コベストロ 社内アイデアから新規事業、最終選考に6件

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2019年7月9日

 コベストロが社内のアイデアから新規事業を創出する、2019年「スタートアップ・チャレンジ」が佳境を迎えている。

 グローバルで募集した新規事業のアイデアの上位6件が選ばれ、各チームは最終選考に向けて準備を進めている。6チームのアイデアは、サーキュラー・エコノミーのさらなる発展と強化にポイントを置く。

 事業アイデアの1つに、プラスチック廃棄物を利用して発電するものがある。これは、海洋プラスチック汚染対策であると同時に、発展途上国の多くの人々が電力を利用できるようにするアイデアだ。また、清潔な飲料水と安全な衛生施設を提供する、持続可能な方法についての研究もある。この研究では、革新的なポリウレタン技術を使い、水汚染を防止することが考えられている。

 その他のアイデアは、リサイクル可能な輸送用梱包材、CO2を主成分とすることでより分解しやすく、より持続可能な洗浄剤など、資源効率をテーマとして扱っている。

 優勝者は10月にデュッセルドルフで開催される「K2019(国際プラスチック・ゴム産業展)」で選出される予定。優勝チームには最長1年間の専念期間が与えられ、社内ベンチャーを立ち上げるための開業資金として、最高100万ユーロが支給される。

 第1回の優勝チームは、アイデアを実現するために必要な体制とリソースをすでに確保している。この「ゴー・クリア」プロジェクトは、塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業の研究部門とは切り離された社内ベンチャー。

 その目的は、清潔で安全、効率性の高い自動車用塗装の新技術を開発し、関連するプロセスの時間を短縮することで、塗装工場での時間と費用を削減すること。現在は技術開発段階で、目的達成に向け様々な原料と生産工程の試験を行っている。年末にはパイロットカスタマーによる技術試験を実施する予定だ。

 コベストロはスタートアップ・チャレンジを通じて、約1万7000人の社員の創造性を高め、起業家精神の向上と、素晴らしい事業アイデアを発掘することを目指している。