デンカと九州大学 がんゲノム検査の共同研究部門を設置

, , , , ,

2020年4月3日

 デンカと九州大学はこのほど、医療分野での新たな検査診断技術の普及と発展のため、3月23日に組織対応型連携契約を締結したと発表した。

 今後、両者は同大学内に先進的ながんゲノム検査に関する共同研究部門を設置し、同大学の研究資源とネットワーク、デンカが持つ検査解析技術に関するノウハウを融合させ、産学連携による研究を推進する。同共同研究部門を産学連携および学術的研究活動の拠点と位置づけ、がんゲノム検査技術の発展に貢献していく。なお、期間は今年6月1日~2023年3月31日となっている。

 同大学は「九州大学アクションプラン2015―2020」の中で、「先端医療による地域と国際社会への貢献」と「社会と共に発展する大学」を具体的な目標と取り組みの1つに掲げ、基礎研究から臨床研究への推進体制の強化や、産学官民連携によるオープンイノベーションを積極的に推進。

 また、同大学は組織対応型連携事業の枠組みの下で企業との「共同研究部門」を設置し、社会の多様なニーズに対して組織的かつ長期的に民間企業などと実用化に向けた産学連携に取り組んでいる。

 一方、デンカは経営計画「Denka Value‐Up」では、ヘルスケア事業を経営の柱の1つに位置づけ、ワクチン・検査試薬事業で培ってきたコア技術を、がん領域や遺伝子診断技術、感染症検査システムなどの新たな医療分野へ拡げ人々のQOL向上に取り組んでいる。

 同大学とデンカグループの連携は、50余年前の合成ゴムの物性測定に関する研究に遡ることができ、その後も長年にわたり、高分子やセラミックスなどの先端材料、検査薬技術を活用した新規バイオマーカー、鉱山の安全な採掘法など多岐にわたる分野について共同研究を進め、実績を上げてきた経緯がある。

 今後は、包括的な共同研究を中心に次世代技術開発を加速するとともに、さらに密接な協力関係を構築・活用することで、地域社会や国際社会の発展に貢献していく。