ダウ バイオPE使用のストレッチフィルムをアジア展開

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2020年7月30日

 ダウはこのほど、マレーシアの包装材メーカーであるトン・グアンと、植物由来ポリエチレン(PE)製品をアジア太平洋地域に導入したと発表した。同地域での再生可能原料由来プラスチック製品の商品化では画期的な事例となり、バリューチェーンを通しCO2排出量削減に貢献することが期待される。

 トン・グアンの新しいストレッチフィルム「ナノ・バイオ」は、ダウの直鎖状低密度PEである「ELITE5230GC R」エンハンスドPE樹脂を使用。この植物由来PE樹脂は、紙パルプの副産物であるトールオイルからのバイオナフサを使って生産されており、一般的な化石由来のPE樹脂と比較してCO2排出量を大幅に削減できる。

 さらに、マス・バランスアプローチをベースとするISCC認証を取得。このアプローチにより、各産業の複雑な製造または生産システム内でのサステナブルな原料調達を支援することで、すべての工程でトレーサビリティ基準が満たされ、各産業の持続可能性に貢献する。

 ダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスティック事業部アジア太平洋コマーシャルバイスプレジデントであるバンバン・キャンドラ氏は、「再生可能原料である植物由来のPE樹脂をアジア太平洋地域に導入することは、サステナビリティ目標を達成する上で重要な一歩だ」と述べている。

 一方、「ナノ・バイオ」は、薄肉化、柔軟性や耐久性の向上を実現する最先端のナノテクノロジーにより生産される。この環境に優しい高性能なストレッチフィルムは、物流用のパレット貨物を安定させ、輸送時の損傷や事故の発生の低減に貢献する。

 トン・グアン・インダストリーズのマネージングディレクターであるダトアング・プーン・チュアン氏は「ダウとの継続的なコラボレーションは、再生可能製品の提供とサステナビリティ推進への私たちの決意を示すものだ。ダウの植物由来のPE樹脂を使用することで、既存製品と同等の高性能を保ちながら化石燃料由来のPE樹脂の使用を削減し、顧客のビジネスとサステナビリティ面でのニーズを満たす」と述べている。