ランクセス 持続可能原材料使用のPA6コンパウンド

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2021年12月6日

 ランクセスはこのほど、原料の92%が循環型・バイオ原料であるポリアミド6(PA6)コンパウンド製品「デュレタン ブルーBKV60H2.0EF」の提供を開始した。

 原料のシクロヘキサンにはバイオベースまたはリサイクルバイオベース、ケミカルリサイクル(CR)で製造したものを使用し、産業用ガラス廃棄物を再利用したガラス繊維を60重量%含有している。

 前駆体に使用する代替原料は、化石由来原料の同等物(ドロップインソリューション)と化学的に同一で同じ特性を示すため、従来の化石燃料ベースの同等品「デュレタン ブルーBKV60H2.0EF」と同様に自動車用のフロントエンド、ブレーキペダル、オイルパンなどに使用でき、従来同様の製造ツールと設備で加工できる。

 今回の新製品は、同社が循環型・バイオ原料への転換を進める新ブランド「スコープブルー」の最初の製品となる。同ブランドは、50%以上がリサイクルまたはバイオベースの循環型原料からなり、カーボンフットプリントが従来製品より50%以上削減された製品であることを示している。

 原料の生産はISCC(国際持続可能性カーボン認証)Plus認証を受けており、同社生産拠点だけでなくサプライヤーから生産されたすべての前駆体にも適用される。同認証で導入されたマスバランス法により、最終製品中の持続可能物原材料の量が決定でき、含有量の透明性担保と追跡が可能になった。

 この計算により、再生ガラス繊維を重量比で30%、35%、60%含有するPA6コンパウンド「デュレタンECOBKV30H2.0」「同35」「同60」を発表。また、同繊維を30%含有したポリブチレンテレフタレート(PBT)コンパウンド「ポカンECOB3235」と難燃性「ポカンECOB4239」の発売も予定している。

 今後、持続可能原料の含有量を100%にするために、カーボンニュートラルな水素で合成したアンモニアが必要になる。また中期的には、使用する添加剤を持続可能な同等品に置き換えることも計画している。