昭和電工 ハードディスク用アルミニウム基板、能力増強を決定

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2021年1月13日

 昭和電工は12日、連結子会社である昭和電工HD山形(SHDY)に、ハードディスク(HD)メディア用のアルミニウム基板生産設備を増強すると発表した。HD事業強化のため、供給能力を拡大するとともに、サプライチェーンの分散・強化を図る。今年2月に着工し、2022年初頭の量産開始を予定しており、同社グループの生産能力は現状から3割向上する見込みだ。なお、今回の施策は、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の対象事業として採択された。

 5Gのサービス開始、IoTの普及やテレワークの浸透、デジタルトランスフォーメーションの進展・拡大などにより、データ通信量は今後とも飛躍的に増大することが想定されている。それに伴いデータセンター向けハードディスクドライブ(HDD)の需要が大きく拡大しているが、HDDのキーパーツであるHDメディアに使用するアルミニウム基板は、需要拡大に応じた安定的な供給能力確保が課題となっている。

 また、昭和電工は現在、アルミニウム基板をマレーシア、台湾、国内の3カ所で生産しているが、その供給能力の多くがマレーシアに集中しているため、世界的な新型コロナウイルス感染拡大などに対して、より安定したサプライチェーンを確保する必要がある。

 こうした中、同社は、これらの課題解決のため、国内拠点のSHDYにアルミニウム基板の設備を増強し、供給能力拡大とさらなるサプライチェーンの分散・強化を図ることを決定した。

 同社は、世界最大のHDメディア外販メーカーであることから、今後も〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入して、拡大・進化を続けるデジタル化社会を支えるとともに事業拡大に努めていく。