大日本住友製薬 3月期中間決算(28日)

2020年10月29日

[大日本住友製薬/3月期中間決算](28日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益261,498(13.4%)、コア営業利益47,981(7.2%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益37,297(23.0%)。

 

住友化学 再生・細胞医薬分野のCDMO、合弁会社で開始

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2020年10月9日

 住友化学と大日本住友製薬は8日、再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などの受託(CDMO)事業を行うため合弁会社S-RACMO(大阪府吹田市)を9月に設立し、このほど業務を開始したと発表した。

 再生・細胞医薬分野では、アカデミアやスタートアップ企業などでの生産体制の構築が開発・商業化上の課題となっている。こうした中、住友化学と大日本住友製薬は、再生・細胞医薬の早期普及および産業化に貢献するため、CDMO事業に進出した。住友化学がもつiPS/ES細胞の基盤技術や医薬品の受託製造に関するノウハウと、大日本住友製薬が再生・細胞医薬事業での複数のプロジェクトで培った高度な製法開発や製剤開発などのノウハウを生かしていく。再生・細胞医薬分野のCDMO事業の市場規模は、2030年までに世界で約1.2兆円に拡大する見込み。

 両社は、グループシナジーを発揮して、同市場でのシェア獲得、CDMOに関わる技術・ノウハウの蓄積および高度化に取り組む。また、CDMO事業への進出を通じて、住友化学は低分子や核酸に次ぐ医薬品製造受託事業の拡充によるライフサイエンス領域の事業拡大を、大日本住友製薬は再生・細胞医薬分野での事業の多様化、収益貢献および新たな提携機会の獲得も目指す。

 一方、S-RACMOは、大日本住友製薬が所有する再生・細胞医薬製造施設「SMaRT」の一部、および大日本住友製薬の総合研究所(大阪府吹田市)内に今後新設される再生・細胞医薬製造施設を使用してCDMO事業を実施する計画。新施設は総工費約11億円で、来年12月の完成を予定している。また大日本住友製薬は、S-RACMOによる製造を視野に入れ、米・CorneaGenから日本での角膜内皮細胞(予定適応症:角膜疾患)の製造および製法開発を受託するため、すでに同社と交渉を開始している。

DSファーマアニマルヘルス 7月豪雨の被害に義援金100万円を寄付

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2020年7月20日

 DSファーマアニマルヘルスは17日、「令和2年7月豪雨」による被害に対し、社会福祉法人中央共同募金会を通じて、100万円の義援金を寄付することを決定したと発表した。

 なお同社は、2010年に大日本住友製薬の事業部門から分社化し、設立された研究開発型の動物用医薬品メーカー。

大日本住友製薬 医療関係者向けに新たな情報提供を開始

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2020年6月24日

 大日本住友製薬はこのほど、医療関係者向けサイト(https://ds-pharma.jp/)を活用し、デジタル技術を介した新たな情報提供として、オンライン会議システムを用いた「iMR」(リモートのMR)による予約面談、および新規オリジナルキャラクター「vMR」(バーチャルのMR)による動画コンテンツ配信を開始した。

 同社は、これまでMR(医薬情報担当者)による医療関係者への情報提供に加えて、ウェブ講演会などデジタル技術を介した情報提供に積極的に取り組んできたが、新たな2つのコミュニケーションチャネルを追加した。

 「iMR」は、リモート専任MRによるオンライン会議システムを用いた情報提供で、双方向の対話型コミュニケーションが可能。医療関係者向けサイト上に新規導入したチャットボット(PC、タブレット端末に対応済、スマートフォンでも対応予定)から事前に予約した日時に、リモート専任MRが非定型抗精神病薬「ラツーダ」を中心とした精神科領域の製品に関する情報を提供する。

 一方、「vMR」は、3人のオリジナルキャラクターが、同社の医療関係者向けサイトや外部提携サイトのコンテンツに登場。バーチャルのMRとして、同社製品、対象疾患または医療行政について説明。今後は、様々な製品や疾患領域についても順次コンテンツの拡充を予定している。

 昨今、MRの対面による医療関係者への情報提供活動は、新型コロナウイルス感染症の影響によって困難となり、その状況は未だ完全には回復していない。同社は対面でのコミュニケーションを引き続き重視しつつ、医療関係者の多様なニーズに柔軟に対応するため、今後もデジタル技術を積極的に活用し、医薬品の適正使用推進のための情報提供活動に努めていく。

 

大日本住友 非定型抗精神病薬の国内製造販売承認を取得

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2020年4月9日

 大日本住友製薬はこのほど、非定型抗精神病薬「ラツーダ錠」(一般名:ルラシドン塩酸塩)について、3月25日付で、「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、国内での製造販売承認を取得したと発表した。同剤の発売は薬価収載後を予定。

 同社は、統合失調症患者を対象とした国際共同フェーズⅢ試験、継続長期試験、双極Ⅰ型障害うつ患者を対象とした国際共同フェーズⅢ試験などの結果を基に、昨年7月に国内の製造販売承認申請を行った。同剤は医薬品事前評価相談実施品目であり、通常よりも短い約8ヵ月の審査期間で承認を取得した。

 同剤は、同社が創製した独自の化学構造を持つ非定型抗精神病薬。2010年に米国で成人の統合失調症に係る効能・効果で承認されて以降、今年3月現在、統合失調症に係る効能・効果では欧米を含む47の国・地域で承認されており、双極Ⅰ型障害うつに係る効能・効果では米国を含む7つの国・地域で承認されている。同剤は海外のガイドラインで体重増加リスクが低いとされる抗精神病薬であり、双極性障害のうつ症状では第1選択薬の1つとして推奨されるなど、治療選択肢が少ない当該治療に貢献している。

 同社は、今回の承認取得により、統合失調症および双極性障害でのうつ症状の新たな治療選択肢を提供することで、国内の両疾患治療に貢献できるものと期待している。

大日本住友 AI活用の新薬候補でフェーズ1試験を開始

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2020年2月3日

 大日本住友製薬は英国のExscientia(エクセンシア)との共同研究を通じ、人工知能(AI)を活用して創製した「DSP‐1181」のフェーズ1試験を日本で開始した。今後、大日本住友製薬は強迫性障害を予定適応症として同剤の開発を進める予定。

 同剤は大日本住友製薬のモノアミンGPCR創薬での創薬経験・知識と、エクセンシア独自のAI創薬プラットフォームの融合による共同研究を通じて見出だされた。その高い相乗効果により、業界平均4年半を要するとされる探索研究を、12カ月未満で完了した。

 同剤は長時間にわたりセロトニン5‐HT1A受容体に作用する強力なアゴニスト。大日本住友製薬は研究重点3領域の1つである精神神経領域で、アンメット・メディカル・ニーズに応える開発パイプラインを拡充することができた。

 大日本住友製薬の木村徹取締役常務執行役員シニアリサーチディレクターは「この研究で、非常に短期間に新薬候補化合物を生み出した成果にとても満足している。エクセンシアの優れたAI技術と、当社のモノアミンGPCR創薬に関する深い経験値が、相乗的に働いた大きな成果と言える」と話している。