富士フイルム 肌弾力改善の新成分をナノ乳化で高浸透化

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2020年7月14日

 富士フイルムはこのほど、肌の弾力性に影響する立毛筋の機能向上成分として、黒胡椒由来の血行促進成分「テトラヒドロピペリン」をナノ乳化した「ナノテトラヒドロピペリン」を開発したと発表した。

 毛穴のゆるみや肌のたるみについて、毛穴の収縮を担う立毛筋の機能低下のメカニズムや肌の弾力性への寄与に着目。組織透明化技術によりヒト立毛筋の3次元可視化に成功した。

 立毛筋は毛根に絡まり、かつ表皮・真皮境界の基底膜まで伸びており、毛穴とともに肌組織全体にも関わることを示唆。ヒト立毛筋中の老化マーカータンパク質「プレラミン」の染色観察により、加齢とともに立毛筋が老化することを確認した。立毛筋を構成する平滑筋細胞をコラーゲンゲル内で培養し観察した結果、年齢が高いほどコラーゲンの収縮が低下(肌弾力が低下)することが分かった。筋力低下のマーカー、細胞骨格タンパク質「αSMA」の蓄積も見られた。

 さらに、黒胡椒由来の血行促進成分「テトラヒドロピペリン」によりαSMAの蓄積が改善することを発見。油溶性の「テトラヒドロピペリン」を立毛筋に効率的に届けるために、皮脂となじみのよい「イソノナン酸イソノニル」と組み合わせてナノ乳化することで、浸透性は従来のオイル乳化物の約1.4倍に向上し、実際の皮膚への浸透性も確認した。

 今後、今回開発したナノ乳化物「ナノテトラヒドロピペリン」を、毛穴が目立たないハリのある肌へ導く機能性化粧品に応用していく予定だ。