三井化学 マスク用ノーズクランプを増強、コロナ禍対応で

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2020年7月7日

 三井化学は6日、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスク需要が増加していることから、同社100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)にて、マスク用ノーズクランプ「テクノロート」の生産設備増設を決定したと発表した。

ノーズクランプ
ノーズクランプ

 1ライン増設することにより、三井化学グループのマスク用ノーズクランプの生産能力は2.5倍(年産マスク30億枚相当)になる。新設備の建設には先月からすでに着工しており、今年10月の完工を予定。今後もマスク需要動向により、さらなる増設を検討していく考えだ。

 同製品は、針金と同様に自由に折り曲げたりひねったりすることができる、形状保持特性を持つプラスチック線材。マスクの鼻の部分に使用することで、マスクを顔に密着させる効果を付与する。耐薬品性に優れ、重量は針金の約6分の1と軽量。また樹脂製のため、それ自体が金属探知機に反応せず、食品・医療用製品での金属混入の確認が容易といった利点も備える、三井化学の樹脂材料技術と延伸加工技術により実現した素材。

サンレックス工業外観
サンレックス工業外観

 同社は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、今回の「テクノロート」のみならず、マスク用不織布「シンテックスMB」、アイソレーションガウン用不織布「PS‐105‐GW」の供給体制を引き続き強化していく。

 

 

三井化学 メルトブローン不織布強化、増設で1.5倍に

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2020年3月25日

 三井化学は24日、100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)で行っていた、メルトブローン不織布「シンテックスMB」製造設備の増設が完了し、今年1月に営業運転を開始したと発表した。

不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観
不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観

 三井化学は、産業材向け不織布需要の拡大に対応するためにラインの増設を決め、2018年8月に着工、昨年6月に完工した。1ラインの増設により、同製品の生産能力は1.5倍に拡大した。

 同社は、不織布事業を成長分野と位置づけ、自動車用シート「タフネル」、マスク・農業用シート「シンテックス」などの産業材向けに高品質な不織布を供給している。特に、メルトブローン不織布でピーク繊維径が数百ナノメートルの極細繊維銘柄「nano」では、フィルター用途を中心に製品展開を行う。

メルトブローン不織布
メルトブローン不織布

 今回の増設を機に、不織布事業のさらなる強化・拡大を図っていく考えだ。

三井化学 高機能不織布の増設設備を名古屋と四日市で稼働

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2018年10月17日

 三井化学は16日、紙おむつ市場の需要拡大に対応するため進めていた2拠点での高機能不織布の増設設備で、今月から営業運転を開始したと発表した。

 稼働が始まったのは、同社名古屋工場と、100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)の設備。

 名古屋工場で増設した高機能不織布は、柔軟性の高い不織布で、増設能力は1万5000t/年。一方、サンレックス工業では、柔軟性と伸縮機能に優れた不織布を生産し、6000t/年の増設となった。

 いずれも従来のスパンボンド製造技術に三井化学独自の技術を加えた改良プロセスを採用したもの。今回の稼働で、不織布の生産能力は、海外を合わせ10万3000 t/年となった。

 増設により高機能不織布の供給体制がよりいっそう拡充されたのに伴い、プレミアム紙おむつのさらなる高品質化と幅広い用途展開を推進していく。

 同社は長期経営計画に基づき、ヘルスケア事業をモビリティ、フード&パッケージングとともにターゲット事業領域の1つとして位置付けている。

 その中で、ヘルスケア事業の1つである不織布事業については、紙おむつメーカーのアジア展開に対応して、日本とアジアへ高機能不織布を供給している。

 アジアの紙おむつ市場では、紙おむつ普及率の向上や中国の一人っ子政策の緩和などにより、堅調に需要が拡大。また昨今、特に高品質なプレミアム紙おむつ市場が急成長しており、紙おむつメーカー各社は増産体制を強化している。

 三井化学は、今後もユーザーへの安定供給を果たしていくとともに、多様化するニーズに的確に対応し、同社技術を駆使した新たな高機能不織布の開発を進めていく考えだ