昭和電工 子会社の昭光通商を丸紅系投資ファンドに譲渡

, , ,

2021年3月8日

 昭和電工はこのほど、連結子会社である昭光通商の株式を丸紅系投資ファンドに譲渡すると発表した。昭和電工は昭光通商の44%の株式を所有しているが、投資ファンド「アイ・シグマ・キャピタル」が運営するファンドのTOB(株式公開買い付け)に29%を応募する。昭和電工は株式を15%残すことで、昭光通商との取引関係を継続する方針だ。

 昭光通商は、1947年に化学品、肥料の国内販売と輸出入を目的として設立され、1981年には東証第一部に上場した。その後の事業・商材の拡充などを通じて、現在では化学品、合成樹脂、および金属セラミックスなどを取り扱う総合商社として幅広い部材や商品を取り扱っている。

 一方、昭和電工は昨年に日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)の買収を完了。12月に公表した「統合新会社の長期ビジョン」では、事業ポートフォリオの再編として、事業価値2千億円相当の事業売却の方針を示した。今年1月末にはアルミニウムの2事業(アルミ缶、高純度箔)を米国ファンドへ売却している。

 こうした中、昭光通商について、アイ・シグマ・キャピタルから企業価値向上に向けた提案を受けた。昭和電工は内容を慎重に検討した結果、投資ファンドならびに親会社である丸紅や同社グループがもつ国内外のネットワーク、経営ノウハウを活用することで、昭光通商のさらなる成長加速と企業価値の向上を実現できるとの結論に至った。

昭和電工 人事(16日)

2021年3月5日

[昭和電工・人事](16日)▽出向昭和電工シンガポール須崎研二▽情報電子化学品事業部ファイン製品部長大原義典▽出向昭和電工堺アルミ総務部兼アルミ圧延品事業部、同同社総務部経理チームリーダー兼アルミ圧延品事業部猪川克彦▽同同社同部長兼同事業部堺事業所長兼同部長、同同社同部総務・人事チームリーダー甲斐英昭。

昭和電工 エマルジョン製品を値上げ、コスト上昇に対応

,

2021年3月1日

 昭和電工は26日、エマルジョン製品「ポリゾール」について、3月15日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、エチレン-酢酸ビニル系が「25円/kg」、酢酸ビニル系が「20円/kg」。

 「ポリゾール」は、水を媒体に使用し有機溶剤などを含まないため、環境への負荷が低い製品。住宅建材・建築・繊維加工・紙加工など様々な用途で利用されており、日常生活に密接な関係を持っている。昨今、原油市況に連動しナフサや酢酸の価格が上昇傾向となり、エチレン-酢酸ビニル系製品や酢酸ビニル系製品の原料であるエチレンや酢酸ビニルの価格も上昇している。さらに、包装材・副資材・物流費なども値上りを続けている。

 こうした中、同社は、これまで製造や物流の合理化を進めコストダウンに努めてきたが、これらの外部環境の変動によるコストの上昇は自助努力のみでの対応が困難であり、製品の安定供給体制を維持するために、今回、値上げせざるを得ないと判断した。

昭和電工 2021年度はすべての事業が回復傾向

, ,

2021年2月19日

森川社長「実質統合で、世界で戦える会社になる」

森川宏平社長

 昭和電工は17日に開催した決算説明会で、2021年度の経営課題などについて説明を行った。昨年度の業績はコロナ禍の影響を受けたことや、黒鉛電極の回復が遅れたことなどにより利益項目は赤字となったが、下期からの自動車・鉄鋼生産の回復を背景に、業績は改善傾向にある。森川宏平社長は「コア成長事業(モビリティ、エレクトロニクス)がけん引することに加え、石化やハードディスク(HD)といった安定収益事業もしっかりキャッシュを稼ぐ」とし、今年度の業績回復を見込む。

 事業環境が改善する中、コア成長事業ではプレゼンスの向上が期待される。エレクトロニクス市場は昨年、5Gやテレワーク進展により成長軌道に回帰し、今年度以降は市場拡大が予想される。森川社長は

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

昭和電工の12月期 利益項目が赤字も今年度は改善見込む

,

2021年2月18日

 昭和電工は17日、2020年12月期(1-12月期)の連結決算を発表した。売上高は前年比7%増の9737億円、営業損失194億円(同1402億円減)、経常損失440億円(同1633億円減)、純損失763億円(同1494億円減)となった。

 オンラインによる決算会見の中で森川宏平社長は、「昨年はコロナによる市況悪化の影響を大きく受け、様々な製品で出荷量が減少した。特に黒鉛電極は、 “昭和電工の12月期 利益項目が赤字も今年度は改善見込む” の続きを読む

昭和電工 通期業績を上方修正、電子材料や石化市況が改善

,

2021年2月15日

 昭和電工は12日、2020年度の通期業績予想の修正を発表した。売上高9735億円(前回発表比135億円増)、営業損失200億円(同100億円改善)、経常損失445億円(同105億円改善)、純損失770億円(同130億円改善)を見込む。利益項目は、無機セグメントの黒鉛電極事業が減益を見込むものの、昭和電工マテリアルズセグメントの電子材料や配線板材料、およびモビリティ部材の想定以上の回復、また、石油化学セグメントのアジア需給や製品市況が改善することで増益になることを想定している。

 一方、収益性が低下している事業の再評価を行った結果、10-12月期に減損損失161億円を計上する。内訳として、堺事業所のアルミ圧延品事業で88億円、塩尻事業所のセラミック事業で62億円の減損処理を行った。

昭和電工 自動化ソリューション事業のメキシコ社に出資

, , ,

2021年2月9日

 昭和電工は8日、産業向け自動化ソリューション事業を手掛けるメキシコのAMI Automationの株式50%を取得したと発表した。なお、今後5年以内に残りの株式を取得するオプションを保有している。

 AMIは、電炉向けの運転最適化ソフトウェアや電極制御システムを取り扱うMeltshop Solutions事業、各種産業向けの自動化・制御ソリューションを手掛けるIndustrial Systems事業をグローバルに展開。中でもAMIの電極制御システムは、生産量ベースで北米の約90%の電炉鋼生産に活用されている。

 昭和電工は従来から、電炉特性に合わせてカスタマイズした高品質な黒鉛電極を提供し、顧客が高品質な電炉鋼を高効率に生産することに貢献してきた。AMIのMeltshop Solutions事業の手掛ける電炉の運転最適化サービスと連携することで、電極のパフォーマンス向上と電炉運転の一層の生産効率化や省エネルギー化、温暖化ガス排出量の削減に貢献するソリューションサービスを提供することが可能となる。

 また、Industrial Systems事業の知見を昭和電工の製造工程に展開することで、黒鉛電極の更なる効率的な生産を実現し、顧客のビジネスにサステナブルな価値を提供するとともに、黒鉛電極市場における昭和電工グループのグローバルリーダーとしてのポジションをさらに強化することを目指していく。

 AMIは自動化・制御ソリューション事業のプレミアインターナショナルカンパニーとして、産業プロセス自動化のための革新的製品・ソリューションを提供。Meltshop Solutions事業は、30年以上にわたり、最新の自動化・制御技術の活用により電炉の効率的な運転に貢献し、電炉最適化における世界的なイノベーター・リーダーとして認識されている。

 昭和電工は、黒鉛電極事業を含む様々な事業・生産プロセスへAMIの持つ自動化・制御技術を活用することにより、両社の更なる事業拡大を目指していく。

 

昭和電工 アルミ2事業を分割、米ファンド会社が引き継ぐ

, , , , , ,

2021年1月29日

 昭和電工は28日、アルミ缶事業とアルミ圧延品事業を子会社に承継することを含む一連の取引に関する基本契約を米国投資ファンドであるアポロ・グローバル・マネジメントと締結すると発表した。今回のスキームとして、アルミ缶事業は、連結子会社である昭和アルミニウム缶に承継(その後、連結子会社から除外)、アルミ圧延品事業は非連結子会社である昭和電工堺アルミに承継し、両会社をアポロ社が引き継ぐ形となる。なお、契約締結日は、アルミ缶事業が4月21日、アルミ圧延品事業が6月24日となっている。

 昭和電工のアルミ缶事業は、昭和アルミニウム缶が1971年に国内初となる飲料用アルミ缶の製造を開始して以来、缶体・蓋の成形加工から印刷までの一貫工程により提供している。2014年にはベトナムのハナキャン社を買収し、成長市場であるトナムでの事業展開も図ってきた。しかし、国内市場はペットボトルへの置き換えが進むなど今後も厳しい事業環境が続くことが見込まれる。

 アルミ圧延品事業は、1933年に操業を開始。現在、堺事業所でアルミ電解コンデンサー用高純度アルミ箔などを生産。高容量・高強度のハイエンド品に強みがあり、アルミ電解コンデンサー用高純度アルミ箔市場で世界ナンバーワンの販売シェアをもつ。2013年には中国拠点も設立し、中国市場に高純度アルミ箔を安定的に供給できる製造・販売体制を構築している。

 一方、昭和電工は「統合新会社の長期ビジョン」(昨年12月発表)の中で、事業ポートフォリオ再編を掲げ、事業価値ベースで約2000億円規模の複数事業の売却について検討・交渉を進めている。こうした中、アルミ缶事業とアルミ圧延品事業について検討を重ねた結果、アルミ関連業界への20年以上にわたる豊富な支援実績のあるアポロ社の下で事業拡大を図ることが、両事業のさらなる成長につながると判断した。

 同社は「アポロ社による積極的かつ戦略的な経営資源を活用し、独立会社として柔軟かつ大胆な事業戦略を遂行していくことで、アルミ缶事業およびアルミ圧延品事業のさらなる成長と競争力の強化が実現できるものと確信している」とコメントしている。

昭和電工 人事(2月16日)

2021年1月28日

[昭和電工・人事](2月16日)▽機能材料事業本部設置準備室長、昭和電工マテリアルズ取締役常務執行役員CTOイノベーション推進本部長兼ライフサイエンス事業管掌片寄光雄▽理事機能性化学品事業部長兼機能材料事業本部設置準備室矢田光弘▽理事セラミックス事業部長兼昭和電工セラミックス社長兼機能材料事業本部同室大久保卓也▽理事アルミ機能部材事業部長兼機能材料事業本部同室松岡清文。

 

昭和電工 組織改正(2月16日)

2021年1月28日

[昭和電工/組織改正](2月16日)▽基盤事業(セラミックス、機能性化学品、アルミ機能部材、コーティング材料、樹脂材料)に関する昭和電工マテリアルズ株式会社との組織統合の詳細検討、一体運営準備のため、社長直属の「機能材料事業本部設置準備室」を設置する。