロだった。

 通期の業績予測は、特別項目を除いたEBITDAで、10億~10億5000万ユーロ(前年度は10億1600万ユーロ)を見込んでいる。

 

ランクセス 潤滑油添加剤で新製品、エンジンオイル向け

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2019年5月9日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、乗用車用高性能エンジンオイル向け有機潤滑油添加剤の新製品の販売を開始すると発表した。

 新製品「アディティンRC3502」は、特に摩擦を低減すると同時に、性能の持続性と耐摩耗性を発揮するように開発された。非腐食性で、全ての合成系・鉱油系ミネラルエンジンオイルと親和性があり、加えて「SAPS(硫酸灰分・リン・硫黄)フリー」の特性を持つ。

 さらに、表面活性タイプの耐摩耗性添加剤、清浄剤、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)が効果を発揮する摩擦面で、添加剤間の反応を促進するというメリットもある。

 このような優れた摩擦低減性と耐久性は、さらなる省燃費性能が求められる新規格「ILSAC GF‐5+」や「同GF‐6」で要求されるエンジンダイナモテストの省燃費性能に寄与する。

 同社のアディティブス(ADD)ビジネスユニットは、さまざまな用途や要求性能に対応する幅広い潤滑油製品のポートフォリオを提供している。潤滑油基油・潤滑油添加剤・添加剤パッケージ・潤滑油最終製品などの製品群は、厳格化する排ガス規制や省燃費の法定基準に対応できるように顧客をサポートする。近年、特に燃費改善に重点的に取り組んでいる自動車業界で、効果的なエンジン潤滑油は省燃費に重要な役割を果たす。

 同社の新しい摩擦調整剤は、このトレンドに応えることができる。

ランクセス 引き続き自動車など3事業に注力

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2019年5月8日

 ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセスの日本法人は、今年度の事業活動として、3つの事業領域への注力を継続し、持続可能な発展に取り組むほか、デジタル化を積極的に推進する。

 このほど記者説明会を行った辻英男社長は「特にSDGsへの取り組みとしては、環境・教育・地域への貢献などともに、当社の環境に優しい製品ソリューションを通した目標達成という両輪で取り組んでいきたい」と述べた。

 注力分野は「自動車産業」「建設産業」「難燃剤市場」。

 このうち、自動車産業では、

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