帝人フロンティア 高級シルクウール調ポリエステル素材を開発

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2018年9月18日

 帝人フロンティアはこのほど、シルクウールの風合いと外観を兼ね備えた高級シルクウール調ポリエステル素材「ソロテックス ミナージュ」を開発したと発表した。今年度から販売を開始し、高級ファッション向けを中心に幅広く展開する。

 シルクウールの質感と外観を再現するため、ストレート形状のポリエステル長繊維を独自の高次糸加工技術で異位相太細構造とし、「ソロテックス」とブレンドさせて高次染色後加工を行った。

 これにより、天然素材に近い緻密な斑のある染着に加えて、これまでのウール調素材に見られるカサつき感を抑え、ウール独特の反発性としなやかさの発現を可能とし、シルクウールのような風合いと外観を併せ持つ素材を実現した。

 形態回復性やクッション性などの特徴を持つソロテックスを使用しているため、天然素材では実現が困難なウォッシャブルや防シワなどのイージーケアを可能とし、加工により撥水や防汚などの機能を容易に付与することができる。このため、幅広いファッションアイテムへの採用が期待できる。

 合繊素材による天然素材の再現は、これまでもさまざまに行われており、ウール調やシルク調などの合繊素材が開発されてきた。1950年代に流通し始めたシルクとウールのハイブリッド素材であるシルクウールは、ふくらみやしなやかさ、ソフト性、ミックス感のある杢外観、発色性など、合繊素材では同時に再現することが難しい特性を兼ね備えており、合繊素材でそれを実現することはできなかった。

 こうした中、同社は独自の糸加工技術を基盤として、糸構造や染色加工の最適化を図ることで、同製品を開発した。

 今後は高い審美性を持つ快適ファッション素材として販売を開始し、中肉素材を中心に高級ファッション向けのジャケットやアウター、ボトム用途に積極的に提案。これにより、今年度に1万m/年、来年度に5万m/年、再来年度には10万m/年の販売を目指す。