三菱ケミカル イノベーション創出加速へ研究棟を新設

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2019年5月24日

 三菱ケミカルはこのほど、横浜市青葉区のScience & Innovation Centerに、新たな研究棟を建設することを決定したと発表した。最新鋭デジタル設備の導入、社内外のコミュニケーションの活性化などによるイノベーション創出を図ることが目的。2021年末に竣工する予定。敷地面積は約1万㎡、建物は地上6階、地下1階で、延べ床面積は約4万5000㎡。

 同社の研究開発は「常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる」ことをビジョンとして掲げている。

 これまで①研究成果の事業化推進や次世代事業の創出を担う「新事業創出部」の設置②フェロー/エグゼクティブフェロー制度の新設③執務時間の10%を自由な研究に使える「10%カルチャー」の導入④社内ベンチャー制度の導入など、研究者の自由度を高め、高度な専門性を有するスペシャリストを志向する風土を醸成することを通じて、イノベーションを生み出す環境を整えてきた。

 また、同センターについては、4月に従来の「横浜研究所」から改称し、サイエンスに近い基礎研究を中心に担い、社内外とコミュニケーションを図りながらイノベーションを生んでいく組織としての位置づけを明確にした。

 研究新棟の建設は、これらの施策をさらに推進するとともに、新たな施策/設備を導入することで、持続的に社会に貢献するイノベーションを生み出し続ける研究開発体制を確立することを目標としている。

 具体的には、ビッグデータやAIの活用を可能とする、ハイパフォーマンスコンピュータや実験データ電子化システムを含む最新鋭デジタルインフラと、試薬管理の自動化システムや生体認証などによる最新のセキュリティシステムを導入する。

 また、コラボレーションエリアやウェブ会議システムなど、社内外のパートナーとリアル/バーチャルに繋がる設備の導入と、オフィス環境を改善。さらに、研究オフィスと実験設備の機能統合によるコミュニケーションの推進と業務効率化を図る。

三菱ケミカル 生分解性プラスチック製ストローが採用

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2019年5月14日

 三菱ケミカルは13日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたストローが、ワシントンホテルに採用されたと発表した。

 今月、ワシントンホテルのすべてのホテルや飲食店などの施設で、既存のストローから切り替えた。

 「BioPBS」は同社が開発して基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバル・ケミカル社が折半出資するPTT MCCバイオケムが製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特徴を持つ。

 ワシントンホテルは、マドラーのプラスチック製から木製への変更、客室へのアメニティ設置廃止など、プラスチックごみ削減活動に積極的に取り組んでいる。

 ワシントンホテルで年間約12万本使用するストローを、「BioPBS」を使ったストローに切り替えることで、さらなる石油由来プラスチックごみの削減を図る。

三菱ケミカル アクリルアマイドを値上げ、国内は10円/kg以上

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2019年4月25日

 三菱ケミカルは24日、アクリルアマイド50%水溶液の国内・輸出品の価格改定を実施することとし、各需要家との交渉に入ったと発表した。

 改定幅は、国内が「10円/kg以上」(フォーミュラ改訂 純分換算)、輸出が「100ドル/t以上」。4月25日出荷分から実施される。

 アクリルアマイドは、国内の紙力増強剤や高分子凝集剤向けの需要が堅調に推移し、海外では石油採掘や水処理用途を中心に需要が伸長している。一方、供給面では原料のアクリロニトリルが、プロピレン価格と国産ナフサ価格との乖離による価格改定を昨年11月に打ち出したことに加え、燃料価格や梱包材料、物流費などの諸経費も急騰している。

 同社は生産の効率化などによるコスト低減に注力しているが、現在の原料価格上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、安定的な製品供給を継続するためにも、コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断した。

 

三菱ケミカル 米国子会社でEVOHの能力を増強

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2019年4月24日

 三菱ケミカルは23日、米国でエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH、製品名:「ソアノール」)の能力を増強すると発表した。連結子会社であるノルテックス(テキサス州)で、3000tの能力増強を実施し、同拠点の生産能力を4万1000tとする。来年夏の稼働を予定している。

 EVOHは高いガスバリア性をもち、食品包装材として用いることで食品の風味や品質を長持ちさせ、食品廃棄物の削減に貢献する。近年のライフスタイルの変化による個包装化の進展、防腐剤や食品添加物削減のニーズの高まりに加え、新興国市場の成長を背景に、EVOHの需要は世界的に拡大しており、今後も堅調な伸びが見込まれる。

 三菱ケミカルは、日本(岡山県倉敷市)、米国、英国(ヨークシャー・アンド・ザ・ハンバー地域)の3極に「ソアノール」の製造拠点をもち、世界有数の市場シェアを獲得している。

 今回の能力増強により、食品包装材のおう盛な需要を取り込み、さらなる事業拡大を進める体制を整える。同社は今後も、需要の伸びを捉えた増産だけでなく、グループとしての提案力と総合力を最大限に生かし、食品包装に関するソリューションを提供し続けることで、同事業の展開を加速させる。

 

 

三菱ケミカル 人事(5月1日)

2019年4月23日

[三菱ケミカル・人事](5月1日)▽高機能ポリマー部門パフォーマンスポリマーズ本部機能性樹脂事業部長酒向春生▽解兼同部門同本部同事業部長、同部門同本部同事業部グループマネジャー西山勝也。

三菱ケミカル 2020年春夏テキスタイル素材展を開催

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2019年4月23日

 三菱ケミカルはこのほど、「2020年春夏テキスタイル素材展」を5月9~10日に開催すると発表した。

 今回は、「トリプル アセテート」をテーマに、トリアセテート長繊維「ソアロン」の3つの特徴(サステナビリティ、ファンクショナリティ、クリエイティビティ)を訴求していく。

 レディースのみならずメンズコーナーも特設し、メンズ分野への提案も行う。新素材でウールトップミックスを彷彿させるナチュラルな風合いの「エレコフ」をはじめ、プロモート素材として麻調素材「サネリア」、シルキーな光沢感をもつ「ソアロンティス」などを展示予定。

 タッチを追求したポリエステル長繊維「ソルーナ」についても、軽量ストレッチ素材「ノルディス」などを同時開催で展開する。展示会場は、時事通信ホール(東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル2F)、開催時間は午前10時〜午後6時(最終日の10日は午後5時まで)。

 

三菱ケミカル 海外拠点従業員向けの研修プログラムを開始

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2019年4月23日

 三菱ケミカルは22日、同社グループの海外拠点で勤務する外国人従業員を対象に、新しい研修プログラム「Experience Japan」を開始したと発表した。

 同研修プログラムは、各事業部門の海外拠点や米国・欧州・中国・アジアの地域統括会社から推薦を受けた外国人従業員が、日本国内各地の事業拠点で仕事を通じて日本文化や日本企業の特質、同社について学ぶことを目的としている。

 また、各職場でも外国人従業員を受け入れることにより、相互理解が促進され、日本人従業員にとっても異文化を経験するよい機会となることが期待されている。

第1期生として、今年4月から来年3月までの約1年間、インドネシア・トルコ・ベトナム・英国・ベルギー・スイス・中国などから合計14人が参加。全体での導入研修や語学研修を終了後、東京本社をはじめ、愛知・滋賀・岡山などの各事業拠点に配属され業務経験を積む予定となっている。

 同社は、全従業員に占める外国人従業員の割合が3割を超えており、国籍や文化など多種多様なバックグラウンドをもつ人材が各国で勤務している。これまで海外留学制度やビジネスチャレンジ制度など海外で研鑽を積むための種々の研修プログラムを実施してきたが、主として日本人従業員を対象としたものであり、海外で勤務する従業員が系統立てて日本を学ぶ機会は、必ずしも十分ではなかったという。

 同社は今後もさまざまなプログラムを通じて、人材育成を図っていく考えだ。

三菱ケミカル スポーツ用の義足ブレードを開発、販売を開始

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2019年4月11日

 三菱ケミカルは10日、スポーツ用の義足ブレード「Griffon Beak(グリフォン・ビーク)」の販売を、同日から開始すると発表した。三菱ケミカルホーディングスグループのシンクタンクである地球快適化インスティテュートが、三菱ケミカルと産業技術総合研究所、東京大学と共同開発した。

 バイオメカニクスと計算工学に基づき、コンピューター上でアスリートの動作を再現できる「デジタルアスリート」を構築。さらに、2016年4月からスポンサーシップ契約を結んでいる、パラ陸上競技の前川楓(まえがわかえで)選手の協力を得て、走行データなどを組み合せることで、義足走者の速度を最大化する義足ブレードの形状を導き出した。

 従来品に比べ、踵部分が後方に突き出していることが特徴の1つで、これにより前方への推進力が高まることが期待できる。この形状が鳥のくちばし(=beak)に似ていることが製品名の由来となった。

 受付は三菱ケミカルのウェブサイトhttps://www.m-chemical.co.jp/products/product-site/index.htmlで行っている。販売価格は86万4000円(税込み)。

 三菱ケミカルホールディングスグループでは、この義足開発を通じて蓄積した技術を、義足走者だけでなく、健常者の歩行をサポートすることにも活用し、広く社会に貢献することを検討していく。

 

三菱ケミカル 生分解性プラ使用の紙コップが次世代カップに選定

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2019年4月8日

 三菱ケミカルはこのほど、同社の生分解性プラスチック「バイオPBS」を用いた紙コップが、次世代のカップを表彰するコンテスト「ネクストジェン・カップ・チャレンジ」で、最もイノベ―ティブなカップの1つとして選定されたと発表した。

受賞した紙コップ
受賞した紙コップ

 「ネクストジェン・カップ・チャレンジ」は、米スターバックスなどが設立した「ネクストジェン・コンソーシアム」の主催。

 三菱ケミカルとタイのPTTグローバルケミカル社が折半出資するPTT MCCバイオケム(PTT MCC社、バンコク)が「バイオPBS」をラミネートに用いた紙コップを出品し、その再生可能性や生分解性が評価された。

 「バイオPBS」は三菱ケミカルが開発し、基本特許を持ち、PTT MCC社が製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負担が少なく、既存の樹脂加工設備で容易に加工できるといった特徴がある。

 「バイオPBS」を使った紙コップは、すでに3年以上、実店舗での使用実績があり、産業コンポスト設備での処理・リサイクルが可能だ。

 今回、ネクストジェン・カップ・チャレンジのために開発した新たな紙コップは、家庭用コンポスト設備を用いて常温で処理できるよう改良。50カ国以上の国から応募された480点のアイデアの中から、12の受賞者の1つとして選ばれた。

 なお、ネクストジェン・コンソーシアムは、米スターバックスとマクドナルドが設立し、食品サービス業界の大手ブランドオーナーがサポーティング・パートナーとして、世界自然保護基金(WWF)がアドバイザリー・パートナーとして協力している。

 世界的な食品包装廃棄物の問題を解決するために活動しており、ネクストジェン・カップ・チャレンジは、循環可能な次世代紙コップの事業化を目的とした、同団体の最初の取り組みの一つである。

 

三菱ケミカル 環境配慮テーマに山形大と連携協定を締結

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2019年4月5日

 三菱ケミカルは4日、山形大学と包括的な産学連携協定を締結したと発表した。両者は、保有する人的・知的資源の活用や、両者が実施する事業への協力などを推進し、相互の発展を図ることを目的に、先月14日に同協定を締結。協定期間は、今年4月1日からの5年間としている。

 山形大学は、材料化学分野で国内トップクラスの研究実績があり、基礎研究から実用化を意識した応用研究まで幅広い研究領域をもつ。

 三菱ケミカルは、山形大学と2005年から5年間、自動車分野などに向けた新規ポリマー材料の開発を研究テーマに包括的な共同研究を進め、以降も研究者レベルで共同研究を続け、連携強化を図ってきた。

 今回の協定では、学生参画型の共同研究として、「環境への配慮を意識した石油化学に関する研究」をテーマに取り組む。新しい触媒技術の開発や材料設計・製造技術の開発、未活用留分の再利用など、さまざまな基礎研究を推進していく。

 これを機に、将来の事業シーズ探索と、両者の若手研究者と学生の育成を目指し、さらなる成長の獲得に向けて連携強化を進めていく考えだ。