BASFとシノペック 中国南京市の合弁生産拠点を拡大

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2021年8月31日

 BASFとシノペック(中国石油化工集団)はこのほど、合弁会社BASF-YPCの中国・南京市の統合生産拠点の生産能力をさらに拡大すると発表した。

 成長する中国市場に対応して、プロピオン酸、プロピオンアルデヒド、エチレンアミン、エタノールアミン、精製エチレンオキシドの生産能力を拡大する。また、ドイツ国外初となるアクリル酸tert-ブチル工場を建設し、2023年の始動を予定している。

 これらの製品は、農業、建設、エレクトロニクス、製薬、衛生、自動車、化学など様々な業界で需要が急速に拡大している。BASF-YPCは両社の出資比率50:50の合弁会社で、2000年に総投資額約55億米ドルで設立。中国市場向けに年間約300万tの化学品やポリマーを生産し、昨年の売上高は約157億人民元(約2600億円)だった。

 今回の投資は、両社が2018年に長期的なパートナーシップのさらなる強化のための覚書に調印して以来の大きな前進で、最先端の技術を導入し、同拠点の強みを最大限に生かす考えだ。製品と副産物、エネルギーを最も効率的に使用し、コストを節約し、環境への影響を最小限に抑えるための相互連携をとっている。

 

BASF 中国での協業拡大へシノペックと覚書に署名

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2018年11月13日

 ドイツの大手化学メーカーBASFはこのほど、中国最大のエネルギー・化学製品会社の1つであるシノペックと、中国で上流・下流の化学品生産のパートナーシップをさらに強化するため、北京で覚書(MoU)に署名したと発表した。

 両社は新たにスチームクラッカーを建設し、両社の出資比率が対等の合弁企業であるBASF-YPC Company(BASF-YPC)の拡大を目指す。共同での実施可能性調査は、年末までに完了する見込み。また、両社は急速に成長している中国の電池材料市場で、新たなビジネスチャンスを共同で検討する。

 MoUによると、BASF-YPCが50%、残りの50%をシノペック揚子石化(YPC)が出資し、年産100万tのエチレン生産能力をもつ第2のスチームクラッカーを建設する。BASF-YPCとYPCの両社は、下流の製品ポートフォリオ開発に向けて、新しいスチームクラッカーの全ての製品を利用することができる。

 さらに、このスチームクラッカーから提供される基礎化学品により、BASFとシノペックは、合弁事業であるBASF-YPCの南京フェアブントサイト(統合生産拠点)の生産能力を拡大することができる。フェアブントサイトでは工場が相互に連結されており、製品・副産物・エネルギーの効率的な利用により、コスト削減と環境負荷の最小化を図っている。

 中国では、特に自動車産業での代替エネルギーの重要性の高まりにより、さまざまな用途に向けた、革新的な電池材料に対する需要が急増している。このため、両社は電池材料分野での新たなビジネスチャンスを共同で模索していく。

JXTGエネルギー シノペックと水素事業で協業検討の覚書

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2018年10月29日

 JXTGエネルギーは26日、中国石油化工集団(シノペック)との間で、水素事業での協業検討に関する覚書を締結し、同日開催された「日中第3国市場協力フォーラム」で同覚書の交換式を行ったと発表した。

 JXTGエネルギーは、2014年12月に、燃料電池車(FCV)向けに水素を供給する商用水素ステーションを神奈川県に開所した。以来、4大都市圏を中心に40カ所の「ENEOS水素ステーション」を運営し、水素社会の実現に向けて注力している。

 一方、中国では、温室効果ガス削減の観点から、次世代自動車(EV・PHV・FCV)へのシフトを強化している。両社はこれまで、中国での潤滑油事業をはじめ、さまざまな分野で協力関係を築いてきた。

 こうした中、両社は温室効果ガスの削減に向けた、新たなエネルギー源として注目される水素の普及拡大を目指し、水素事業を中国国内と第3国で展開する機会を共同で創出するため、検討を進めることにした。

 JXTGエネルギーは今後も引き続き、自動車用燃料供給に関わるインフラやノウハウを活用し、効率的な水素サプライチェーンを構築するとともに、水素社会の実現に貢献していく考えだ。