日本ゼオン 微生物を用いたCNTの分解方法、共同で開発

, , , , ,

2023年12月27日

 日本ゼオンは26日、名古屋大学および名大発のベンチャー企業であるフレンドマイクローブとの共同研究で、カーボンナノチューブ(CNT)を微生物により効率的に分解する世界で初となる新手法を開発したと発表した。

 これまで、炭素から

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

立命館大など CNTによる炎症の発現機構を解明

, , ,

2023年5月18日

 立命館大学はこのほど、カーボンナノチューブ(CNT)を認識するヒト免疫受容体を発見した。JST(科学技術振興機構)の研究領域「細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出」と「生体における微粒子の機能と制御」の支援で名古屋大学と東北大学との共同研究によるもの。一部の多層CNTはアスベストに似た炎症毒性を示すことが動物実験で報告されているが、炎症を誘導する機構や、ヒトでの炎症毒性については分かっていない。

 同研究グループは、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

NEDO CNTをほぐす技術、車載用スピーカーに採用

, , , , ,

2021年7月8日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、GSIクレオスが開発したカーボンナノチューブ(CNT)の性能を最大限に発現させる技術が、三菱電機の振動板に採用され、新製品として車載用スピーカーに搭載されたと発表した。

 CNTに代表されるナノ炭素材料は、「軽量」「高強度」「高電導度」「高熱伝導度」という特長をもつ日本が世界をリードする材料。一般的にCNTはそのナノサイズのため凝集塊の状態で存在するが、CNTが本来もつ性能を発現させるためには、この強く固まった塊を解砕(ほぐす)して、CNTを母材内に高分散させる必要がある。そのためには高いエネルギーを塊に加え、文字通り粉砕しながらほぐしていく方法が一般的だが、CNTの破壊や短化現象が生じ、CNT自体に欠陥が生じてしまうなど、CNTを良好な状態で高分散させることは技術的に極めて困難で、CNT機能発現の大きな妨げになっていた。

 こうした中、NEDOが取り組む「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト」の技術開発テーマの1つとして、GSIクレオスはCNTの構造を壊さずに凝集塊を良好に「ほぐす」ことにより、次工程でCNTを分散しやすくし、複合材料など工業製品への応用の可能性を大きく広げる技術を開発した。

 GSIクレオスはプロジェクト終了後も、自社独自開発品であるカップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)によりCNTをほぐす技術の改良を続け、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、塗液への分散、さらにほぐしたCSCNTが分散した複合材料の設計・最適化を進め、様々な工業製品への適用を試みてきた。この結果、三菱電機が同技術を活用したCSCNTを使った振動板を新製品の車載用スピーカーに採用したことから、NEDOプロジェクトの成果として製品の実用化と市場展開につながった。このスピーカーは従来製品と比べ高音がクリアで、低音の分解能、ゆがみ感、臨場感などの面でも大きく進歩している。

 

富士通 高熱伝導CNT接着シートを開発、放熱材実用化へ

, , ,

2020年4月24日

 富士通はこのほど、同社グループの研究開発の子会社「富士通研究所」が、最高で100w/mk(ワット/メートル・ケルビン)と極めて高い熱伝導性を持つカーボンナノチューブ(CNT)から構成された接着シートを世界で初めて開発したと発表した。

カーボンナノチューブ接着シート 
カーボンナノチューブ接着シート

 グローバルで実用化が進むEVは、ガソリン車よりも高コストかつ走行距離が十分でないことが普及のネックとなっている。

 EVに装備されているパワーモジュールには、長い航続距離のニーズから消費電力の低減が求められており、近年は、EV向けモジュールの小型化・軽量化・低消費電力化や、低コスト化が実現可能なシリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)をシリコンの代替素材として適用した半導体素子の開発が進む。しかし、モジュール小型化に伴い、放熱材料や接合材料などの部品にもこれまで以上の高温耐性や高熱伝導性が求められている状況だ。

 一方、CNTは、高い熱伝導性を持つため、半導体素子などの熱源から熱を逃がすための放熱材料として活用が期待されているが、形状が崩れやすく扱いが困難なため、実用化には使いやすさの点で課題があった。

 そうした中、同社は、垂直方向に並んだCNTを本来の特徴である高い熱伝導性と柔軟性を損なうことなく、配列を保持したままラミネート加工する技術と、十分な接着性を保持したまま接合する技術により高熱伝導CNT接着シートを開発。インジウムを原料とする放熱材料(インジウムシート)と界面抵抗も含めた実測値により比較した結果、最大で3倍の熱伝導率を確認した。

カーボンナノチューブ接着シート
カーボンナノチューブ接着シート

 また、同シートは、接着層および保護層と一体でラミネート化されているため、容易に裁断加工やハンドリングが可能となるとともに、接着を必要とする用途への展開が可能となる。これらの技術により、EV向けの車載パワーモジュールをはじめとする、CNTの放熱材料としての実用化が可能となる。

 同社は、CNT接着シートの使用を材料メーカーなどへライセンスしていくことで実用化を目指す方針だ。