中外製薬 抗体カクテル療法、コロナ感染症に対し承認取得

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2021年8月20日

 中外製薬はこのほど、抗コロナウイルスモノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット300」と「同1332」について、新型コロナウイルス感染症に対し、厚生労働省より特例承認を取得したと発表した。

 奥田修社長CEOは、「新型コロナの流行は複数の変異株の出現により新たな局面を迎えている。1日も早い収束のためには、ワクチンによる新規感染の抑制とともに、感染者に対する治療選択肢の拡充が極めて重要だ。同治療薬は、重症化リスク因子をもつ外来患者の入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されている」としたうえで、「また、同治療薬は、デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることが非臨床試験で確認されている。こうしたエビデンスを基に特例承認を取得している。感染拡大が続く中、可及的速やかな供給に向け日本政府や関連事業者と緊密に協働していく」と述べている。

 今回の承認は、コロナ患者を対象として海外で実施された第Ⅲ相臨床試験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第Ⅰ相臨床試験の成績に基づいている。国内での同治療薬の供給は、日本政府との合意に基づき、2021年分が確保されている。同社は、速やかな供給に向け、引き続き日本政府とともに協働していく。

中外製薬 GPIFが採用する4つのESG投資の構成銘柄に

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2021年8月5日

 中外製薬はこのほど、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用する、環境・社会・ガバナンスの要素に配慮した国内株式を対象とするすべてのESG指数について、構成銘柄として継続選定されたと発表した。

 GPIFが採用する4つのESG指数は、FTSEブロッサム・ジャパン・インデックス、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、S&P/JPX カーボン・エフィシエント指数で、同社は運用開始当初より、すべての指数で継続選定されている。

 またこれらに加えて、同社は主要なESG指数である「FTSE4グッド・インデックス・シリーズ」に19年連続で選出されており、持続可能性に対する評価が高い。さらに、ESGリスク体制を評価するMSCI ESG格付けにおける7段階評価のうち、上位から2つ目の「AA」を継続して取得。将来起こり得る様々なESGリスクに対する耐性が相対的に高いと評価されている。

 同社は今後も、SDGsやESGの取り組みに関する適切な情報開示に努めるとともに、同社にしかできないイノベーションを駆使して、患者や社会に対して価値を創出し、事業活動を通じて社会課題の解決や持続可能な社会の構築に寄与していく。

 

中外製薬 1-6月期決算(26日)

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2021年7月27日

[中外製薬/1-6月期決算](26日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益390,229(6.0%)、営業利益160,679(14.3%)、純利益118,137(15.5%)。

中外製薬 難病NMOSDを啓発、ショートフィルムを制作

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2021年7月16日

 中外製薬はこのほど、指定難病のNMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)の啓発を目的としたショートフィルム「あの子を連れて旅に出たら、わからないことをわかりたくなった話」の制作記者発表会を開催した。

NMOSDを啓発するショートフィルムを制作
NMOSDを啓発するショートフィルムを制作

 NMOSDは目が見えなくなり手足のしびれが出る病気で、患者の9割が女性であり、平成25年の報告では日本における患者数は約4300人とされる指定難病。これまでNMOSDに対して承認された治療薬はなかったが、疾患に対する研究が進み、近年、NMOSDに対する治療薬が開発された。これにより、医療現場で疾患への認知が進み、患者の早期発見・早期治療に繋がることが期待されている。

 こうした中、同社は、医療の進歩に加え、より多くの方々に病気についての理解を得ることが、患者のより良い社会生活につながることから、この病気の特徴や患者の状況を知ってもうらため、ショートフィルムの制作を決定。共同制作に、〝共感を生むストーリーと拡散性〟に強みをもつスマートコンテンツスタジオのワンメディアを迎え、家族の愛を通してNMOSDについて知ることができるような作品を目指して制作を進めており、7月中旬にYouTube上で公開を予定している。

 なお、今回の企画は、同社が実施する希少疾患領域における患者中心・社会課題解決支援活動プロジェクト「SPOTLIGHT」の一部として実施。同プロジェクトは、「患者中心の高度かつ持続可能な医療の実現」に向けたさまざまな取り組みをステークホルダーと広く共有し、希少疾患を取り巻く社会課題の解決の一助となることを目指している。

中外製薬 コロナ治療薬、厚労省に製造販売承認を申請

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2021年7月13日

 中外製薬はこのほど、カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法について、新型コロナウイルス感染症に対する製造販売承認申請を、厚生労働省に行ったと発表した。なお、今回の承認申請は、特例承認の適用を希望している。

 奥田修社長CEOは、「変異株の感染拡大など、コロナの流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされている。カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法は海外第Ⅲ相臨床試験において、入院をしていない高リスクのコロナ患者の入院または死亡のリスクを有意に低下した」と述べるとともに、「抗体カクテル療法を新たな治療薬として1日も早く患者に届けられるよう、規制当局と緊密に協働していく」と語った。

 今回の承認申請は、コロナ患者を対象とした海外臨床第Ⅲ相試験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第Ⅰ相臨床試験の成績に基づいている。抗体カクテル療法は、SARSに対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブとイムデビマブを組み合わせ、コロナに対する治療や予防を目的として、米国リジェネロン社とロシュ社により開発されている。両社は昨年8月に製造、開発、販売について共同で実施することを発表し、同年12月に、中外製薬が日本での開発権および今後の独占的販売権をロシュ社より取得していた。

 

中外製薬など 製薬業界向けDS育成プログラムを共同開発

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2021年7月9日

 中外製薬とアルベルトはこのほど、製薬業界向けデータサイエンティスト(DS)育成プログラムを共同で開発したと発表した。中外製薬が今年4月よりスタートしたデジタル人財育成プログラム「CHUGAI DIGITAL ACADEMY(CDA)」の取り組みの1つとして、医薬特有要素を含むデータ利活用スキルの習得によるDXの推進を目指し、同社グループ社員を対象に6月から展開している。

 ヘルスケア産業では、予防医療や診断支援、個別化医療、新たな治療法・新薬の開発、健康寿命の伸長など、様々な分野でデータ分析・AIの活用が期待されている。データの高度な解析技術や統計の専門スキルをもった人財の育成が重要な課題だが、製薬業界特有のスキルも必要となる。

 中外製薬は基本戦略のひとつに「デジタル基盤の強化」を掲げ、デジタル人財育成の体系的な仕組みCDAを今年4月からスタート。これにより社内デジタル人財の育成強化に取り組むとともに、社外還元による採用力強化・外部との連携促進、エコシステム形成を目指している。

 一方、アルベルトは250名を超えるDSが在籍。社内人財育成で培ったノウハウを活用し、また現役のDSが講師を務めることで、より実践的なプログラムである「DS育成支援」を各産業に提供し、さらに、業界特化型の育成プログラムの構築にも取り組んできた。今回、両社は製薬業界向けDS育成プログラムを共同で開発し、DSの育成に強みをもつアルベルトの支援の下、中外製薬はDXを推進する人財の育成を強化していく。

 今後、アルベルトは引き続き中外製薬グループのデジタル人財基盤の強化に取り組むとともに、共同開発したプログラムの外部提供の可能性も見据え、外部コミュニティとの連携や人財交流など製薬業界におけるDX推進を志す人々が広く活用できる仕組みづくりを目指す。

中外製薬 DX銘柄に2年連続で選定、取り組みが評価

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2021年7月5日

 中外製薬はこのほど、経済産業省と東京証券取引所が選定する「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄2021」に2年連続で選定されたと発表した。

 DX銘柄の選定にあたっては、企業価値貢献とDX実現能力の観点から評価され、国内上場会社から28社が選定。同社は、トップマネジメントの積極的なコミット、明確なデジタルビジョンや投資方針の下、AIなどを活用した創薬開発プロセスの変革や人財強化・風土改革、患者への新たな価値提供に向けた取り組みなどが評価された。

 同社はヘルスケア産業のトップイノベーター像の実現を目指し、新成長戦略「TOP I 2030」を策定。2つの柱として「世界最高水準の創薬実現」と「先進的事業モデルの構築」を掲げ、そのキードライバーの1つにDXを位置づけている。DXの推進にあたっては、「CHUGAIデジタルビジョン2030」に基づく「デジタル基盤の強化」「すべてのバリューチェーン効率化」「デジタルを活用した革新的な新薬創出」の3つの基本戦略によって、同社のビジネスを変革し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供していく。

中外製薬 新成長戦略でトップイノベーターを目標

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2021年7月1日

DXがキードライバー、デジタル基盤強化に注力

 中外製薬は25日、DXメディアセミナーを開催した。同社は今年2月に新成長戦略「TOP I 2030」を発表。「世界最高水準の創薬実現」と「先進的事業モデルの構築」を戦略として掲げ、世界のヘルスケア領域でのトップイノベーターを目指している。キードライバーの1つにDXを設定し、創薬、開発、製薬、バリュー・デリバリーの各フェーズや、それらを支える成長基盤をデジタル技術で改革していく。

 昨年3月には「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」打ち出しており、今回、デジタル基盤強化に向けた3つの取り組みを紹介した。1つ目は、今年4月に始動した「Chugai デジタルアカデミー(CDA)」。デジタル人財を体系的に獲得・育成・強化するため、社内育成と社外還元の2つをコンセプトとしている。

 社内の育成強化では、全本部から対象人財を募集し、職種共通/職種別専門の講座で構成されるOff-JTと実践的なOJTまで含めた包括的な育成プログラムを提供。また社外還元では、社内で蓄積した「創薬×デジタル」ナレッジを、学生を中心とした次世代人財に積極的に提供し、中外製薬のブランド・採用力強化を図る考えだ。

 今年度は、高度解析・統計型のデータサイエンティスト(DS)とデジタルプロジェクトリーダー(DPL)を最優先に設定し、各数十人を育成する。対象人財をアシスタントやJr.エキスパートレベルへ引き上げ、さらに現場に戻って経験を積むことでデジタルプロジェクトを管理するエキスパートレベルを目指す。また、CDAのコンセプトを実現するため、教育コンテンツを提供する様々なパートナー企業との連携も模索していく。

 2つ目は、デジタル基盤強化のカギとなる「デジタルイノベーションラボ(DIL)」。ビジネス×デジタル観点による業務改善や新たな価値創造を実現させる仕組みであり、ビジネスとしてだけでなく、チャレンジ精神を醸成するため社員の風土改革としての成果創出も図る。全体像として、アイデアを募集後、中外社員と外部のパートナーを「マッチング」し、企画書(PoC〈概念実証〉計画書)を具体化。その後、2~3カ月でPoCを実施し本番開発を目指す。DILはこれまで2回実施され、全部門の社員から各回とも100件以上のアイデアの応募があり、社内のアイデア実現インフラとして定着しつつある。

 3つ目は、「CHUGAI RPA(リコンシダー・プロダクティブ・アプローチ)」。通常RPAはロボットによる自動化と訳されるが、同社は業務見直しとして推進。2018年に取り組みを開始以降、100を超える業務シナリオを自動化し、約7.7万時間以上の業務時間の削減を実現した。RPA市民開発者の社内認定制度を導入するなど、社員のモチベーションの向上を図っている。

 ただ、組織によって積極性に濃淡があるなど課題が見えてきたため、今年から新たに再スタート。RPA×AIによって業務変革が当たり前のように行われることで、KPIとして2021年に5万時間以上、2023年には10万時間以上の業務削減を目指す。その達成に向けた取り組みでは、すべてのユニット・本部・コーポレート基本組織がRPA推進活動計画書を作成。2021年は全社で181件のテーマが出てきており、4.3万時間の削減が期待できる。

 また、アイデアを集約するプラットフォーム「RPA IDEA BOX」を導入。全社員がアクセス可能となっており、見える化を図ることで、さらなる効率化を狙う。さらに「RPAスクエア」を開校。業務効率化、自動化に関する基礎から応用までの幅広いコンテンツを用意しており、社員のITリテラシーを向上させていく考えだ。

 

中外製薬 クライオ電子顕微鏡装置を導入、国内製薬企業で初

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2021年6月11日

 中外製薬はこのほど、創薬研究のさらなる加速に向け、国内製薬企業で初めてクライオ電子顕微鏡装置を導入したと発表した。

 クライオ電子顕微鏡装置は、2017年にその基幹技術にノーベル化学賞が授与され、革新的な技術として注目を集めている。今回の同装置の導入は、創薬研究の必須プロセスである、標的タンパク質と結合した新薬候補化合物分子の立体構造解析を目的としている。

 同社は、創薬研究の際の立体構造に基づく化合物デザイン(SBDD:ストラクチャー・ベースド・ドラッグ・デザイン)を重視し、精緻なデザインの追求による質の高い新薬候補化合物の創製を目指している。これまで立体構造の取得に同社が主に行ってきたX線結晶構造解析は、標的分子となる細胞内タンパク質を結晶化するプロセスを必要とする。中分子医薬品の標的タンパク質は、結晶化が難しいものが多く、化合物デザインの精緻化の課題となっていた。

 クライオ電子顕微鏡装置による解析は、結晶化のプロセスを必要とせず、解析の大幅な効率化とともに、結晶化の難しい細胞内タンパク質を含む、より広い対象への立体構造解析が実現。これにより、SBDDが強化され、化合物デザインの成功確率の向上が期待される。

 同装置は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社より導入され、中外製薬の鎌倉研究所で、中分子医薬品を含む様々な新薬候補化合物の立体構造解析に使用される。

中外製薬 JCIのGHG排出削減目標メッセージに賛同

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2021年5月26日

 中外製薬はこのほど、気候変動イニシアティブ(JCI)のメンバー企業として、パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本政府に求めるJCIメッセージに賛同した。

 2030年の日本における温室効果ガス(GHG)排出削減目標について、先進国としての役割と責任にふさわしい意欲的なレベルにまで強化することを求め、「45%を超え、50%削減へのチャレンジを」と提言している。