三菱ケミカル 中国・赤色蛍光体特許侵害訴訟の一審で勝訴

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2019年9月2日

 三菱ケミカルはこのほど、今年7月31日に、中国での赤色蛍光体特許侵害訴訟の一審で、被告である米国のIntematix社とその中国関連会社である英特美光电(苏州)、販売代理店の深圳格亮光电による特許の侵害を認める旨の一審判決を得たと発表した。

 三菱ケミカルは2015年にIntematix社などに対して、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する特許を侵害しているとして、中国における蛍光体製品の生産および販売等の侵害行為の差止めと損害賠償を求める訴訟を深圳市中級人民法院に提起していた。

 これに対し、今回、同中級人民法院は三菱ケミカルの主張を認め、Intematix社などによる当該侵害行為の差止めと合計200万元(約3000万円)の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。

 中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDパッケージでも最大生産量を誇る。

 その中国での今回の勝訴判決は、長年積極的に投資、事業展開を行ってきた三菱ケミカルにとって非常に意義深いものとなる。

 また、今回の勝訴判決は蛍光体産業のみならず白色LED産業全体で見ても重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がるものと考えられる。

 なお、三菱ケミカルは、2011年にIntematix社とその韓国販売代理店に対し、韓国における同特許の対応特許に基づき特許侵害訴訟を提起し、2015年に特許侵害が認められ、対象となるIntematix社製蛍光体製品の韓国での輸入・販売などの差止めを命じる判決を得ている。

 今後も、三菱ケミカルは、他社が特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を取る方針だ。

三菱ケミカル 生分解性プラがショッピングバッグに採用

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2019年8月30日

 三菱ケミカルは29日、生分解性バイオマスプラスチック「BioPBS」製のショッピングバッグとラッピング袋が、コム デ ギャルソン(東京都港区)に採用されたと発表した。今月から、世界19ヵ所にあるコム デ ギャルソンの直営店で使用されている。

 コム デ ギャルソンでは年間数百万枚のショッピングバッグやラッピング袋を使用しており、これをすべて「BioPBS」製に切り替えていく方針だ。

 「BioPBS」は、三菱ケミカルが開発し、基本特許をもつが、現在はタイにあるグループ会社・PTT MCC バイオケム社が製造・販売を行っている。バイオマス由来であり、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特長をもつ。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる、人や社会、地球の心地よさの持続性を表す「KAITEKI」実現に向け、今後も「BioPBS」をはじめとする生分解性プラスチックや植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

三菱ケミカル 生分解性ストローを「ミズカフェ」で展開

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2019年8月29日

 三菱ケミカルは今月下旬から、グループ会社が運営するカフェでの生分解性バイオマスプラスチック「BioPBS」を用いたストローの展開を決めた。

菱ケミ用写真 東京・原宿で展開する
東京・原宿で展開する「MIZUcafe(ミズカフェ)」

「BioPBS」は同社が開発し、タイにあるグループ会社・PTT MCC バイオケム社が製造・販売を行う植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特長をもつ。

 同生分解性ストローは、今年4月から京急グループ各社が運営する飲食店や百貨店、ホテルなどでの採用を皮切りに、5月からはワシントンホテルのすべてのホテルや飲食店などの施設での使用も始まっている。

 今回、新たに採用を決めた「MIZUcafe PRODUCED BY Cleansui」は、グループ会社で浄水器の販売を行う三菱ケミカル・クリンスイが展開するカフェ。水の魅力を通して「クリンスイ」のブランド価値を直接実感してもらう場として、2013年12月に東京・原宿にオープンした。店内で提供される料理とお冷やに「クリンスイ」の浄水を使用している。

三菱ケミカル 人事(10月1日)

2019年8月27日

[三菱ケミカル・人事](10月1日)▽退任(理事役)嘱託戸村操一▽高機能成形材料部門機能成形複合材本部機能成形材事業部長新美正▽プロダクト・スチュワードシップ推進部長内田康一

三菱ケミカル PMMAレジンなど10月出荷分から20%値上げ

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2019年8月22日

 三菱ケミカルは21日、PMMAレジン「アクリペット」とアクリルシート「アクリライト」の国内価格を、10月出荷分から20%値上げすると発表した。

 PMMAレジン・アクリルシートの原料であるMMAモノマーの需給バランスは、昨年までのタイトバランスからウェルバランスへと好転し安定的な供給が可能な状況となっている。

 一方、両製品の需要は世界的に堅調に推移しており、市場は拡大基調が続いている。国内では慢性的な人手不足により、物流費用の高騰だけでなく、工場のメンテナンス費用など他の項目においても様々なコストが上昇している。

 同社は、合理化によるコスト吸収を進めてきたが、足下ではそれを上回る費用の増加が発生している。こうした中、同社は顧客への製品の安定供給体制の維持を万全とするため、今回の国内価格の改定を決定した。

【2019年 夏季特集】 三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏

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2019年8月9日

 安全が第一、安全・安心を担保できない事業はやめる覚悟

 ━昨年度の振り返りと、今年度の見通しについて。

 三菱ケミカル和賀社長 TOP 昨年の前半は、米中の貿易摩擦や中国での環境規制の問題、海洋プラスチック問題などと、さまざまな外部の不安要因はあったものの、化学業界にとっては良い状況が続いていた。しかし後半、10月ぐらいから完全に潮の流れが変わった。市況が下がり始め、一時的な調整局面かと見ていたが、年が明けたらモノの動きがピタッと止まった。その後は3月、4月と少しずつ回復の動きが出てきており、足下の値動きも全般的にそれほど悪くはない。

 振り返ってみると、

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三菱ケミカル Jリーグ記念試合に生分解性プラ製品提供

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2019年8月9日

 三菱ケミカルは8日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いた紙コップとストローを、Jリーグの記念試合で無償提供すると発表した。

 同社が開発した「BioPBS」は、植物由来の生分解性プラで、自然界の微生物により水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない特徴がある。

 対象試合は、10日午後4時キックオフの福島ユナイテッドFCのJヴィレッジ再開記念試合(場所:Jヴィレッジスタジアム)。

 同チームが行う「スポーツ×SDGs」の取り組みに賛同し今回、同社は生分解プラ製品の無性提供を通じ、同チームと共にSDGsの実現を目指す。

三菱ケミカル フェノール関連製品値上げ、コスト上昇に対応

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2019年8月1日

 三菱ケミカルは31日、フェノール関連製品を8月19日出荷分から値上げすると発表した。

 改定幅は、キュメン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ダイアセトンアルコール(DAA)、ビスフェノールA(BPA)、αメチルスチレンが5円/kg、フェノールが10円/kgとなっている。

 これらの製品に関しては、人手不足を背景に物流費が大幅に高騰しているほか、修繕費用などの諸経費も上昇しており、事業の採算を圧迫している。

 同社は、製造コストの削減や販管費の圧縮などの徹底したコストダウンに取り組んできたが、自助努力ではコスト上昇分を吸収することは困難な状況となっており、安定的な製品供給のため、今回の価格改定が必要と判断した。

 

三菱ケミカル ポリプロピレン長繊維を10月から値上げ

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2019年7月30日

 三菱ケミカルは29日、ポリプロピレン長繊維「パイレン」を10月1日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅は「キロ50円」。

 原油・ナフサ価格の上昇に伴い、「パイレン」の主原料であるポリプロピレン樹脂の価格が上昇している。加えて、副原料・燃料の価格や人手不足を背景に物流費が大幅に高騰しており、事業の採算を圧迫している。

 このような環境下、同社は製造コストの削減、販管費の圧縮などの徹底したコストダウンに取り組んできたが、こうした自助努力だけでは、コスト上昇分を吸収することが極めて困難であると判断し、今後安定した供給を継続するため、価格改定に踏み切った。