帝人フロンティア 形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維を開発

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2018年11月15日

 帝人フロンティアはこのほど、嵩高・軽量性と優れたストレッチ性、形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維「ソロテックス・オクタ」を開発した。

「ソロテックス・オクタ」短繊維
「ソロテックス・オクタ」短繊維

 近年、羽毛の代替として合繊綿(短繊維)に対するニーズが高まっており、嵩高・軽量性と圧縮した後の形態回復性に優れた合繊素材が求められている。

 一方、合繊糸(長繊維)に対しては、長年にわたり嵩高・軽量でストレッチ性に優れた素材が求められてきたが、中空などの異型断面形状により得られる嵩高・軽量性とストレッチ性とを両立させることは困難だった。

 こうした中、同社は、ストレッチ性や形態回復性、クッション性などの特性を有するプロモーション素材「ソロテックス」を、中空構造の8フィン型断面とし、さらに繊維に捲縮性を持たせることにより、嵩高・軽量性とより一層のストレッチ性、形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維ソロテックス・オクタの開発に成功した。

 ソロテックスが持つ特性に加え、①嵩高性と軽量性、ストレッチ性と形態回復性②短繊維でのストレッチ性、形態回復性、クッション性③テキスタイルでの吸汗速乾性、防透性、遮熱・断熱性、などの特性を持つ。

 今後、同社は、同製品を次世代高機能素材と位置付け、短繊維については羽毛代替用の中綿・構造体を中心に展開し、不織布や他の繊維と組み合わせた構造体などに向けた繊維材料として幅広く展開していく。

 一方、長繊維はスポーツ・ファッションなどの衣料用テキスタイルを中心に展開し、仮撚加工や混繊加工、精紡交撚といった他素材との複合加工などにより、衣料から資材までさまざまな分野での展開を図る。

 同社は、今年度からテスト販売を開始し、2022年度には短繊維で400t、長繊維はテキスタイルとして100万mの販売を目指す。