三菱日立パワーシステムズ 米国でピーク電源用のガスタービンを受注

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2018年12月17日

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)はこのほど、空気冷却方式のG形ガスタービンである出力27万5000kWのM501GAC(G‐series Air‐Cooled)1基を、ピーク電源用として米国中西部の電力会社向けに受注したと発表した。

 また、同社のデジタルソリューションサービスである「MHPS‐TOMONI」も導入することで、より柔軟なピーク電源ソリューションを提供することができるようになる。

 今回、同社が受注したガスタービンは、同社のG形シリーズで培った信頼性の高い実証済みのガスタービン技術を深化させ、出力が不安定な再生可能エネルギーとの共存に向けて起動時間の短縮などを実現させたもの。

 米国の西部や中西部では、風力や太陽光など再生可能エネルギーが爆発的に成長しており、これらの不安定な電力を補完するためのピーク電源の確保が課題となっている。その不安定さを補完するために、10分で急速起動、5万㎾/分の負荷変化率を実現し、NOx(窒素酸化物)排出量を濃度9ppm以下に抑制する。

 同社米国法人の、ポール・ブローニング社長兼CEOは「再生可能エネルギーは単独では不安定で、供給網に必要な持続性や信頼性に足る電力を供給できない。当社の大型ガスタービンは、500万時間以上の運転実績を有しており、こうした持続性や信頼性の高いガスタービンに柔軟性を組み合わせることで、顧客ニーズに応じた多様なエネルギーを供給することができる」と述べている。

 北米を中心に今後、ピーク電源用のガスタービンについても、より大出力の大型ガスタービンの採用が見込まれている。同社は、今回の501GAC形ガスタービンの受注を弾みとして、北米を含めた世界各地で再生可能エネルギー由来の発電と、大型ガスタービンを使った発電の組み合わせによる高効率発電の市場を創造し、その普及に力を注ぎ、電力の安定供給と地球環境負荷の低減に貢献していく。