BASF 高純度PESUを英の水処理装置会社が採用

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2019年7月8日

 BASFはこのほど、「ウルトラゾーンE6020P」が、英国ロンドンの水処理装置メーカーのペンテェア社に採用されたと発表した。

 ペンテェア社は同製品を使用して、病院や保健所、ホテルなどの公共施設向けのろ過システム用クロスフロー膜を製造する。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような、UF(限外ろ過)膜に一般的に使用される他の材料とは対照的に、「ウルトラゾーンE6020P」は、高流量と狭い孔径分布を持つ。

 これにより、UF膜は飲料水の基準に合わせ、寄生虫・細菌・ウィルスまで確実に除去するため、ろ過後に飲料水をさらに過塩素化する必要がなく、深刻な健康問題につながる、水道管内のレジオネラ菌やシュードモナス菌などの病原性水系細菌の汚染を防ぐ。

 「ウルトラゾーンE(ポリエーテルスルホン=PESU)」は、ゲルとオリゴマーの含有量が少ない、安定的な膜製造プロセスを確実にする高純度材料。

 酸や次亜塩素酸ナトリウム、カセイソーダなどに対する耐薬品性に優れているため、汚れにくく洗浄も容易だ。繊細な細孔構造を損なうことなく、過熱蒸気(134℃)、エチレンオキシド、ガンマ線による反復滅菌ができる。劣化することなく、広いpH範囲(0~13)で使用できる。

 米国食品医薬品局(FDA)と欧州の反復使用時の食品接触に関する基準に準拠しており、飲料水向けだけでなく、食品加工用途にも使用可能。幅広い用途に向けて、「E6020P」のほか、「E2020P」「E7020P」などのラインアップを揃えている。

 ペンテェア社は「E6020P」だけでなく、上流から下流までの給水ライン全体、特に公共施設の配水システムに使用されている原水膜や、病院の感染対策用の特定用途向けのフィルターなど、幅広いクロスフロー水処理にBASFの「ウルトラゾーンE」を採用している。