東レ 三島工場のフィルム開発専用機が本格稼働を開始

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2021年6月16日

 東レはこのほど、高度化・多様化するフィルム市場のニーズに対応した高機能フィルムの開発力を強化するため、三島工場に独自のフィルム開発専用機を導入し、本格稼働を開始したと発表した。

 開発専用機は、東レの強みである高精度ナノ積層、「ナノアロイ」、高機能ナノコーティングなどの要素技術や多様なフィルム設計技術を適用することで、幅広いフィルム開発への対応を実現。また、実生産機に近いマシンサイズとクリーンルーム環境を兼ね備えた設計としている。

 これまでの量産機による開発では、設備の稼働状況や仕様によって試作タイミングや適用可能な技術に制約があり、開発サンプルの提供に時間を要することがあったが、開発専用機を活用することにより、研究レベルの小型パイロット機での、新技術・新製品コンセプトの創出から量産レベルの生産技術確立までの開発期間を大幅に短縮することが可能となる。

 同社は、今回の開発専用機導入により、電子デバイスやディスプレイ向けの高品位・高精細化を追求した新フィルムの開発に加え、今後の成長が期待される自動車、エネルギー、環境・ライフイノベーション分野に向けて革新的な新技術・新製品の開発を加速する。そして市場ニーズを先取りした提案を積極的に進めることで、高付加価値市場でのさらなる事業拡大を目指す。