積水化成品工業 非フッ素系分散剤、サンプル提供を開始

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2021年10月19日

非フッ素系分散剤の特長

 積水化成品工業はこのほど、東北大学が開発に成功した、フッ素系樹脂粒子を水に分散できる「非フッ素系分散剤」のサンプル提供を開始したと発表した。

 フッ素系界面活性剤は生態蓄積性や環境残留性が指摘され、欧州などで規制が強化されつつある。そのため、フッ素系界面活性剤を代替する非フッ素系分散剤が工業的に求められていた。

 こうした中、東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授(ジュニアPI)は、ムール貝の接着現象に着想を受け、フッ素元素を含有しない代替分散剤の開発に成功。同研究の分散剤を用いることで、疎水性粒子を水に分散させる際に廃液へのフッ素元素の溶出がなく、生態や環境への負荷を低減した工業プロセスが実現できる。

 同社は「テクポリマー」「テクノゲル」を中心とした高機能性ポリマー製品において環境貢献開発に注力しており、その一環として、今回の研究成果を技術導入し、非フッ素系分散剤の実用化を目指す。

 非フッ素系分散剤の特長として、①ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子などの低表面自由エネルギー粒子を水に分散可能、②粒子表面を被覆することで水などの環境負荷の少ない多様な溶媒に分散可能、などがあげられる。

 同社は、非フッ素系分散剤のサンプル提供を開始しており、製品化に向けた市場開発を進めていく。そして様々な分野に応用展開を進めることで、「環境リーディングカンパニー」として環境保全に積極的に貢献していく。

積水化成品工業 リサイクル原料100%の屋上緑化資材開発

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2021年10月4日

 積水化成品工業はこのほど、100%リサイクルの発泡性ポリスチレンビーズ「エプスレム」を使用した「ソイレンマットER」を開発したと発表した。

100%リサイクル原料の「ソイレンマットER」
100%リサイクル原料の「ソイレンマットER」

 同社の軽量緑化システム「スーパーソイレン工法」は、都市部の景観づくりだけでなく、断熱効果による省エネ対策やヒートアイランド緩和の役割を期待され、商業施設やオフィスビルの屋上庭園などに採用されている。「ソイレンマット」は、「スーパーソイレン工法」の構成材の1つである保水排水基盤材。

 今回、環境保全に配慮した製品を求める市場ニーズを踏まえ、難燃性のリサイクル原料を100%使用した「ソイレンマットER」を新たに開発した。特長として、難燃性のリサイクル原料「エプスレム」を使用しており環境負荷が小さく、従来品と比較して、生産時(ビーズ生産から発泡成形まで)のCO2排出量を21%削減している。

 同社グループは、環境と共生するモノづくりを原点とし「環境リーディングカンパニー」を目指し、従来から注力している3R活動(リデュース、リユース、リサイクル)に加え、2R(リプレイス、リクリエイト)を含んだ「SKG‐5R」を推進。

 「スーパーソイレンER」は、「リサイクル」に対する開発の1つであり、限りある資源を有効活用するだけでなく、生産時のCO2削減にも取り組んでいる。

 同社は、5Rの開発に留まらず、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく。

積水化成品工業 植物由来原料使用したポリマー微粒子を開発

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2021年8月3日

 積水化成品工業は2日、持続可能社会に貢献する植物由来の原料を使用したポリマー微粒子「テクポリマー BIO EF-Cシリーズ」を開発したと発表した。

「テクポリマーBIO EF-Cシリーズ」 特長

 「テクポリマー」は、独自の重合技術を用いたポリマー微粒子で、液晶ディスプレイの光拡散剤や、化粧品の添加剤、塗料の艶消し剤など、様々な用途で使用されている。一方、廃プラ問題による環境汚染や気候変動による地球温暖化への対策が世界全体で課題となっており、SDGsの取り組みを推進し、脱炭素社会を目指して、環境負荷を低減する素材の開発が求められている。

 同社は、これまでも環境に配慮した「テクポリマー BIO」を展開し、生分解性微粒子である「EF-Aシリーズ(水中分解性)」や「EF-Bシリーズ(土壌分解性)」を市場投入しており、今回、植物由来原料を使用し、従来シリーズよりも耐久性に優れ、塗料などの添加剤として扱いやすい「EF-Cシリーズ」を新たに開発した。

 特長として、バイオマス度50%のポリマー微粒子(国内外のバイオマスマーク申請中)、耐溶剤性や耐久性に優れるほか粒子径などのカスタマイズ対応も可能、ソフトな触感や復元性をもつ軟質粒子であり艶消しに加えて塗料の触感改良にも使用できる、などが挙げられる。

 同社は「EF-Cシリーズ」について、自動車内装材の塗料用途や照明カバーの光拡散剤などを想定分野としており、「テクポリマー」全体の販売計画として2025年度に売上高70億円を掲げている。今後も、塗料用途をはじめとする幅広い分野での展開を図り、持続可能社会への貢献に努めていく考えだ。

積水化成品工業 グループで太陽光発電システムを随時導入

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2021年7月14日

 積水化成品工業は13日、環境保全への取り組みの一環として、カーボンニュートラル実現に向けて同社グループに太陽光発電システムを随時導入していくと発表した。

太陽光発電システムを導入
太陽光発電システムを導入

 近年、SDGsやESGに象徴されるように、世界規模での環境問題や社会問題に大きな関心が寄せられる中、同社グループでは、持続可能な社会の実現に向けて「SKG‐5Rステートメント」を策定し、2030年のあるべき姿に向けた定量目標や取り組みを掲げている。特に、事業活動におけるCO2排出量(スコープ1+2)については、SBTイニシアティブの基準を参考に、2030年度の数値を2018年度比27%削減するという目標を設定しており、これまで太陽光などの再生可能エネルギーの導入について検討を進めてきた。

 こうした中、今回、再生可能エネルギーの導入に関してグループでの方針を定め、まずは、積水化成品天理(奈良県天理市)の製品倉庫屋上に、太陽光発電システムを採用することを決定。同敷地内で使用する電力の一部を同システムで補うことができ、CO2排出量の削減に取り組むことで、地球環境と共生するサスティナブルな企業活動体制を構築する。

 今後、同社グループでは、この取り組みを例として、全国の各事業所で再生可能エネルギーの活用投資を積極的に推進していく。

積水化成品工業 PSPシートを値上げ、原料高に対応

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2021年6月25日

 積水化成品工業は24日、発泡ポリスチレンシート(PSP)について、8月1日以降の出荷分から値上げすることを決定し、需要家と交渉を開始したと発表した。改定幅は、一般原反、ラミネート原反とも「27円/kg以上」。

 同社は今年5月に、「28円/kg以上」の値上げを実施したが、その後もPSPの主原料であるポリスチレン樹脂(PS)の価格は、原油価格上昇によるナフサ・ベンゼン価格とともに上昇し、PSメーカーによる原料再値上げを受け入れざるを得ない状況となった。加えて、発泡ガスなどユーティリティーコスト・物流費も上昇している。

 同社は、これらのコストの増加を自助努力だけで吸収することは限界があるため、今回の値上げを決定した。