東海カーボンの1-12月期 黒鉛電極販売減で減益に

,

2020年2月13日

 東海カーボンの2019年12月期連結決算は、売上高が前期比13%増の2620億円、営業利益は同26%減の543億円、経常利益は同27%減の530億円、当期純利益は同56%減の320億円となった。

 セグメント別では、黒鉛電極事業の売上高は同11%減の913億円、営業利益は同30%減の394億円。主要原材料の世界的なひっ迫などにより販売価格が上昇した。一方、黒鉛電極のひっ迫を背景に、前年に積み増しされた顧客の在庫や米中貿易摩擦の影響などにより、黒鉛電極の引き取り量は低下した。

 カーボンブラック事業の売上高は同32%増の1018億円、営業利益は同18%減の85億円。タイヤメーカー向けの販売は、アジア地域では米中貿易摩擦の影響を受け販売数量が減少したが、米国の新拠点Tokai Carbon CBが2018年9月から連結寄与したため、販売数量が増加した。

 ファインカーボン事業の売上高は同20%増の304億円、営業利益は同64%増の61億円。半導体・太陽光発電・一般産業用向けはいずれも堅調に推移。また、韓国のTokai Carbon Koreaが2018年6月から連結子会社となり、売上高・営業利益の増加に寄与した。

 ドイツの炭素黒鉛製品メーカーTokai COBEX HoldCoと、そのグループ会社を連結子会社化したことから、新たにセグメントに追加した精錬ライニング事業の売上高は147億円、営業損益は16億円の損失。Tokai COBEX HoldCoの5カ月の営業利益は56億円となっているが、セグメント会計で取得原価の配分に伴う評価差額に関わる償却費42億円、のれん償却費16億円、取得関連費用14億円を費用計上した。

 工業炉及び関連製品事業の売上高は同11%増の126億円、営業利益は同6%増の32億円。その他事業の売上高は同27%減の113億円、営業損益は2100万円の損失(前年同期は11億円の営業利益)となった。

 2020年度の連結業績予想は、売上高が2019年度比4%減の2512億円、営業利益は同48%減の282億円、経常利益は同48%減の278億円、当期純利益は同48%減の166億円を見込んでいる

東海カーボン 人事(1月1日)

2020年1月8日

[東海カーボン・人事](1月1日)▽取締役副社長執行役員社長補佐、経営企画部・戦略投資部・販売企画部管掌室伏信幸▽取締役執行役員同部・同部・同部副管掌兼経営企画部部長辻雅史▽同役員人事部・総務部・法務部副管掌兼人事部部長真先隆史▽同役員防府工場工場長兼防府研究所所長片岡和人▽同役員カーボンブラック事業部事業部長増田浩文▽理事同事業部副事業部長初鹿野緑▽同秘書室室長兼監査室室長上之薗恵▽同(Thai Tokai Carbon Product Co.,Ltd.取締役マネージングディレクター)山崎辰彦▽同電極事業部生産技術部部長灰野和義▽同負極材事業部事業部長堂薗充昭。

東海カーボンの1-9月期 増収も販売減などで減益に

,

2019年11月7日

 東海カーボンの2019年12月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比28%増の1986億円、営業利益は同2%減の494億円、経常利益は同4%減の490億円、純利益は同47%減の310億円となった。

 売上高は黒鉛電極・カーボンブラック・ファインカーボンの売価改善と、M&A案件の連結売上貢献により増収。営業利益は黒鉛電極の売価上昇はあったが、販売数量減などにより減益。純利益は前年同期に特別利益228億円が発生したため大幅減となった。

 セグメント別では、黒鉛電極事業の売上高は同6%増の730億円、営業利益は同5%減の363億円。販売数量は減少したが、主要原材料の世界的な逼迫などにより、販売価格は上昇した。

 カーボンブラック事業の売上高は同64%増の804億円、営業利益は同4%増の80億円。販売数量が減少したものの、米国の新拠点の連結寄与により増収増益となった。

 ファインカーボン事業の売上高は同33%増の232億円、営業利益は同115%増の49億円。黒鉛素材生産設備が高稼働を維持したことに加え、韓国のTokai Carbon Koreaが連結子会社となり、売上高・営業利益の増加に寄与した。

 精錬ライニング事業は、ドイツの炭素黒鉛製品メーカーとグループ会社を連結子会社化したことから報告セグメントを追加し、今期は8、9月の2カ月分の業績を反映させている。売上高は45億円、営業損益は12億円の損失となった。のれん償却費など約14億円と企業結合に関わる一過性の取得費用などが約14億円発生しているため営業損失を計上している。

 工業炉及び関連製品事業の売上高は同3%増の82億円、営業利益は同5%増の22億円。その他事業の売上高は同20%減の93億円、営業利益は同68%減の3億円。

 通期の業績予想については、黒鉛電極の販売数量が減少していることから、売上高と各利益項目を下方修正した。売上高は前年比14%増の2626億円、営業利益は同21%減の580億円、経常利益は同22%減の573億円、純利益は同51%減の361億円を見込んでいる。

東海カーボン M&Aの成否は「これからが勝負」と長坂社長

, , , ,

2019年10月18日

 東海カーボンは16日、都内で記者懇談会を開催し、室伏信幸副社長が精錬ライニング事業について、榎谷謙士電極事業部長が電炉製鋼用電極の現状と展望を紹介した。

挨拶をする長坂社長01 最初に挨拶を行った長坂一社長=写真=は「この2年ほどでいろいろなM&Aをやった。世間では成功例として取り上げられているが、決して甘いものではないと思っているし、むしろこれからが東海カーボンの勝負時期だろうと考えている」と述べた。

 その1つ、炭素黒鉛製品メーカーの「TOKAI COBEX(TCX)」の精錬ライニング事業に関して、室伏副社長は同社買収による安定事業基盤とアップサイドシナジーに焦点を当てて説明を行った。

 TCXは現在、3つの事業を展開しており、アルミ精錬用カソードと高炉用ブロックは業界トップシェア、炭素電極は業界2位と、ニッチターゲット市場でトップクラスの存在感がある。このうち、カソード事業の安定性について、室伏副社長は過去の

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東海カーボンの1-6月期 増収で営業利益が42%増

,

2019年8月9日

 東海カーボンの2019年12月期第2四半期連結決算は、売上高が前年同期比52%増の1392億円、営業利益は同42%増の404億円、経常利益は同39%増の406億円、四半期純利益は同41%減の261億円となった。

 8日に開催した決算説明会で、佐藤昭彦財務経理部長は「売上高は主要セグメントの売価改善、営業利益についてはM&A案件の連結利益貢献」を増収営業増益の主な要因として挙げた。また、純利益の減益は「前年同期に

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東海カーボン 独・炭素黒鉛メーカーの子会社化を完了 商号を変更

,

2019年7月30日

 東海カーボンは29日、6月17日に買収を発表した炭素黒鉛製品メーカーであるドイツのCOBEX HoldCoおよび、グループ会社〈COBEX、COBEX Polska、COBEX(Shanghai)〉の全株式を取得し子会社とすることに関し、7月26日に全ての手続きを完了したと発表した。

 これに伴い、COBEX HoldCoをTokai COBEX HoldCoへ、COBEXをTokai COBEXへ、COBEX PolskaをTokai COBEX Polskaへ、COBEX(Shanghai)をTokai COBEX(Shanghai)へ、関係当局の承認を条件に商号変更する。

東海カーボン ドイツの炭素電極メーカーを約1000億円で買収

, ,

2019年6月19日

 東海カーボンは17日、ドイツの炭素黒鉛製品メーカーであるCOBEX HoldCo(コベックス社)の全株式を取得し子会社化することについて株式譲渡契約を締結したと発表した。取得価額は約1000億円(企業価値ベース)。

東海カーボン社長
長坂社長

 コベックス社は、アルミ精錬用のカソード(陰極)、一貫製鉄所の主要設備である高炉の内張りに使われるライニング(高炉用ブロック)、金属シリコンなどの精錬に使われる炭素電極の3分野において世界有数の市場シェアを保有。本社はドイツ・ヴィースバーデン。ポーランドに2工場(ノビサッチとラチボルツ:年産合計7万t)があり、また中国・上海に販売サービスセンターの拠点がある。2018年12月期の業績は売上高298億円、営業利益89億円だった。

 同日開催された説明会見において長坂一社長は「粗鋼生産は年率2%成長だが、アルミニウムの成長率は年率4%が見込まれている。アルミは、軽量化、デザイン性、耐腐食性に優れており、建設分野や輸送機器分野、エレクトロニクス分野の銅代替などで市場が拡大している」とした上で、「コベックスの各事業は

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東海カーボン 中間期及び通期業績予想を修正(9日)

,

2019年5月13日

[東海カーボン/中間期及び通期業績予想を修正](9日)単位100万円、カッコ内は前回予想(2月12日発表)。▽連結(中間期)=売上高144,600(155,800)、営業利益42,700(48,500)、経常利益42,700(48,900)、純利益27,800(32,800)。▽同(通期)=売上高287,900(322,700)、営業利益75,400(98,700)、経常利益75,400(99,000)、純利益49,300(66,100)。