帝人フロンティア ポリエステル立体成型吸音材が新型FCVに採用

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2021年3月19日

 帝人フロンティアは18日、同社が開発したポリエステル立体成型吸音材が、トヨタ自動車の燃料電池自動車(FCV)・新型「MIRAI」(昨年12月発売)の燃料電池(FC)システムに採用されたと発表した。

ポリエステル立体成型吸音材の外観
ポリエステル立体成型吸音材の外観

 FCシステムは、高圧水素タンクから供給される水素と空気中から吸い込んだ酸素を、発電部位のFCスタックで化学反応させることにより電気と水を発生させるもの。立体成型吸音材は、その反応時に発生する水をFCスタックや排水管内からダクトを通じて車外に排出する際に、水が通過するノイズを低減するために使用される。

トヨタ新型FCV『MIRAI』の内部構造イメージ図
トヨタ新型FCV「MIRAI」の内部構造イメージ図

 今回新型「MIRAI」に採用されたポリエステル立体成型吸音材は、要求性能を実現するために、原料繊維のタイプや不織布の仕様、積層構造の検討などを重ねて開発。特殊成型設備に適合した金型を製作するとともに、内部まで均等に熱浸透させることで高精度な成型を可能にする特殊工法により、複雑なFC部品の形状に隙間なく充填し吸音性能を発揮する。

 帝人フロンティアは、戦略領域であるモビリティ用途に向けてさらに展開を強化し、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提供を通じて、「未来の社会を支える会社」を目指していく考えだ。