東ソー 米センバ社を完全子会社化、バイオ事業を強化

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2021年10月28日

 東ソーは27日、バイオサイエンス事業の強化・拡大の一環として、米国センバ・バイオサイエンシズ(センバ社)の株式を追加で取得し完全子会社としたと発表した。これに伴い、社名をトーソー・バイオサイエンス・ウィスコンシンに変更している。

 なお、今回の完全子会社化は米国子会社トーソー・バイオサイエンス社(ペンシルベニア州)を通じて行われた。バイオ医薬品の市場は、抗体医薬品、遺伝子治療薬、コロナワクチンなどの需要増大を背景に、今後も高い成長が見込まれている。

 バイオ医薬品の製造では液体クロマトグラフィー技術が一般的に利用されているが、従来のバッチ方式と比べて需要変動に対する柔軟性に優れ、かつ医薬品製造コストの低減に有効な新手法として連続クロマトグラフィー方式が注目されている。

 センバ社は、2009年に世界初の卓上タイプの連続クロマトグラフィー装置「Octave」を上市した、クロマトグラフィー装置の製造・販売会社。東ソーは2018年にセンバ社へ出資し、医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)に準拠した連続クロマトグラフィー装置「ProGMP」の開発など、ラインアップ拡充を協同で進めてきた。

 センバ社を完全子会社化にすることでより緊密な一体運営を行い、連続クロマトグラフィー事業のさらなる拡大を狙うと共に、液体クロマトグラフィー用分離剤「トヨパール」およびカラム「SkillPak」事業とのシナジー創出を推進していく。急拡大が進むバイオ医薬品市場に先進的な製品を提供するため、今後も分離精製事業のグローバルな基盤強化を積極的に進めて行く計画だ。

 東ソーは、今後も既存事業の強化や周辺・新規領域への展開を通して、バイオ医薬品精製のトータル・ソリューション・プロバイダーを目指していく。

東ソー 米ベンチャーに出資しバイオサイエンス事業を強化

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2019年1月11日

 東ソーは10日、米国のバイオベンチャー企業「10 Biosciences(Semba)社」(ウィスコンシン州)の増資を引き受け、同社へ出資したと発表した。バイオサイエンス事業の強化・拡大の一環。これにより、東ソー・グループのSemba社への出資比率は33.3%(完全希薄化後ベース)になる。なお、この出資は同社100%出資の米国子会社Tosoh Bioscience 社(ペンシルベニア州)を通じて実施した。

 Semba社は2005年の設立。2009年に世界初の卓上タイプの連続クロマトグラフィー装置Octaveを上市した。最近ではバイオ医薬品の開発用連続クロマトグラフィー装置ProPDを市場投入し、製造用連続クロマトグラフィー装置ProGMPの製品化を進めている。

 東ソーは今回の出資により、Semba社との連携を強化し、液体クロマトグラフィー用分離剤(トヨパール)事業とのシナジー効果を狙う。さらに、今後も周辺分野へ展開することで、バイオ医薬品精製のトータル・ソリューション・プロバイダーを目指す。

 市場の成長著しいバイオ医薬品の製造では、精製工程でバッチ方式による生産が主流となっているが、需要変動に対する柔軟性や生産性に優れたプロセスの構築が課題となっている。その解決策として注目されている技術の一つが、従来方式と比べて高生産性で低コストといった特長を持つ連続クロマトグラフィー方式である。 また、医薬品製造の連続プロセス化を米国食品医薬品局(FDA)がメーカーに推奨していることから、今後、従来方式に代わり、主要な技術・市場に成長することが見込まれている。

 なお、連続クロマトグラフィーとは、複数のカラムを組み合わせ、試料・溶離液・洗浄液等の流れをバルブ操作で自動制御することにより、吸着・溶出・カラム洗浄などのプロセスを、並行して連続的に行う液体クロマトグラフィー手法のこと。