JXTGエネルギー 国内最大の室蘭バイオマス発電所が運転を開始

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2020年6月12日

 JXTGエネルギーはこのほど、出資するENEOSバイオマスパワー室蘭合同会社が、国内最大規模のバイオマス発電所の商業運転を開始したと発表した。

 バイオマス発電とは、動植物から生み出され、エネルギー源として利用できる生物資源(バイオマス)を燃焼またはガス化することで発電するもの。有機物を燃焼するとCO2を排出するが、燃料となるパームヤシは、光合成により空中のCO2を取り込んで成長するため、大気中のCO2の増加にはつながらない、カーボニュートラルとされている。また、再生可能エネルギーの中でも、燃焼灰を有効利用できることからリサイクルに繋がる発電方法として注目されている。

 同社は、メガソーラー(18カ所、約4.6万kW)や風力(2カ所、約0.4万kW)といった再生可能エネルギー発電事業を全国で展開しているが、バイオマス発電についても再エネ電源の中で供給安定性に優れていることから開発を推進。

 今回商業運転を開始した同発電所は、同社が主体となり運営する初めてのバイオマス発電所となる。木質バイオマスのみを燃料とする発電所としては国内最大規模であり、環境保全に十分に配慮した高効率な運転が可能。

 発電した電気は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し、売電する。また、室蘭市より要請を受け、日没から24時までの間、発電所のライトアップを行い、地域社会の発展・活性化に協力していく。

 同社は今後も、発電事業を通じてエネルギーの安定供給に取り組むとともに、環境配慮型のエネルギー供給を積極的に推進し、低炭素・循環型社会への形成に貢献していく考えだ。

室蘭バイオマス発電所発電設備
室蘭バイオマス発電所発電設備

出光興産 徳山事業所でバイオマス発電の事業化を検討

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2018年10月30日

 出光興産は29日、徳山事業所(山口県周南市)でバイオマス発電所の事業化検討を開始したと発表した。製油所跡地と既存の地域インフラを利用する。

 営業運転開始は2022年度内の予定。発電出力は5万kW。年間発電規模は約10万世帯分の電力に相当する3億6000万kWh。燃料使用量は年約23万t。

 発電出力が大きいことから、営業運転開始後は燃料として再生可能エネルギーである、輸入木質ペレットとパーム椰子殻を使用する。中長期的には間伐材や製材端材など、国産材へのシフトを進める予定だ。

 これにより、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業再生、地域振興、循環型経済の構築と発展を目指す。CO2削減量は約23∼30万t/年を見込んでいる。

 徳山事業所は1957年に出光初の製油所として操業を開始。57年後の2014年3月に、エネルギー供給構造高度化法に伴い運転を停止し、現在は化学事業の主力拠点として、競争力強化に向けた取り組みを実施している。

 同社ではエネルギーを取り巻く環境変化を踏まえ、エネルギー源の多様化とベストミックスの構築により、日本のエネルギーセキュリティへの貢献と、再生可能エネルギー事業を推進していく。