DIC 色付きPSの溶解分離リサイクル技術開発

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2022年8月4日

白色トレーに再生可能、23年の社会実装目指す

 DICとエフピコは3日、食品トレーの原料であるポリスチレン(PS)の完全循環型リサイクルに向け、世界初の溶解分離リサイクル技術を用いた協業を開始したと発表した。

DICとエフピコが取り組む、プラ製食品トレーの完全循環型リサイクルに向けた手法

 DICが開発した「Dic法(Deinking chemical process)」により、

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DICとエフピコ PSリサイクルの社会実装へ協業検討

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2020年12月3日

 DICとエフピコは、ポリスチレン(PS)の完全循環型リサイクルの社会実装に向けた検討を本格化した。

ケミカルリサイクルによるポリスチレンの完全循環型モデル
ケミカルリサイクルによるポリスチレンの完全循環型モデル

 DICは、プラスチックの高度資源循環の社会実装に貢献するため、産官学連携で廃プラスチックの材料再生プロセス開発のプロジェクトに参画しマテリアルリサイクル(MR)の研究を推進。また、食品包装などのパッケージ素材として使用されるPS、フィルム、インキ、接着剤などの素材がプラスチックのMR特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、環境負荷の少ないパッケージ素材の製品開発を進めている。

 エフピコグループでは、一般家庭から排出される使用済み発泡PS食品容器をMRによって再生利用する「エフピコ方式のリサイクル」を積極的に推進。使用済みの白色発泡PS容器は、粉砕した後、再度溶融した上でエコトレーとして製品化し、色柄付きの発泡PS容器はハンガーなど日用雑貨品に再生利用している。

 一方、PSは制御された加熱条件下で容易にPS原料のスチレンモノマー(SM)に戻る「モノマー還元」の性質があるため、ケミカルリサイクル(CR)に適している。CRで得られたスチレンから生産されたPSは、石油原料から生産されたPSと同等の性能や安全性があり、使用用途が限定されずに幅広い用途で利用できる。

 両社は、CRに関する合弁会社を含めた共同事業体設立などの協業を視野に検討を進めており、モノマー還元技術を外部から導入することで、色柄付きの発泡PS容器の再生を実現し、PS製品の完全循環型リサイクルを目指す。なお、DIC四日市工場での実証実験プラントの建設も検討している。

 CRによるPS製品の完全循環型リサイクルでは、「エフピコ方式のリサイクル」を活用し、使用済み食品容器を9600カ所の拠点で回収。色柄付きの発泡PS容器を両社の共同事業体などでリサイクルSMに再生し、DICでPSを生産、エフピコでエコトレーなどへの製品利用を目指す。

 両社は、様々なリサイクル技術を活用することで完全循環型リサイクルを実現し、使用済みプラスチックの有効活用と、食品包装容器のライフサイクル面でのCO2排出量の削減に貢献していく考えだ。