住友化学 エンジニアリング部を新設、スマート保安を実現

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2021年3月30日

 住友化学は29日、4月1日付でエンジニアリング部を新設すると発表した。全社横断的かつ機動的なエンジニアリング体制を構築するとともに、各工場工務部門の保安・保全機能を強化し、デジタル技術を活用したスマート保安の取り組みを加速させる。

 同社はこれまで、千葉や愛媛、大分などの各工場に工務部門を配置し、工場の特性に応じた最適なエンジニアリング機能の発揮により安全・安定操業に貢献してきた。一方、事業環境の変化やグローバル化が加速する中、特に新設・増強工事については従来以上に迅速な業務遂行が必要なほか、海外での大規模設備投資に対する支援の拡充が求められている。さらに、多くの国内設備では、高経年化や労働人口の減少などを背景に、エンジニアリング業務、保安・保全業務の全社的な最適化や、それを担う人材の育成、ノウハウの継承も急務となっている。

 こうした状況を踏まえ、同社はプラントの新設や大型の設備改造について、よりシームレスに設計から建設までを実行できる全社横断的かつ効率的な体制を構築するとともに、各工場工務部門の保安・保全機能を強化する。

 新設するエンジニアリング部は、エンジニアリング業務の全社最適化や人材の機動的な活用と育成を進め、またグループ会社で同機能を展開する住友ケミカルエンジニアリングおよびシアテックとより緊密な連携を図る。各工場の工務部門については今後、設備や運転、エンジニアリングなどのデータを連携させた統合プラットフォームから得られるデータに基づく予知・予兆検知をはじめ、デジタル技術を活用したスマート保安の実現に注力していく。

 同社は、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、工場に備わる機能全体を高度化するとともに、安全・安定操業の継続により、持続的な成長と企業価値の向上を目指していく。