ランクセス オキソン一過硫酸塩の生産能力拡大を計画

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2020年10月29日

 ランクセスはこのほど、消毒剤への需要が高まる中オキソン一過硫酸塩の生産能力を約50%拡大する計画の下、米国メンフィスの生産施設に数千万ユーロ台前半の投資を行うと発表した。生産能力の拡張は2022年後半に完了予定。

 オキソン一過硫酸塩は同社の「ビルコン(Virkon)」や「Rely+On」など多くの消毒製品の主な有効成分として使用され、アフリカ豚熱や新型コロナウイルスのパンデミック発生によるここ数カ月の大幅な需要増加に加え、強力酸化剤として多くの用途にも使用されている。畜産企業が消毒目的で使用し、アフリカ豚熱や鳥インフルエンザなどの蔓延防止に役立ち、抗生物質の使用も削減できる。

 人口増加と食肉消費の増大によりバイオセキュリティの問題も重要性を増し、消毒剤の需要も継続して増大。人の環境衛生のための消毒剤は病院、研究所、公的機関のほか医療機器にも使われ、SARS-CoV-2を60秒で完全不活性化することも証明されている。また、オキソンは義歯洗浄剤の主成分であり、プールの水浄化に使用して塩素の使用低減も可能だ。

 そのほかエレクトロニクス産業でのプリント回路基板の製造プロセスでの表面処理、製紙メーカーでの紙再処理時の湿潤紙力増強樹脂を含む紙製品の分解促進の目的でも使用される。規制要件が厳しくなり塩素を含まない酸化剤によるソリューションが好まれ、これらの産業での需要も高まっている。

 消毒製品は同社の中でも収益性の高いコンシューマープロテクション部門の成長の原動力。コロナパンデミック後も高いレベルの需要継続の見込みに加え、水処理分野のほか電子機器や製紙業界などの需要増加に、今回の生産能力拡大で対応する考えだ。