新日本理化 ステアリン酸など値上げ、動物系原料が高騰

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2022年6月2日

 新日本理化は1日、主に動物油脂を原料とするステアリン酸製品全般とオレイルアルコール「アンジェコール」製品全般を6月15日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、ステアリン酸シリーズ全般が「150円/kg以上」(包材品:170円/kg以上)、「アンジェコール」シリーズ全般が「300円/kg以上」(包材品:320円/kg以上)。

 同社は原料高騰を背景に、ステアリン酸は昨秋に「50円/kg以上」、今年に入り「100円/kg以上」の値上げを行い、オレイルアルコールについても「200円/kg以上」の価格改定を行ってきた。しかしその後も、世界的な環境意識の高まりによるバイマス燃料やSAF(持続可能な航空燃料)などの需要増は加速しており、対象製品の主原料である牛脂や豚脂といった国内油脂の調達が困難を極めている。ステアリン酸の原料油脂は国内調達の改善が見通せないことから、海外品比率を大幅に増やし供給を維持しているが、割高の海外原料に加え、円安や物流コスト増も重なり同社の収益を大きく圧迫。オレイルアルコールの原料も同様な要因で、特に動物系原料の安定調達が困難な状況にある。

 こうした環境下、同社はコスト上昇分を自助努力のみで吸収する余力はすでにないとし、安定供給維持と事業継続のため値上げに踏み切った。