帝人 新中計「ALWAYS EVOLVING」を発表

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2020年2月6日

最終年度数値目標、EBITDAで1500億円

新中計の説明を行う鈴木社長
新中計の説明を行う鈴木社長

 帝人は5日、新中期経営計画「ALWAYS EVOLVING」(2020~22年度)を発表。中計最終年度の計数目標としてROE10%以上、ROIC8%以上、EBITDA1500億円(マテリアル800億円、ヘルスケア450億円、その他250億円)を目指していく方針だ。

 説明会で鈴木純社長は「持続可能な社会の実現に向けて『3つのソリューション』(環境価値、安心・安全・防災、少子高齢化・健康志向)を提供することで、『未来の社会を支える会社』になることを目指す」と語った。

 そして「現中計は次世代重点分野を見定めた3年間だった。新中計では、2030年や50年を見据え、当社グループが

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帝人 EVカーレース「フォーミュラE」参戦チーム支援

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2020年1月31日

 帝人グループはこのほど、電気自動車(EV)のフォーミュラカーレース「ABB FIAフォーミュラE選手権」(フォーミュラE)に参戦しているレーシングチーム「エンビジョン・ヴァージン・レーシング・フォーミュラEチーム」(EVR)を支援すると発表した。2月15日に開催されるメキシコ大会から公式にサポートを開始する。

 「フォーミュラE」は、国際自動車連盟(FIA)が、環境問題に関する啓蒙やEVの普及促進を目指して2014年から主催しており、昨年11月に開幕した今シーズンで6シーズン目を迎えた。低騒音で排気ガスを出さないEVによるレースであることから、世界の大都市を中心に各国の市街地で開催されている。

 今回、支援を決めた英国に本拠地を置くレーシングチームEVRは、「フォーミュラE」の創設初戦から参戦。「地球温暖化に挑むレース」をチームのミッションとして掲げ、モビリティの持続可能性を追求しつつ、継続的に優れた成績を収めている。

 帝人グループは、EVRへの支援や協力、他の協賛企業との連携などが、次世代の自動車に必要とされる軽量・高強度でデザイン性に優れた部品の開発につながる技術や知見を得る好機と捉え、この機会を通じて関連業界でのテイジンブランドの認知度向上を図っていく。

 今後、車体向けの軽量で高強度の素材や、ドライバーの快適性向上に寄与する素材・製品の開発や提供などに取り組むことで、新たなビジネスの可能性を模索していく考えだ。

 鈴木純社長CEOは、「帝人グループは、地球温暖化への意識啓発を図る手段として、電気自動車によるカーレースに参戦を続けるEVRを支援する。サポートを通じて将来のEVに求められる技術やノウハウを蓄積することにより、環境規制の強化に対応できる車体軽量化の実現に向けたソリューション提案力を強化していく」とコメントしている。

帝人 欧州に複合成形材料テクニカルセンターを設立

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2020年1月29日

企画から評価まで、自動車メーカーに一括提案

 帝人はドイツ・ブッパタール市のテイジン・カーボン・ヨーロッパ社の敷地内に、テクニカルセンター「テイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)」を2月に設立する。欧州での自動車向け複合成形材料のデザイン・設計やプロトタイピングなどの機能を担う。

中石複合成形材料事業本部長
中石複合成形材料事業本部長

 28日に開催した記者会見で、中石昭夫・複合成形材料事業本部長は、環境負荷低減を目的に自動車のEV化が求められるなど、近未来のモビリティ像として「CASE」が示される中、TACEの設立により、同社の既存拠点とともに「CASE時代に呼応した顧客ニーズの深耕体制を欧州で確立する」との考えを示した。

 TACEではプロトタイピング/テクニカルセンターとして、デザイン・設計・試作・評価を行い、一括して自動車メーカーに提案する。また、将来的には欧州地域の技術・市場動向などの調査や、マーケティング機能も担う。さらに、

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帝人 腸内フローラ中心にパイプラインを拡充

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2020年1月22日

機能性食品素材で、「イヌリア」の可能性紹介

 帝人は機能性食品素材事業で、腸内フローラ分野を中心にパイプラインの拡充を図っている。その1つがチコリ由来の天然イヌリンを使った発酵性食物繊維「イヌリア」。このほど開催した「帝人×メタジェン共同研究成果発表会」で、天然イヌリンの腸内細菌叢に及ぼす影響に関する研究結果を紹介した。

 最初に機能性食品素材事業推進班営業グループの廣川雅一リーダーが、イヌリンの可能性について説明した。廣川リーダーによると、水溶性食物繊維の

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帝人 プロバイオティクス素材販売、デンマーク社と販売代理店契約

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2020年1月15日

 帝人はこのほど、デンマークのクリスチャン・ハンセン社と、日本での健康食品用途・育児用調製粉乳用途へのプロバイオティクス原料の販売代理店契約を締結したと発表した。同社は世界的なバイオサイエンス企業であり、プロバイオティクスのリーディングサプライヤー。これにより、帝人はこれまで展開してきたプレバイオティクス素材に加え、プロバイオティクス素材の販売を開始し、機能性食品素材事業のさらなる強化を図る。

 プロバイオティクスとは、適正量を摂取した宿主に有用な作用を示す生菌体のこと。一方、プレバイオティクスは、大腸内の特定の細菌の増殖と活性を選択的に変化させることで、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分である。

 帝人はヘルスケア事業の発展戦略の1つとして、機能性食品素材事業を掲げ、腸内環境を整えることで「未病」「予防」に貢献するプレバイオティクスに着目し、2016年からスーパー大麦「バーリーマックス」、2018年から水溶性食物繊維「イヌリア」の素材開発・販売を行っている。機能性食品素材事業の拡大を図る同社では、これらのプレバイオティクス素材と相性が良い、プロバイオティクス素材をラインアップに加えることが必要と考え、調査を進めていた。

 一方、クリスチャン・ハンセン社は2013年から日本で、一般食品以外に向けた機能性乳酸菌などの事業を展開しているが、顧客サポート体制のさらなる強化と、事業拡大を図ることができるパートナーを探していた。

 今回、両社のニーズが合致したことから、契約締結に至った。販売対象となる製品は、エビデンスが豊富な自然由来のビフィズス菌「BB‐12」や乳酸菌製剤「UREX」など、6種のプロバイオティクス関連製品。両社の強固な協力関係の下、帝人はクリスチャン・ハンセン社が培ってきたノウハウの共有や技術支援を得ながら、マーケティング活動を展開する。

 今後、帝人の機能性食品素材事業は、市場規模1兆5千億円と言われる健康食品市場のメーカー各社に向け素材提案を行う。また、育児用調製粉乳への採用も目指す。さらに、プレバイオティクとプロバイオティクスのそれぞれで、素材開発や製品ラインアップの拡充を進め、機能性食品素材事業をヘルスケア事業領域の将来のコアビジネスとして育成していく。

《化学企業トップ年頭所感》帝人 鈴木純社長

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2020年1月9日

 AIやIoT、Roboticsといった革新的なテクノロジーの登場により、産業地図は大きく塗り替えられている。未来の人々のQuality of Lifeの向上につながるソリューションを提供するために、テクノロジーをいかに活用していくかということが重要である。

 今年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催され、日本経済の活性化につながることが期待されているが、一番大事なことは、一過性のもので終わらせないということである。私たちも長期的な視点から物事をとらえ、社会の一員として、健全で持続可能な未来の社会づくりに貢献していきたい。

 2019年度は現中期計画を仕上げる大事な1年であるが、社内外に約束した目標を下方修正するに至り、忸怩たる思いである。厳しい経済環境下にあることも事実であるが、それを言い訳にせず、社員には最後まで任された仕事の完遂にこだわり、取り組みを進めてほしい。

 次期中期経営計画についても、長期ビジョンや重点領域といった目指すべき姿を変えるつもりはない。競争優位性や収益成長の実現性を精査し、優先順位を明確にした上で、積極的な資源投入も継続する。私たちの事業活動や取り組みが、どのような形で社会が抱える課題の解決に貢献しているのか、より明快に説明責任を果たしていきたい。

 「未来の社会を支える会社になる」という長期ビジョンの実現に向けて、これから50年、100年の持続的な成長につながるアクションプランをまとめ上げたい。社員には「安全」の確保、「周囲とのコミュニケーション」「Resilience(復元力)」を意識してほしい。

 私たちは未来の社会を支える会社になるため、大きな夢を描き、未踏の地を切り開こうという挑戦をしている。テクノロジーの進歩により、まだ誰も見たことがない新たな時代がやってくるが、臆することなく、絶え間ない挑戦と変革を繰り返し、社会とともに歩んでいこう。

セミコン・ジャパン2019開催 工場スマート化など展示

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2019年12月17日

 SEMIは11~13日、東京・有明の東京ビッグサイトで、半導体の全工程から、自動車や産業分野のスマートアプリケーションまでをカバーする国際展示会「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)2019」を開催した。

セミコンジャパン 主催者企画では「SMART Applicationsゾーン」を設けたほか、震災が多発する日本で必要なBCP(事業継続計画)に関する展示・セミナーなどを行った。「SMART Applicationsゾーン」は「SMART Transportationエリア」と「SMART Manufacturingエリア」で構成。「SMART Transportationエリア」では「自動運転パビリオン」で自動運転ソフトを搭載した自動車を披露したほか、半導体製造工程の搬送技術などを紹介した。

 同エリアに出展した帝人は、RFID管理システム「レコピック」の

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【ポリカーボネート特集3】帝人

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2019年12月11日

マーケティング体制変革へ、市場の変化に合わせ

 帝人は日本で最初に商業生産した独自の製法と、コンパウンド技術を強みとして、ポリカーボネート(PC)事業を展開している。

 同社にはプロジェクトによりPC樹脂を扱う部署がいくつかあるが、樹脂事業本部樹脂ソリューション営業部門では、PC関連の主力製品として、PC樹脂「パンライト」と、PC樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂のポリマーアロイである「マルチロン」を扱っている。

 現在、「パンライト」で注力しているのは、眼鏡用途やシリコンウエハーのキャリアケース、自動車用途など。眼鏡用途では厳しい品質管理や、ブルーライトをカットする波長のコントロール技術などが評価されて使われている。

 半導体工程で使われるシリコンウエハーのキャリアケースは、ケースから不純物やガスが発生するとシリコンウエハーが痛むため、高純度のPC樹脂が求められる。同社独自製法による純度の高さが採用のポイントとなっている。

 さらに、半導体の微細化に伴い、顧客からの要求特性が変わっていくが、それに的確に対応できることも選ばれている理由だ。

 自動車用途ではヘッドライトのほか、電装化に伴いコックピットパネルの検討が進んでいる。

 また、繰返し滅菌して利用できる製品として、

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エコプロ2019 化学各社が環境問題への取り組みを紹介

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2019年12月9日

 アジアを代表する環境の総合展示会「エコプロ2019」が5~7日、東京ビッグサイトで開催された。21回目となる今回のテーマは「持続可能な社会の実現に向けて」。515社・団体が、環境問題への対応やSDGsへの取り組みなどを紹介した。

会場全景 化学メーカーのうち、JXTGエネルギーは全国7カ所で展開している、森林保全活動「ENEOSの森」をイメージした「ENEOSブース」を出展。環境保全活動・社会貢献活動、水素社会に向けた取り組みを紹介し、水素ステーションのジオラマや、水素充填機の実物大模型の展示などを行った。

 積水化学工業グループは「持続可能な未来のために積水化学グループが取り組むこと」をテーマに、気候変動の「緩和」と「適応」のソリューションとして、製品・技術・コンセプトを幅広く展示した。その1つ、雨水貯留システム「クロスウェーブ」では、1m角のプラスチック製貯留材の実物を積み上げ、パネルやビデオも使って効果などを説明していた。

 帝人グループはゼロエミッションビークルの実現に向けた環境技術や、プラスチック海洋ごみ問題への取り組みなどを紹介した。ゼロエミッションビークルでは、オーストラリアの世界最大級のソーラーカーレースに参戦した工学院大学の実機を展示。そこに搭載されたポリカーボネート(ウインドウ)、パラ系アラミド繊維(タイヤカバー)、炭素繊維(タイヤ、ボディ)などの実物とサンプルを展示して解説した。

 デンカは環境への取り組みの一環として、建設中のものを含めると17ヵ所になる、自社運営の水力発電によるクリーンエネルギーの利用や、自動車の電動化・軽量化を支える製品・技術などを紹介した。水力発電ではジオラマとビデオで発電の仕組みなどを説明した。

 東洋紡グループは様々な社会課題に対するソリューションを、「素材+サイエンス」で提供するとして、水処理膜や集塵フィルター用繊維などをPR。海水を脱塩して飲料水に変える高性能水処理膜「ホロセップ」については、実際に汚泥の濁りを除去するデモンストレーションを行った。

 日本ゼオンはオープンイノベーションプロジェクト「PROJECT LNES(ルネス)」による、10年後の未来を提案。軽くてデザイン性の高いソーラーカードの活用法を、ジオラマ風の展示により紹介していた。

 三菱ケミカルホールディングスは循環型社会に貢献できる製品として、生分解性プラスチック「BioPBS」やリサイクル炭素繊維、ペットボトル100%で作られたリサイクルポリエステル繊維などを展示。「BioPBS」では、土の中に3日間、15日間、45日間入れたものをそのまま展示して、どのように分解するかを示していた。

帝人 「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」を受賞

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2019年12月3日

 帝人はこのほど、高機能繊維で補強した木造建築物用集成材「AFRW(Advanced Fiber Reinforced Wood)」を使用した、世界初の建築物である「MIRAI LIVELY HOUSE」が、東京都産業労働局が主催する「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」で「奨励賞」を受賞したと発表した。

帝人 「MIRAI LIVELY HOUSE」の外観
「MIRAI LIVELY HOUSE」の外観

 同建築賞は、東京都産業労働局が、東京都で木材利用の新たな可能性を開拓する、革新的またはモデルとなるような建築物と木質空間を表彰するもの。新たな木材需要を喚起することにより、全国の森林循環を促進し、林業・木材産業の成長を図ることを目的としている。

 帝人が自社の東京研究センター(東京都日野市)の敷地内に建築し、社内の会議やイベントなどに活用している「MIRAI LIVELY HOUSE」は、木材の軽量性と鉄骨並みの高い剛性を併せもつ「AFRW」を使用している。

帝人 「MIRAI LIVELY HOUSE」の内観
「MIRAI LIVELY HOUSE」の内観

 柱のない開放性の高い空間を実現した建物で、内部に用いた木材と周辺の自然とが調和した快適性の高い空間により、ストレス低減効果が期待できる。建築のエキスパートである前田建設工業と高知大学構造工学研究室の助言・協力を得て、今年4月に完成した。

 帝人グループは今回の受賞を契機として、木造建築物への「AFRW」の普及を図り、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献していく。