セブン&アイ 石灰石原料の新素材、資源循環モデル開始

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2020年6月17日

 セブン&アイ・フードシステムズ、TBM、リコージャパンはこのほど、石灰石を主原料とする新素材「LIMEX(ライメックス)」のシートで作成したメニューを使用後に回収し、トレーに再生利用する資源循環(アップサイクル)スキームを構築したと発表した。

 近年、EUや中国をはじめ多くの地域・国々では、経済政策としてサーキュラー・エコノミー(循環経済)を取り入れており、日本でも循環型社会を目指す方針を掲げるなど、資源循環に向けた体制整備が進むことが予測されている。

 TBMが開発した「LIMEX」(炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む無機フィラー分散系複合材料)は、原料に水や木材パルプを使用せず、紙や石油由来原料の使用量を抑えてシートやペレットを製造することが可能。紙やプラスチックの代替となる新素材として注目され、多くの企業で導入が進んでいる。

 今回、3社が連携し、これまで検討を進めてきた「LIMEX」の資源循環スキームを共同で構築することで、サーキュラー・エコノミーの推進に貢献する。具体的には、セブン&アイが運営するカフェ業態「麴町珈琲」で使用された「LIMEX」製のメニューを回収、ペレット化した素材などを用いてドリンクバー用のトレーに再製品化しデニーズ店舗で使用する。メニュー表はリコー製カラープロダクションプリンターで印刷を行う。セブン&アイは、「LIMEX」製品の導入店舗を拡大するとともに使用の拡大を進めていく。

 3社は、この取り組みを通じて、限りある水資源の有効活用、石油依存の低減、新たな循環型システムの構築などを図り、持続可能な社会の実現につなげていく考えだ。