帝人フロンティア スポーツ・アウトドア衣料向け織物を開発

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2019年11月28日

 帝人フロンティアはこのほど、スポーツ・アウトドア衣料向け織物「シャドウリップ」を開発したと発表した。軽量性と高い引き裂き強度をもちながら、凹凸がないフラットな外観とソフトな風合いを併せもつ。摩耗や引っ掛かりに対する耐久性にも優れ、環境にも配慮している。2021年春夏のスポーツ・アウトドア衣料に向けた重点プロモート素材と位置づけ、用途を限らず幅広く展開し、積極的に拡販を図る。

 スポーツアパレル市場では、スポーツ・アウトドアとライフスタイルが融合したファッションスタイルが拡大しており、これに伴い、優れた機能性だけでなく、新しい外観や質感を併せもつ商品に対するニーズが高まっている。

 スポーツ・アウトドア衣料で、軽量で引き裂き強度に優れた素材としては、通常、強度をもたせるために太い糸を格子状に配列する織り組織から成る、リップストップ生地が使われている。

 しかし、この生地には外観に格子柄の凹凸があり、風合いが硬めであるとともに、凸部分の摩耗や引っ掛かりがあるという改善点がある。また、リップストップ生地では、性能や外観・風合いなどで斬新な差別化を図ることが難しいため、新たな織物設計に対するニーズが高まっていた。

 こうした中、同社は高強力ポリエステルの細いタイプの糸を使用し、これを適正な配列と織り密度により設計することで、「シャドウリップ」を開発した。

 糸の太さを均一にすることで、フラットな外観とソフトな風合いを表現。細く製糸した原糸の使用で軽量性を、高強度ポリエステル素材「パズモ」使用により優れた引き裂き強度を、凹凸のないフラットな表面により優れた耐摩耗性・抗スナッギング性を実現した。

 また、構成する糸の配列変化や機能糸との交織による多様な生地設計と、再生ポリエステルとの交織による環境に配慮した生地設計により、多様性と環境対応も付与している。

 今後、スポーツ・アウトドア衣料以外に、ファッション衣料、学生服・ユニフォームなどの機能衣料向けにも幅広く用途展開することで、初年度の2020年度に10万m、3年後の2022年度には40万mの販売を目指している。