BASF 洋上風力発電利用で380万tのCO2削減

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2021年6月29日

 BASFはこのほど、世界有数の再生可能エネルギー企業RWE(ドイツ・エッセン)とともに持続可能な工業生産のためのプロジェクト案を発表した。

 両社は再生可能電力の発電施設の増設と、気候保護に向けた革新的技術の利用について広範な協力を進める。発電容量2GWの洋上風力発電施設を追加建設し、グリーン電力をBASFの本社工場に供給し、CO2フリーの水素製造と基礎化学品生産の電化を目指す。電気加熱式スチームクラッカーなどのCO2フリー技術は、すでにパートナー企業と協力して開発を進めている。これにより年間のCO2排出削減量は約380万tとなり、そのうちの280万tは同工場で実現される見込みだ。

 BASFは、気候保護と競争力の維持を両立するための、明確なロードマップだとしている。なお、風力発電施設建造への公的補助金の利用は予定していない。この計画実現には適切な規制の枠組みが必要だとし、2030年以降の使用を想定した洋上発電プロジェクト用地の入札は、産業界のエネルギー転換のための重要な入札として特別指定し、さらにグリーン電力は再生可能エネルギー法の賦課金の対象とされるべきではないと主張している。なお現時点、CO2フリーの水素生産についての規制の枠組みは定められていない。

 将来に向けた変革には、再生可能エネルギー源からの安価で十分な量の電力が必須で、政策当局と業界の間で革新的な協力体制を敷き集中的に取り組み、バリューチェーン全体での協力が必要だとしている。電力業界と化学業界をリードする両社は、このパートナーシップにより変革に求められる各種条件をまとめ、各当事者の意思を結集する考えだ。また、気候中立的な工業生産はドイツでの付加価値と雇用を維持し、新技術の輸出機会を創出していくとしている。