宇部興産 CNF活用したコンセプトカーを専用道路で撮影

, , , ,

2019年10月24日

 宇部興産は23日、同社が参画してきた環境省のNCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクトによるセルロースナノファイバー(CNF)部品を使用したコンセプトカーが完成し、走行シーンのプロモーションビデオを「宇部興産専用道路」(山口県宇部市~美祢市、全長31・94㎞)で撮影したと発表した。

CNF部品を使用したコンセプトカー(NCVプロジェクト提供)
CNF部品を使用したコンセプトカー(NCVプロジェクト提供)

 同社は、植物由来のCNFとナイロンによる自動車部品に適した複合材料の組成検討や材料の試作・提供を行っている。

 なお、プロモーションビデオは東京モーターショー(東京ビッグサイト:10月24日~11月4日、一般公開は25日より)の環境省ブースで上映されるほか、YouTubeの環境省公式チャンネルでも公開される。

 同プロジェクトは2016年に京都大学、産業環境管理協会など20以上の研究機関、企業などが参加して発足。植物由来の素材であり、鋼鉄の5分の1の軽さで、かつ5倍の強度を持つCNFを活用した材料(複合樹脂など)で自動車を軽量化し、CO2排出量を削減することを目標に推進してきた。

宇部興産専用道路のシーン(NCVプロジェクト提供)
宇部興産専用道路のシーン(NCVプロジェクト提供)

 自動車へのCNFの自動車部品への応用は日本が世界に誇るフラッグシップ技術。この中で宇部興産はナイロンの国内トップメーカーとしての技術と知見を生かし、車両のインテークマニホールドの材料としてCNFとナイロンの複合材料の組成検討と試作・提供を担当した。

 コンセプトカーの走行シーンを撮影した宇部興産専用道路は、「日本一長い私道」として知られるセメント製造設備の一部。映像では、植物由来の材料がふんだんに使われた自動車が緑豊かな風景の中をさっそうと走り抜けるイメージが表現されている。

 宇部興産は、今年度から3カ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げている。今後も同社は、GHG排出量削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大を目指していく考えだ。セルロースナノファイバー

積水化学 独モーターショーでコンセプトカーを初公開

, ,

2019年9月12日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは11日、ドイツで開催される世界最大のモーターショー「IAA2019(フランクフルトモーターショー)」で、同社グループの技術を搭載するコンセプトカーを初めて公開すると発表した。開催期間は12~22日。

フランクフルトモーターショーに出展するコンセプトカー
フランクフルトモーターショーに出展するコンセプトカー

 同社は総合素材メーカーとして、車両・輸送分野についてもさまざまなソリューション提供が可能なことを訴求するため、新製品を含む約40種類の製品を搭載したコンセプトカーを製作。外観からは見えない中間素材が多い中、自動車での使用部位や役割・機能をより分かりやすく理解してもらえるように、設計上の工夫を施した。

 搭載製品として、「合わせガラス用中間膜」「ポリオレフィンフォーム」「カラーカーボン」「放熱グリス」などを採用する。

 合わせガラス用中間膜は、ガラスの貫通・飛散防止や紫外線カットのため、自動車ガラスに使用されるフィルム。同社では基本機能に加え、遮音・遮熱・HUD(ヘッドアップディスプレイ)対応などの高機能を付与した中間膜の開発・販売に注力しており、自動車向け合わせガラス用中間膜全体での世界シェアは約40%とトップを誇る。

 コンセプトカーには、フロントガラス全面に情報を表示できる「自発光機能」をもつ中間膜を採用した。自発光中間膜については、建築向けに2021年度の上市を、自動車向けではフロントガラスやサイドガラスへの採用活動を進め、2020年度の上市を目指す。

自発光中間膜(左上)と光透過性フォーム
自発光中間膜(左上)と光透過性フォーム

 ポリオレフィンフォームは、従来なかった光透過性を付与した開発品を搭載。特にインパネまわりを中心に内装のデザイン性を向上させる素材として、今後は各自動車メーカーに向けて提案を進めていく。

 カラーカーボンは、炭素繊維のテキスタイルに金属をスパッタリングした素材。金属の種類によって様々な色を表現できるため、カラーカーボンを使ってCFRP成型品を生産すると、塗装せずに高いデザイン性を実現できる。コンセプトカーの側面部分などに使用した。

 室温で硬化可能なシリコーン放熱グリスは、電気自動車の動力源として搭載されるバッテリーの熱対策としての提案を進めている。同社グループの放熱材料は、高い熱伝導性に加え、塗布設備に対する耐摩耗性や製品そのものの低アウトガス性能により、各自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーから高い評価を得ている。2020年春~夏ごろに稼働予定のオランダでの工場新設により、世界トップシェアを目指す。

東洋紡グループ クルマの軽量化技術展にコンセプトカーを初出展

,

2019年1月18日

 東洋紡グループは、本日まで東京ビッグサイトで開催している「第9回クルマの軽量化技術展」に出展している。同展示会は「第11回オートモーティブワールド」の構成展の一つで、クルマの軽量化に特化した世界最大級の展示会。

東洋紡ブース
ブースイメージ

 連続6年目となる今回の出展では、「東洋紡グループ〝未来への挑戦〟」をテーマに、自動車関連部材に採用されている機能樹脂製品「グラマイド」「バイロペット」「ペルプレン」など多数展示するとともに、内装・外装に同社の様々な技術を結集した「コンセプトカー」を初めて出展している。

 コンセプトカーでは、軽量化をはじめとする、次世代のクルマの高機能化を提案し、〝快適空間の演出〟をする内装と、〝安心・安全の提供〟をする外装の両立を目指している。

 同社のブース番号は、E70‐98(東7ホール)。午後5時まで開催。